発達障がい者が在宅勤務をするときに陥りやすい悩みとは?どんな対策をしたらいい?
発達障がい者が在宅勤務をするときに陥りやすい悩みとは?どんな対策をしたらいい?
コロナ禍で在宅勤務が多くなり、障がい者雇用でも在宅勤務を導入する企業がふえてきました。通勤時間の短縮、自身の好きなように環境を整えられるなどメリットが多い在宅勤務。発達障がい者には「在宅勤務」がおすすめだと、どこかで見られた方もいるのではないでしょうか。しかし、デメリットもあります。発達障がい者が在宅勤務で陥りやすい悩みや、その対策をご紹介します。
発達障がい者がテレワークをするときに陥りやすい悩み
発達障がいの特性によって、在宅勤務で抱える悩みは両極端で、それぞれちがいます。とくに多いのは、在宅勤務で集中できない、逆に集中しすぎてしまうという悩みです。在宅勤務なら集中できそうだと思っていたけれど、実際はちがっていたなど、在宅勤務を始める方の多くが経験しています。
集中できずだらけてしまう
ADHDの方は時間管理や計画など見通しを立てることがむずかしく、やるべきことを後回しにしてしまいがちです。さらに在宅勤務ではほかの人の目がないため、タスクを後回しにしても気づかれることもないので、重要なタスクがたまっていくことがあります。
また衝動性が強い特性の方は、家の中にある「誘惑」に勝てず、仕事に集中できないことが多くあります。とくに、ゲームやスマホ、テレビなどに夢中になったり、昼寝をしてしまったりして、気づけば終業時間だったということも起こりがちです。
集中しすぎて疲れてしまう
発達障がいの特性のひとつに「過集中」があります。集中しすぎて、飲食やトイレに行くことなど忘れてしまうほどにのめり込んでしまう特性です。
オフィスだと、人の話し声があったり、昼休憩になるとまわりの人が立ち上がったりして、集中しすぎていることに気づけます。しかし、在宅勤務だと、自分が集中しやすい環境を整えられます。また人に話しかけられることがないので、気づけば少しの休憩もとらず、働き続けて、翌日は仕事ができなくなる人もいます。
オンとオフの切り替えができない
仕事をするときは、「場所」も重要です。通勤時間をつかって、場所を移動することで、仕事をする自分と休日の自分を切り替えられるという方もいます。とくに発達障がいの方は、同じ環境でオンオフを切り替えることがむずかしい傾向があります。そのため、休日に自宅にいるのに疲れてしまう、オフの状態からオンにできず、仕事に集中できないといった悩みをもってしまいます。
発達障がい者が抱えがちな悩みへの対処法
発達障がい者の方が抱えがちな悩みをすでにもっている方や、悩みを抱えそうだと不安な方へ、対処法をご紹介します。
- 在宅勤務で集中できないときの対処法
- 在宅勤務で集中しすぎてしまうときの対処法
- オンとオフの切り替えがむずかしいときの対処法
在宅勤務で集中できないときの対処法
・仕事をするための空間をつくる
・To Doリストやスケジュールを作成する
自分が仕事よりもやりたいと思ってしまうような「誘惑」は遠ざけましょう。とくに、スマホに誘惑が多いです。通知が気になったり、更新の早いSNSが気になったりして集中しづらくなります。スマホの通知は切り、仕事中は目の届かない場所に置いておきましょう。
仕事をするための空間をつくることも大事です。寝室やリビングなど、いつもくつろいでいるところだと、オン・オフの切り替えができず、だらだらしてしまいがちです。
仕事以外のものを置かない、仕事をするだけの部屋を用意しましょう。部屋が用意できない場合は、ゲーミングテントを張ることもおすすめです。
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また、やることが決まっていないと、なにからやるか選ぶ段階で疲れてしまい、集中するまで時間がかかります。そのため、To do リストを作成したり、一日の動き方のスケジュールを立てることをおすすめします。発達障がいの特性により、見誤ってスケジュールをきつめに設定してしまうことがあるので、少し時間に余裕をもたせたスケジュールを組むと良いでしょう。
在宅勤務で集中しすぎてしまうときの対処法
・適度に集中が切れやすい空間をつくる
1時間経ったらアラームを鳴らし、1時間に数分、休憩をとるようにしましょう。ずっと座りっぱなしだと血流が悪くなり、体調悪化を招きます。伸びをしたり、少し歩いたりして、体をほぐしてください。
また集中しやすい傾向にある方は、あえて適度に集中が切れやすい空間で仕事をするのもよいでしょう。テレビの音を聞きながら仕事をしたり、人の話し声がするカフェなどで仕事をするのも、ほどよく集中が切れるようになります。
オンとオフの切り替えができないときの対処法
・仕事をする空間と、生活空間を分ける
家のなかでも出社しているように、身だしなみを整えて、仕事にとりかかりましょう。
寝間着や部屋着のままで仕事をするとオフの気分が拭えず、オンになりにくく、オフのときも休まりづらくなります。まず自分の身につけているもの・環境を整えるとオン・オフの切り替えがしやすくなります。
まとめ
障がい者雇用にも広まっている在宅勤務。たくさんのメリットがあるなかで、集中できない、逆に集中しすぎてしまうなど、発達障がいの特性により悩む方がいます。しかし、仕事ができていない状態が続けば、在宅勤務が廃止される可能性もあります。在宅勤務でワークライフバランスを充実させられるように、仕事にしっかり取り組んでいきましょう。
参考