2023.09.01

休み明け、子どもが学校に行かない。発達障がいの子は不登校になりやすい?どう接したらいい?

休み明け、子どもが学校に行かない。発達障がいの子は不登校になりやすい?どう接したらいい?

休み明け、お子さんが引きこもりがちになり、不安に思うことが多いでしょう。とくに発達障がいの特性があるお子さんの場合、いろいろなことを考えてしまうかもしれません。やっと学校生活になじめたと思ったのに、このまま、ずっと不登校になってしまうのか。勉強や将来に支障が出ないか。どうやって傷つけず、また学校に通ってもらえるか。子どもと家での接し方もわからなくなっているというお母さんに、お子さんの不登校への理解を深め、心がけておきたい接し方についてご説明します。

 

休み明け、発達障がいのある子どもが不登校になる理由は?

お子様の学校生活を心配したり、または自分を責めたりしていませんか。
不登校になったとき、「何が悪かったのか」を探しても、あまり意味がありません。
不登校は、さまざまな要因が複雑に絡み合ってできています。

 

発達障がいと環境的な要因

発達障がいのお子さんは人間関係や勉強でストレスを抱えやすいです。けれど、鈍くもあり、学校に平日毎日行っていたときにはストレスに気づかないこともあります。
それが、長期の休みに入り、学校という環境から離れることで、自分がストレスをためこんでいたことに気づきます。

さらに発達障がいのお子さんは、ネガティブな部分を覚えやすいという特性があります。ネガティブな部分に気づき、楽しかったことよりも悪いことがよく記憶に残るので、長期休み明け、学校に行くのが億劫になりがちです。
発達障がいの特性に、環境的な要因が組み合わさって不登校になるケースです。


いじめの可能性はある?

最近の「いじめ」はもっと陰湿にわかりづらくなっています。匿名性の高いネットや、SNSをつかったいじめがふえ、問題が解決しにくくなっていることが多いです。長期休みの間、とくにネットにふれる機会が多くなるでしょう。

お子さんが体調不良を訴えていたり、症状が悪化していたりする場合は、いじめも可能性の一つとして考えましょう。
ただし、見極めが大切です。いじめかと思って過干渉になっても、発達障がいのお子さんの心の負担がふえてしまいます。

つぎに文科省が作成した「いじめのサイン発見シート」の項目をご紹介しますので、目安としてご参考ください。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/__icsFiles/afieldfile/2018/08/21/1400260_001_1.pdf

 

 

発達障がいの子どもが不登校になっているときに心がけたい接し方

不登校になっている理由を話してほしい、学校に行ってほしい。発達障がいだからこそより気を付けなくてはいけないと心配や不安があったりして、お子様にどのように接したらよいのかわからなくなっているかもしれません。発達障がいのお子さんが不登校になっているときに心がけたい接し方をご説明します。

 

理由を無理に聞き出そうとしない

原因を解決すれば、子どもがまた学校に行けるようになるのではと思うかもしれません。
けれど、もともと気持ちを伝えるのがむずかしい発達障がいのお子さんには、理由を伝えることは大きなストレスになります。

また、お子さん自身が、自分のストレスの本当の原因に気づいていない可能性もあります。不登校でなくなるには、「気づいていない部分」が重要なこともあります。
お子さんには理由を無理に聞き出そうとはせず、注意深く見たり、お子さんを休ませたりすることを優先しましょう。

 

休む期間をあらかじめ決める

学校を休みがちになっている状況は、ご家族だけではなく、お子さん自身もつらく感じています。
「明日には行こう」と決意して、「また行けなかった…」と繰り返す毎日。自分への無力感と、親に申し訳ないという想いが積み重なります。このような失敗経験をふやすことは、発達障がいのお子さんには避けた方が良いことです。
なので、ご両親から休む期間を提案することが、ひとつの解決策になります。

「あなたが休むことを受け入れているよ」という気持ちがお子さんに伝わり、心の負担をへらすことができます。
子どもと話し合って、どのぐらいの期間休むかを一緒に決めましょう。
日にちの見通しが立つことで、わからないことへの「不安」をへらすこともできますし、お子さんの今のストレスがどのぐらいであるのかを知ることもできます。

 

休んでいる間、家での役割をあたえる

不登校になっているとき、お子さんは自分を責め、自分は何もできないと無力感に悩まされていることがあります。この無力感が積み重なると、引きこもりがちになってしまいます。
お子さんが話せる状況であれば、学校を休んでいる間の過ごし方にルールを設けましょう。「朝ごはんは一緒に食べよう」「ゲームは1日○時間」など。お手伝いを頼むのも良いでしょう。

「休んでいるんだからやってよね」という姿勢は見せないように気を付けてください。
お子さんに居場所をつくる意味で、お子さんにルールや役割をあたえ、自信につなげたり、「ここにいてもいいのだ」という安心感をもたせましょう。

 

 

まとめ

長期休み明け、発達障がいのお子さんが不登校になる理由はさまざまです。特性による影響だけではなく、環境的な要因が絡んでいることもあります。お子様自身も原因をつかめきれていないことも多いです。
学校を休んでいる理由を無理に聞き出さず、寄り添う姿勢を見せ、まずはお子様の心の負担をへらし、また「学校に行こう」と頑張る気持ちを育むようにしましょう。

 

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参考

『NPOカタリバがみんなと作った 不登校―親子のための教科書』 著書:今村久美

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