【令和3年度報酬改定】重度訪問介護
【令和3年度報酬改定】重度訪問介護
令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の重度訪問介護に大きな改定はありませんが、新たな加算がいくつか新設されており、緊急時の対応が評価されます。
令和3年2月4日に発表された、報酬改定の内容をまとめたので、ご参考ください。
重度訪問介護の改定内容
令和3年度報酬改定の重度訪問介護の改定点は以下になります。
- 移動介護緊急時支援加算の新設
- 地域生活支援拠点等に係る加算の新設
- 身体拘束などの適正化
- 福祉・介護職員等に関する加算の見直し
移動介護緊急時支援加算の新設
「移動介護緊急時支援加算」は、移動時に緊急的におこなう介護を評価する加算です。
ヘルパーが運転する車で利用者と移動しているとき、利用者からの要請に対応して、車を低駐車させ、喀痰吸引や体位調整など必要な支援をおこなうと、1日につき以下の単位数があたえられます。
fa-arrow-circle-right移動介護緊急時支援加算・・・240単位/日
地域生活支援拠点等に係る加算の新設
緊急時の受け入れ体制を強化するため、「地域生活支援拠点等に係る加算」が新設されました。
「地域生活支援拠点等に係る加算」は、地域生活支援拠点等と指定されたサービス事業所が、緊急時の対応をおこなった場合に評価し、加算されます。緊急時対応加算、緊急時支援加算(Ⅰ)または緊急時支援費(Ⅰ)を算定すると、以下の単位が加えられます。
fa-arrow-circle-right地域生活支援拠点等に係る加算・・・+50単位/回
身体拘束の適正化
事業の運営基準に、身体拘束に関する要件が新設されます。
②身体拘束の適正化のための対策検討委員会を開き、委員会の検討結果を従業員へ徹底周知すること。
③身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
④従業者へ、身体拘束等の適正化のための研修を定期的におこなうこと。
①は令和3年度から義務化、②~④は1年間の準備期間を設け、令和4年度から義務化されます。
また令和5年4月からは、運営基準の①~④を満たしていないと、「身体拘束廃止未実施減算」が適用されます。以下のとおりに基本報酬が1日ごとに減算されてしまいます。
fa-arrow-circle-right身体拘束廃止未実施減算・・・5単位/日
福祉・介護職員処遇改善加算・処遇改善特別加算の見直し
福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)と、福祉・介護職員処遇改善特別加算は廃止。
しかし令和3年3月末時点で加算(Ⅳ)(Ⅴ)が算定されている障害福祉サービス等事業所は、1年間の経過措置をあたえられます。
また加算率の算定方法は、障害福祉サービス等経営実態調査にある従業者数や報酬請求事業所数を用いて、加算率が算定されることに。
重度訪問介護の加算率は以下のようになります。
(Ⅱ)所定単位数× 14.6%
(Ⅲ)所定単位数× 8.1%
職場環境要件も見直されました。職場環境の改善につながる取り組みは、当該年度に実施することを求められます。
ただし、継続して処遇改善加算を取得している事業所は、当該年度に実施できない正当な理由がある場合、特別に、前年度の取り組み実績で要件を満たすことができます。
福祉・介護職員等特定処遇改善加算の見直し
福祉・介護職員等特定処遇改善加算の平均の賃金改善額の配分ルールが見直されます。
より柔軟な配分をできるようにするため、経験・技能のある障害福祉人材は、ほかの障害福祉人材の平均引き上げ額の「2倍以上とすること」としているルールを、「より高くすること」に。
また福祉・介護職員等処遇改善加算と同じく、類似している複数のサービスはグループ分けして加算率を設定。重度訪問介護の加算率は以下のとおりです。
(Ⅰ)所定単位数× 7.0%
(Ⅱ)所定単位数× 5.5%
まとめ
令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の重度訪問介護は、「移動介護緊急時支援加算」が新設され、緊急時の対応もしっかり評価されるようになります。
このほか全サービスに関わる報酬改定の内容は別記事にまとめたので、ご覧ください。
【令和3年度障害福祉サービス報酬改定】全サービス
参考