【令和3年度報酬改定】療養介護
【令和3年度報酬改定】療養介護
令和3年度障害福祉サービス等報酬改定では、介護サービスの経営状況の悪化などから、基本報酬が大きく見直されています。また療養介護の対象者を明確に文書で示すことが求められます。
令和3年2月4日に発表された、障害福祉サービス報酬改定の内容をまとめましたので、ご参考ください。
療養介護の報酬改定の内容
療養介護の報酬改定の内容は以下のとおりです。
- 基本報酬の見直し
- 福祉・介護職員等に関する加算の見直し
- 対象者要件の明文化
- 身体拘束などの適正化
基本報酬の見直し
療養介護など介護サービスの経営状況が悪化していることをみて、基本報酬が上げられます。改定前・改定後の報酬単位を以下にまとめました。
療養介護サービス費(一日につき)
利用定員 |
見直し前 |
見直し後 |
|
療養介護サービス費(Ⅰ) |
40人以下 |
948単位 |
965単位 |
41人~60人 |
922単位 |
939単位 |
|
61人~80人 |
875単位 |
891単位 |
|
81人以上 |
838単位 |
853単位 |
|
療養介護サービス費(Ⅱ) |
40人以下 |
690単位 |
703単位 |
41人~60人 |
655単位 |
667単位 |
|
61人~80人 |
608単位 |
619単位 |
|
81人以上 |
578単位 |
589単位 |
|
療養介護サービス費(Ⅲ) |
40人以下 |
546単位 |
556単位 |
41人~60人 |
517単位 |
527単位 |
|
61人~80人 |
488単位 |
497単位 |
|
81人以上 |
466単位 |
475単位 |
|
療養介護サービス費(Ⅳ) |
40人以下 |
437単位 |
445単位 |
41人~60人 |
401単位 |
409単位 |
|
61人~80人 |
374単位 |
381単位 |
|
81人以上 |
354単位 |
361単位 |
|
療養介護サービス費(Ⅴ) |
40人以下 |
437単位 |
445単位 |
41人~60人 |
401単位 |
409単位 |
|
61人~80人 |
374単位 |
381単位 |
|
81人以上 |
354単位 |
361単位 |
経過的療養介護サービス費
利用定員 |
見直し前 |
見直し後 |
|
経過的療養介護サービス費(Ⅰ) |
40人以下 |
886単位 |
902単位 |
41人~60人 |
886単位 |
902単位 |
|
61人~80人 |
857単位 |
873単位 |
|
81人以上 |
823単位 |
838単位 |
福祉・介護職員処遇改善加算・処遇改善特別加算の見直し
福祉・介護職員等に関する加算の見直しでは、福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)と、福祉・介護職員処遇改善特別加算が廃止されます。
(令和3年3月末時点で同加算が算定されている事業所は、1年間の経過措置を設けられます。)
また加算率の算定方法は、障害福祉サービス等経営実態調査による従業者数や報酬請求事業所数を用いて、加算率が算定されることに。類似する複数のサービスはグループ分けして、加算率を算定します。
(Ⅱ)所定単位数× 4.7%
(Ⅲ)所定単位数× 2.6%
職場環境要件も変更されました。職場環境の改善につながる取り組みは、当該年度に実施することを求められます。
ただし、継続して処遇改善加算を取得している事業所は、当該年度に実施できない正当な理由がある場合は、特別に前年度の取り組み実績で要件を満たすことができます。
福祉・介護職員等特定処遇改善加算の見直し
画像引用:令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容
福祉・介護職員等特定処遇改善加算の平均の賃金改善額の配分ルールは、より柔軟な配分をできるように見直されました。経験・技能のある障害福祉人材は、ほかの障害福祉人材の「2倍以上とすること」としているルールを、「より高くすること」に変更されます。
また類似している複数のサービスは、福祉・介護職員等処遇改善加算と同じく、グループ分けして加算率が決められます。
(Ⅰ)所定単位数× 2.1%
(Ⅱ)所定単位数× 1.9%
対象者要件の明文化
障害支援区分5以上であり、
①高度な医療的ケアを必要とすること
②強度行動障がいがあり、医療的ケアが必要であること
③遷延性意識障がいで、医療的ケアが必要であること
①~③、または①~③に準じる状態だと市町村が認めた場合、療養介護の対象になることを文書にして示すことが求められます。
身体拘束の適正化
事業の運営基準に、身体拘束に関する要件が追加されます。
②身体拘束の適正化のための対策検討委員会を開き、委員会の検討結果を徹底して従業員へ周知すること。
③身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
④従業者へ、身体拘束等の適正化のための研修を定期的におこなうこと。
②~④は1年間の準備期間を設け、令和4年度から義務化されます。
令和5年4月からは、運営基準の①~④を満たしていない事業所に、「身体拘束廃止未実施減算」が適用されます。
fa-arrow-circle-right身体拘束廃止未実施減算・・・5単位/日
まとめ
療養介護の令和3年度報酬改定の大きな変更点は、基本報酬の見直しや、療養介護の対象者要件を文書化することです。
そのほか全サービスに関わる報酬改定の内容は別記事にまとめたので、ご参考ください。
【令和3年度障害福祉サービス報酬改定】全サービス
参考