発達障がいとスマホ依存!スマホ依存になりやすい理由・対処法を解説
発達障がいとスマホ依存!スマホ依存になりやすい理由・対処法を解説
スマートフォンの普及とともに、スマホ依存症も問題として挙げられるようになりました。特に発達障がいの方はスマホ依存症になる可能性が高いという研究結果も出ています。
発達障がいの方がスマホ依存症になりやすい理由や、スマホ依存症への対策をご紹介します。
発達障がいはスマホ依存になりやすいのはなぜ?
発達障がいは集中しすぎてしまうという特性があり、さまざまな情報が載っていたり遊んだりできるスマホはハマりやすいです。
自閉症スペクトラムとスマホ依存との関連性は、ある・ない、両方の報告があり、関連性は明確に定まっていません。
しかし、ADHDとスマホ依存の関連性は多くの研究で報告されています。
それでは発達障がい、特にADHDの方がなぜスマホ依存になりやすいのか、理由を見ていきましょう。
スマホが最も手軽に依存しやすい
発達障がいの二次障がいに「依存症」があります。二次障がいとは、発達障がいが原因で起こる障がいのことです。
ADHDの方は、やる気や集中力を持続するドーパミンが不足しており、無意識にドーパミンを活性化させようとして、何かに依存するのではないかと考えられています。
依存先としてはお酒や薬物、ギャンブル、買い物などがありますが、そのなかでスマホは最も簡単です。特別な資格はいらず、携帯料金を払えばだれでも手にすることができます。操作も簡単で、いつでもどこでも情報を見たりゲームで遊んだりできます。そのためスマホ依存になる発達障がい者がふえていると推測されます。
発達障がいの特性が原因になる
ADHDの特性は、やるべきことを後回しにしてしまう。時間の計画を立てること、待つことが苦手。
計画することが苦手で、やるべきことを後回しにしてしまうので、スマホで興味ある情報を見たりゲームをしていたりしても、「あともう少しだけ…」とスマホを利用する時間が長くなります。
また、待つのが苦手なADHDの方は速い返事や反応が心地よいと感じる傾向があります。スマホのSNSや連絡は現実社会よりも返事や反応が速いので、スマホに依存しがちになってしまいます。
自閉症スペクトラムの場合は、興味がある分野の情報を収集するために長時間スマホを使ってしまい、気づかぬうちに依存していることも。
発達障がい者は人間関係のストレスを抱えやすい
発達障がいの方は、対人でのコミュニケーションを苦手としている人が多くいます。現実社会で良い人間関係が築けないため、ネット上の交流に夢中になる傾向があります。
またストレス発散にもスマホは手軽なので、日常生活や人間関係などのストレス発散のためにSNSやゲームに集中し、スマホ依存となる可能性が高くなります。
どのような状態だとスマホ依存症?
スマホは最も手軽な依存先で、発達障がいの特性から依存しやすいものです。依存していないつもりでも、もしかしたらスマホ依存症になっている可能性があります。
どのような状態だとスマホ依存症を疑うべきか、以下をチェックしてみてください。
- スマホが近くにないと不安になる
- 朝起きたらまずスマホをチェックする
- スマホを見ながら眠ってしまうことがある
- SNSやラインの通知にはすぐ反応する
- SNSやラインを送って反応がないと不安になる
- スマホの充電が切れると不安
- 意味もなくスマホにさわる
- 「ながらスマホ」をよくする
スマホ依存からなりやすいゲーム障がい
スマホ依存になると「ゲーム障がい」になる危険性も高まります。
ゲーム障がいは、脳への変化が起こる恐ろしい疾患です。
つぎのような症状が12か月以上続くと、ゲーム障がいの疑いがあります。
- 生活よりもゲームを優先する
- 仕事や勉強、健康に悪影響があってもやめられない
- ゲームしたいという衝動を抑えられない
- ゲームを続けることで、生活や周囲に重大な問題が生じている
・衝動性が上がる
・より刺激を求めるようになってゲームをやめられなくなる など
思い当たるような項目はありましたか?
ソーシャルゲームやアプリゲームはいつでもどこでもできて、長時間使用しやすいので、十分にご注意ください。
発達障がい者がスマホに依存しないためには?
完全にスマホを使用しないことは不可能です。スマホを断つのではなく、「減らす」という考え方が重要になります。
スクリーンタイムを使う
スマホ依存症対策として推奨されているのは、スマホの使用時間を記録することです。どれだけの時間、自分が無意識のうちに使っているかを知り、問題意識をもつこと、原因を探ることがまず大切です。
今では日記をつけなくても、「スクリーンタイム」という機能がiPhoneにあります。
画像引用:iPhone、iPad、iPod touch でスクリーンタイムを使う - Apple サポート (日本)
スクリーンタイムを使用すると、自動でスマホの何のアプリをどのぐらいの時間、使用しているかが一目でわかります。
さらにアプリの使用時間を制限する機能もあります。事前に一日の使用時間を設定し、その時間を超えるとロックがかかり、そのアプリが使えなくなります。パスワードを入力すると解けますが、本人ではなく、家族や医師に設定してもらえば、簡単に使用できません。原因と対策どちらもおこなえるので、スクリーンタイムはスマホ依存症対策にとても有効です。
androidでも同じような機能をもったアプリが開発されています。「スマホ依存症対策」で検索し、アプリを活用しましょう。
日常生活を見直す
スマホ依存になっている原因が日常生活での不満や人間関係のストレスである場合、スマホの使用を制限しても、スマホが使えないストレスが加わって発達障がいの症状が悪化したり、また別の障がいを引き起こす可能性があります。
ストレスをへらすにはどのように環境を変えるといいかを考えたり、身近な人に相談したり、ほかのストレス発散方法を見つけることも大切です。
まとめ
発達障がい、特にADHDは依存症になりやすい特性をもっています。スマホは最も手軽に依存しやすく、ハマりやすいので、注意が必要です。スマホ依存になると「ゲーム障がい」という脳の機能に影響をあたえるような危険性も出てきます。
スマホ依存症対策としては、iPhoneの「スクリーンタイム」やスマホ依存対策用のアプリの使用が、簡単な方法です。
またはスマホ依存になっている原因が日常生活にないかを考え、環境を変える、身近な人に相談する、ほかのストレス発散方法を考えるなどしましょう。
参考
S08︲3.発達障害とインターネット依存の現状と対策 館農 勝
【無料漫画】ADHDは依存になりやすい!~マンガで分かる心療内科~ | 【池袋心療内科・精神科】ゆうメンタルクリニック池袋駅0分
ゲーム・スマホ依存症 |名古屋駅 心療内科 名古屋市西区 名駅さこうメンタルクリニック 女医
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