2021.01.20

障害者のリモートワークの厳しい課題…解決するには?将来的には?



障害者のリモートワークの厳しい課題…解決するには?将来的には?

2020年にコロナ禍があり、リモートワークを導入する企業がふえています。 在宅勤務が多くなれば、通勤がむずかしかった障がい者が働けるようになるので、障がい者のリモートワークは障がい者・企業どちらにもメリットがあります。
障がい者のリモートワークのメリットや、現在の課題、今後の動きをご紹介します。


障がい者雇用のリモートワークはこれから増えていく?

以下にリモートワークの導入状況や、障がい者雇用の推移をまとめました。

●リモートワークを実施する企業は年々増加している

リモートワークを導入した企業や導入予定がある企業は全体の約3割というのが現状ですが、平成29年から見ていくと、少しずつふえていることがわかります。とくに、リモートワークが導入しやすい業務がある「金融・保険業」や「通信事業」でリモートワークがふえています。

グラフ-1 グラフ-2 グラフ-3 グラフ-4 グラフ-5 グラフ-6

出典:総務省 令和元年通信利用動向調査の結果



●口話を使うことができない

口のかたちや表情だけでコミュニケーションをとることを「口話」といいます。とくに聴覚障がいをもつお子さんは口話をつかうことが多いです。 マスクで口元が隠れることで、口話が使えなくなり、得意なコミュニケーションの手段を失ってしまった方もいます。


●障害者雇用率も過去最高を更新している

厚生労働省「令和元年 障がい者雇用状況の集計結果」によると、令和元年には障がい者雇用の人数が前年よりも2万5,839人も増加し、実雇用率が2.11%となっています。

このように、リモートワークを導入する企業も、障がい者の雇用人数も年々増加しています。



障がい者のリモートワークのメリット

障がい者のリモートワークは障がい者だけでなく、企業にもメリットがあります。

●最小限の設備で障がい者雇用ができる

障がい者を雇用するとき、職場のバリアフリー化やサポート器具が必要となり、費用や手間がかかる場合があります。 しかしリモートワークであれば、必要なものはノートパソコンなどです。環境の整備は障がい者自身でおこなってもらいます。 そのため最小限の費用と手間で、障がい者を雇うことができます。

●人材確保につながる

優秀な能力をもっていながら、身体や精神に障がいがあり、通勤ができなかった人たちが働けることで、人材を確保できるようになります。 また、障がい者雇用を実施している企業は地方に少なく、都市部には多い傾向があります。都市部では障がい者雇用をすすめているのに、応募が来ないという事も起きています。
そこでリモートワークがすすむと、地方に住む障がい者も都市部でリモートワークをして働けるようになるので、企業は人材が確保でき、障がい者は働く場所がふえます。



障がい者のリモートワーク…厳しい課題

障がい者のリモートワークにはメリットがたくさんありますが、現在、厳しい課題も残っています。


●障がい者の仕事はオフィス業務や現場仕事が多かった

障がい者雇用により、今まで障がい者にあたえられてきた仕事は、製造、印刷業務や清掃、接客など、オフィスやお店があって働ける仕事がほとんどでした。
そのためコロナ禍でオフィス業務が少なくなったり、お店が障がい者雇用をできなくなったりして、多くの障がい者が解雇されることになりました。
厚生労働省の調べによると、2020年3月から8月までに解雇された障がい者は1473人であり、前年度から障がい者の解雇率が40%近くも増加しています。 これからリモートワークが普及することで、逆に、障がい者の仕事がへるのではないか、という不安な意見もあります。

●企業は障がい者がリモートワークできる業務を見つける必要がある

障がい者のリモートワークには働き手不足の解消などメリットがたくさんあり、国も障がい者のリモートワークをすすめています。また障がい者の在宅雇用を支援するサービスも提供されるようになりました。
そのため企業には、障がい者がリモートワークで働けるような仕事を見つけることが求められています。 製造業などは「リモートワーク化できる仕事がない」と思われがちですが、製造業でも障がい者雇用のリモートワークに成功した企業があります。
業務のタスクをすべて見直し、書類のデジタル化・コミュニケーションツールの導入などをおこなうことで、業種に関わらず、リモートワーク化できる業務を見つけられる可能性はあります。 そして課題をクリアできれば、障がい者のリモートワークは広まっていくでしょう



まとめ

障がい者のリモートワークには厳しい課題が残っています。しかし業種に関わらず、業務の見直しや書類のデジタル化などをおこなうことで、障がい者がリモートワークできる業務が見つかるはずです。
国も企業も、障がい者のリモートワーク化できる業務を、見つけ出すことをすすめています。
リモートワークによって障がい者の仕事がへるのではなく、新しい「働く場所」を提供され、障がい者の働き方が変わることも期待できます。



▼参考

関連情報

みんなの障がいへ掲載希望の⽅

みんなの障がいについて、詳しく知りたい方は、
まずはお気軽に資料請求・ご連絡ください。

施設掲載に関するご案内