パラリンピック競技自転車!
パラリンピック競技自転車!競技方法や見どころ
パラリンピック競技の1つ「自転車」は、障がいに配慮された自転車に乗り、一般の自転車競技と同じくタイムを競うスポーツです。 選手と自転車が一体になったような形や、手でこぐ自転車、2人乗りの自転車など、多くの種類の自転車を見られるのが魅力のひとつ。 パラリンピック競技「自転車」のルールや競技方法、魅力をご紹介するので、ぜひ観戦前にチェックしてください!
パラリンピック競技「自転車」とは?
パラリンピック競技「自転車」は、視覚障がい者や身体障がい者の選手が出場できる競技です。障害の種類・程度に応じた競技用自転車に乗り、タイムを競います。 基本的にオリンピックと同じルールですが、「障害によってできないこと」や、「ケガをして障害が悪化するおそれがあること」に配慮して、一部ルールの変更があります。 そのひとつが、競技用自転車の改良です。ルールの範囲内であれば、障害に合わせて自転車を改造することができます。 競技の個人戦は男子・女子。チーム戦は男女混合。(チーム戦は選手の性別や障害のクラスごとに1~4点ずつあたえられ、チームで10点以内になるように構成されます。) さらに障害の種類・程度によって細かく分けられ、パラリンピックでは全50種目がおこなわれます。
クラス分け
競技に出場する選手は障害の種類・程度によって細かくクラス分けされます。クラスは障害の種類でまず「Cクラス」「Tクラス」「Bクラス」「Hクラス」の4つに分類されます。 つぎに障害が軽度か重度かによって分けられます。アルファベットの次につく数字が小さいほど障害が重いです。 たとえばCクラスのC1の選手は障害が重いため、サポートするために腕や脚に装具を付けてペダルに固定するなど、自転車と一体化した走行が見られます。C5クラスの選手は見た目に障がいがわからない選手が多いです。
クラスや男女ごとにヘルメットの色が決まっています。
選手が使用する自転車
Cクラスでは一般的によく見られる競技用自転車を使用します。 Tクラスは、まひなどで体幹に重度の障がいがあるとバランスを保つことができないので、三輪自転車で走ることになります。 Bクラスの視覚障がいがある選手たちは、「パイロット」と呼ばれる晴眼者と一緒に乗り、視覚を補うかたちでコースを走るので、2人乗り自転車をつかいます。 Hクラスの下肢障害がある選手は、脚でペダルをこぐことができないため、「ハンドバイク」と呼ばれる、手でこいで走行できる自転車を使用。ハンドバイクには、体を起こした状態で体重をかけてペダルを回すタイプと、仰向けになってペダルをこぐタイプがあります。
・H1~H4クラス
仰向けでペダルをこぐ自転車を使用
・H5クラス
身体を起こした状態でペダルをこぐ自転車を使用
「ロード」と「トラック」
競技の種目は、屋外を走る「ロード」と、屋内で専用の走路を走る「トラック」に大きく分かれます。 ロード種目は「ロードレース」「タイムトライアル」「チームリレー」。ロードレースは男女別、チームリレーは男女混合でおこなわれます。 ロードレースとタイムトライアルはすべてのクラスでおこなわれますが、チームリレーはHクラスの選手のみが出場します。
トラック種目は「タイムトライアル」「パーシュート」「チームスプリント」の3種目。タイムトライアル、パーシュートは男女別、チームスプリントは男女混合です。 タイムトライアル・パーシュートが実施されるクラスは、CクラスとBクラス。チームリレーはCクラスのみです。
計算タイム制
パラリンピック競技ならではの制度として、「計算タイム制」があります。複数のクラスの選手と合わせて競技をおこなうとき、以下の計算式で順位を決めます。
実際に計測したタイム ✖ クラスごとに設定された係数
一例として、C3~C5の選手が一緒に競う場合は、障がいが軽いC5選手のタイムを100%とします。C4選手のタイムには98%、C3選手のタイムには93%と「係数」を決めて、実際に計測したタイムに掛け合わせます。 そして実際に計測したタイムより速いタイムを算出して、そのタイムで選手たちの順位を決めます。
パラリンピック競技「自転車」の魅力
オリンピック競技「自転車」と同じく、スピード感あふれる走りや、限界までペダルをこぎ続ける選手たちのパワーも見どころ。 さらにパラリンピック競技ならではの魅力をご紹介します。
多種多様な自転車
パラリンピック競技「自転車」では、選手と一体化しているように見える自転車、2人乗り、三輪自転車、ハンドサイクルと、日常では見られない自転車技術を知ることができます。 競技用自転車はそれぞれ操作技術や求められる能力がちがうので、選手たちには自転車の性能を引き出すテクニックが求められます。 たとえば三輪自転車だと、コーナーを曲がるのがとてもむずかしくなります。なのでオートバイレーサーのように大きな体重移動が必要になります。 ハンドサイクルは下り坂だと時速80kmを超えることも。そのスピード感に慣れて適切に操作しないといけません。また自転車の全長が長いという特徴もあり、この操作しづらさをどう克服するか、選手の走行テクニックに注目です!
自転車競技で見られるコンビネーション
Bクラスの視覚障がい者が出場する種目では、パイロットとの熱いコンビネーションが見られます。 どれだけパイロットが優れていて力強い走りができたとしても、選手とコンビネーションができていないと速くは走れません。 最大限のパフォーマンスを発揮するには、お互いの呼吸をしっかり合わせて身体を動かすことが重要です。コーナーでの体重移動、スピードの緩急、ペダリング。 息の合ったプレーに、長期間の練習の積み重ねと深い絆を感じ、胸が熱くなるでしょう。
まとめ
パラリンピック競技「自転車」の「トラック」は2021年8月25日(水)~8月28日(土)、「ロード」は8月31日(火)~9月3日(金)におこなわれます。 選手たちのスピード感ある熱い戦いや、パラリンピックだからこそ見られるさまざまな自転車の走行技術、サポーターとのコンビネーションに注目して観戦しましょう!
<<参考>>
パラリンピックスケジュール&結果 - 自転車競技(ロード) | 東京2020パラリンピック競技大会
自転車 競技ガイド・イラスト解説 | 東京2020パラリンピック | NHK
https://olympics.com/tokyo-2020/ja/paralympics/sports/cycling-road/
https://sports.nhk.or.jp/paralympic/sports/cycling/
東京パラリンピック自転車競技(ロード)のコースが一部変更|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp
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