発達障がいのある子の子育てに悩んだら相談を。経験しているからこそ共感できる「ペアレントメンター」とは
発達障がいのある子の子育てに悩んだら相談を。経験しているからこそ共感できる「ペアレントメンター」とは
発達障がいのお子さまの子育ての悩みは「自分のところだけかもしれない」と思いがちで、なかなか周りに相談しにくいですね。まわりには共感してもらえそうにないと感じて、ひとり悩みを抱えていませんか?
子育てノイローゼになったり、子育てがツラくなったりする前に、「ペアレントメンター」を頼りましょう。ペアレントメンターの役割や特徴、活動、相談ができる場所をご紹介します。
ペアレントメンターの役割や特長は?
ペアレントメンターとは、発達障がいのお子さまの子育てを経験しており、相談支援機関により講習を受けた方のことです。ご家族の相談を受けるだけでなく、啓発イベントなどで講義をおこなったり、福祉施設の職員研修で保護者の気持ちをお伝えしたりしています。
ペアレントメンターはどのような講習を受けているのか、ペアレントメンターの役割や特徴について見ていきましょう。
ペアレントメンターは発達障がい児の子育て経験者かつ研修の受講者
ペアレントメンターは、発達障がい児の子育て経験があり、親の会などに入っていることがひとつの条件となっています。そして、地域ごとに開催されている「ペアレントメンター養成研修」を受講することで、ペアレントメンターとして活動できるようになります。
研修の内容は、
- ペアレントメンターの目的や守秘義務などの倫理観
- 発達障がいについての基礎知識
- その地域の発達障がい支援機関についての情報
- 相談支援の方法や相談のロールプレイ
などです。
発達障がいのお子さまをもつご家族の相談を受けたり、支援したりするために必要な知識と経験をしっかりもっているため、安心して頼ることができます。
共感的なサポートで孤独感をへらせる
ペアレントメンターは、すべてが不安な乳幼児期から、支援学級は何が違うのか・学校ではどのように対応してもらえるのかという就学に向けての相談や、友達との関係性や就労などの将来についての悩みなど、さまざまな相談を受けています。
医療機関などの専門家とは違い、子育ての悩みに本当の「わかる!」という共感をもらえたり、「本当にそういうことがあるよね」と経験者同士だからこそ、より共感し合えます。「誰にもわかってもらえない…」「こんなこと、周りに話せない」「こんな経験をしているのは自分だけかもしれない」という子育ての孤独感をへらせます。
さらに、実際に利用したことのある福祉サービスの情報や体験談も聞けるので、子育てのひとつの不安を解消できるでしょう。
ペアレントメンターに相談したいときは?
ひとりで抱え込まず、子育ての悩みをペアレントメンターに相談してみてはいかがでしょうか。
現在、ペアレント・メンター活動は、全国の自治体に広がるとともに、発達障がいだけではなく、他の障がいのサポートにも広まってきています。
ペアレントメンターに相談できる場所
ペアレントメンターへ相談できる場所は、一例として以下の機関があります。
- 市区町村の福祉課
- 発達障がい者支援センター
- 児童発達支援センター
- 発達障がい者親の会 など
※自治体によって名称が異なることがあります。
こども園や学校、障がい児通所施設での茶話会へペアレントメンターの派遣を行っている団体もあります。
ただ、地域によってはペアレントメンター事業がなかったり、メンターが在籍していなかったりする場合もあるので、市区町村の福祉課へお問い合わせください。
さまざまなペアレントメンターさんと話しましょう
経験者であり豊富な知識や情報を持っているペアレントメンターですが、医療機関などの専門家ではありません。発達障がいも人それぞれ個性があるため、ペアレントメンターのアドバイスがすべて自分の子どもにあてはまるとも限りません。
すべて正解だと思い込まず、さまざまなメンターさんとお話をしたり、ペアレントメンターからのアドバイスや情報を実際に自分で確かめてみることも大切です。
まとめ
発達障がいのある子の子育てについて、現在も将来も不安が大きいけれど、まわりに相談しにくいですね。子育てが本当にツラくなる前に、同じような悩みを抱えていたペアレントメンターに相談してみましょう。こんな時はどうしたらいいのかというアドバイスだけでなく、活用できる福祉サービスなどの情報も得られます。ペアレントメンターは守秘義務など相談支援の研修を受けているため、安心してご相談してみてはいかがでしょうか。
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参考
平成30年度障害者総合福祉推進事業 ペアレント・メンターガイドブック
ペアレント・メンターとは | 日本ペアレント・メンター研究会