2021.11.29

【令和3年度報酬改定】療養介護

療養介護

【令和3年度報酬改定】療養介護

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定では、介護サービスの経営状況の悪化などから、基本報酬が大きく見直されています。また療養介護の対象者を明確に文書で示すことが求められます。

令和3年2月4日に発表された、障害福祉サービス報酬改定の内容をまとめましたので、ご参考ください。

 

 

療養介護の報酬改定の内容

療養介護の報酬改定の内容は以下のとおりです。

  • 基本報酬の見直し
  • 福祉・介護職員等に関する加算の見直し
  • 対象者要件の明文化
  • 身体拘束などの適正化

 

基本報酬の見直し

療養介護など介護サービスの経営状況が悪化していることをみて、基本報酬が上げられます。改定前・改定後の報酬単位を以下にまとめました。

 

療養介護サービス費(一日につき)

利用定員

見直し前

見直し後

療養介護サービス費(Ⅰ)

40人以下

948単位

965単位

41人~60人

922単位

939単位

61人~80人

875単位

891単位

81人以上

838単位

853単位

療養介護サービス費(Ⅱ)

40人以下

690単位

703単位

41人~60人

655単位

667単位

61人~80人

608単位

619単位

81人以上

578単位

589単位

療養介護サービス費(Ⅲ)

40人以下

546単位

556単位

41人~60人

517単位

527単位

61人~80人

488単位

497単位

81人以上

466単位

475単位

療養介護サービス費(Ⅳ)

40人以下

437単位

445単位

41人~60人

401単位

409単位

61人~80人

374単位

381単位

81人以上

354単位

361単位

療養介護サービス費(Ⅴ)

40人以下

437単位

445単位

41人~60人

401単位

409単位

61人~80人

374単位

381単位

81人以上

354単位

361単位

 

経過的療養介護サービス費

利用定員

見直し前

見直し後

経過的療養介護サービス費(Ⅰ)

40人以下

886単位

902単位

41人~60人

886単位

902単位

61人~80人

857単位

873単位

81人以上

823単位

838単位

 

 

福祉・介護職員処遇改善加算・処遇改善特別加算の見直し

福祉・介護職員等に関する加算の見直しでは、福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)と、福祉・介護職員処遇改善特別加算が廃止されます。

(令和3年3月末時点で同加算が算定されている事業所は、1年間の経過措置を設けられます。)

 

また加算率の算定方法は、障害福祉サービス等経営実態調査による従業者数や報酬請求事業所数を用いて、加算率が算定されることに。類似する複数のサービスはグループ分けして、加算率を算定します。

療養介護の加算率
 (Ⅰ)所定単位数× 6.4%

 (Ⅱ)所定単位数× 4.7%

 (Ⅲ)所定単位数× 2.6%

職場環境要件も変更されました。職場環境の改善につながる取り組みは、当該年度に実施することを求められます。

ただし、継続して処遇改善加算を取得している事業所は、当該年度に実施できない正当な理由がある場合は、特別に前年度の取り組み実績で要件を満たすことができます。

 

福祉・介護職員等特定処遇改善加算の見直し

画像引用:令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

 

福祉・介護職員等特定処遇改善加算の平均の賃金改善額の配分ルールは、より柔軟な配分をできるように見直されました。経験・技能のある障害福祉人材は、ほかの障害福祉人材の「2倍以上とすること」としているルールを、「より高くすること」に変更されます。

また類似している複数のサービスは、福祉・介護職員等処遇改善加算と同じく、グループ分けして加算率が決められます。

 (Ⅰ)所定単位数× 2.1%

 (Ⅱ)所定単位数× 1.9%

 

対象者要件の明文化

障害支援区分5以上であり、

①高度な医療的ケアを必要とすること

②強度行動障がいがあり、医療的ケアが必要であること

③遷延性意識障がいで、医療的ケアが必要であること

①~③、または①~③に準じる状態だと市町村が認めた場合、療養介護の対象になることを文書にして示すことが求められます。

 

身体拘束の適正化

事業の運営基準に、身体拘束に関する要件が追加されます。

①身体拘束をおこなうときは、その態様や時間、利用者の心身の状況、やむを得ない理由、そのほか必要な事項を記録すること。
②身体拘束の適正化のための対策検討委員会を開き、委員会の検討結果を徹底して従業員へ周知すること。
③身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
④従業者へ、身体拘束等の適正化のための研修を定期的におこなうこと。

②~④は1年間の準備期間を設け、令和4年度から義務化されます。

令和5年4月からは、運営基準の①~④を満たしていない事業所に、「身体拘束廃止未実施減算」が適用されます。

 身体拘束廃止未実施減算・・・5単位/日

 

まとめ

療養介護の令和3年度報酬改定の大きな変更点は、基本報酬の見直しや、療養介護の対象者要件を文書化することです。

そのほか全サービスに関わる報酬改定の内容は別記事にまとめたので、ご参考ください。

【令和3年度障害福祉サービス報酬改定】全サービス

 

参考

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

 

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