2023.11.01

リズムに合わせて楽しくこころも体も発達♪障がい児がリトミックをすると良いことは?

リズムに合わせて楽しくこころも体も発達♪障がい児がリトミックをすると良いことは?

保育園や幼稚園、学校、障がい者や高齢者施設など、様々な場所で取り入れられ、日本だけでなく世界でも広まっている「リトミック」。その目的や、期待できる効果、実際にどこで体験できるかについてご紹介します!

 

リトミックの目的とその効果

なんとなく音楽的なものというイメージを持っている方も多いと思いでしょう。リトミックは実際にどのような目的を持ってできたものなのか、その効果はどのようなものなのでしょうか。

 

リトミックとは音楽をつかった療育

リトミックはスイスの作曲家、音楽教師だったエミール・ジャック=ダルクローズが考案した教育法です。音楽に合わせて体を動かすことで、身体や音楽的な感覚だけでなく、集中力、想像力など、様々な発達を促すことを目的としています。

日本では大正14年に初めて小林宗作が幼稚園、学校でおこなったとされています。

 

リトミックの三本柱

リトミックは「リズム」「ソルフェージュ」「即興」の3つから構成されています。

 

「リズム」

音楽を聞いて音の強弱や高低などに合わせて体を動かすことで、聴覚や集中力、自発性、表現力などに働きかけたり、リズム感覚を身に着けるものです。

  • ゆっくりな音楽はゆっくり歩く、早い音楽は走る
  • 楽しそうな音楽を聞いて自分の思う楽しい動きを表現する など

  

「ソルフェージュ」

ドレミの音階で歌うことで音の認知を身に着けるものです。すぐに難しい場合は「リズム」で身に着けた音楽と体の動きを合わせる感覚から練習できます。

  • ド・レ・ミの音の高低に合わせて、おなか・肩・頭と体の低い位置から高い位置を触ることで
    音階の感覚を身につけ、動きをつけなくても歌えるように練習する。

 

「即興」

見たものや音楽に合わせて即興で演奏したり動いたりと表現することで「リズム」「ソルフェージュ」で身に着けたことを発揮します。

  • 人の動きに合わせて、打楽器を鳴らしたり、ピアノを弾く
  • 動物をイメージして好きな楽器を鳴らすなど

この3つの柱を元に基本的な指導法はありますが、決められたものはなく、自由な表現を引き出す、様々なリトミックが展開されています。

 

リトミックの期待される効果

音を聴いたり、歌ったりという音楽的な能力はもちろん、レッスンの時間の間継続して音楽を聴くには集中力も必要です。また、音楽に合わせて色々な動きをするための筋肉の発達や、動きをイメージしたり表現するための想像力の向上も期待できます。

幼児期・児童期は、感情を表現すること、コントロールすることで情緒の安定につながります。集団でレッスンを受けることで、他の子の表現を感じること、集団でのルールを身に着けることで、社会性の発達を促すとされています。

発達には個人差があるように、効果にも個人差があります。すぐに効果が現れる子もいれば、少しずつゆっくりと現れてくる子もいます。焦らず、まずは音楽に親しみをもって、表現することを楽しむことが大切です。

 

子どもにリトミックを体験させてみたい!と思ったら

こどもが歌やダンスが好き!リトミックに興味がある!という方は、以下の場所で体験することができます。また、リトミックを実際に体験する際に気をつけたいことをご説明します。

 

リトミックはどこで体験できる?

〇福祉サービスを受けられる受給者証をお持ちの方

「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」などの療育機関でリトミックを活動に取り入れている所があります。見学や体験が可能なところも多いです。

また、満3歳になって初めての4月1日から小学校入学までは、幼稚園・保育園と同じく基本的な利用料は無料です。(事業所によって、教材費やおやつ代などがかかる場合があります)お近くの児童発達支援事業所、放課後等デイサービスを調べてみましょう。

 

 近くの児童発達支援事業所・放課後等デイサービスをお探しの方はこちら

 

〇福祉サービスを受けられる受給者証をお持ちでない方

リトミックのレッスンがある音楽教室では月謝はかかりますが、定期的に通うことができます。

子育て支援センターなど、地域でおこなっている教室やイベントもあります。

親子で通園できる児童発達支援事業所や、親子でレッスンをおこなっている音楽教室・イベントでは、一緒に楽しみながらお子さんの成長を見られる良い機会にもなるでしょう。

 

リトミックで気をつけたいこと

様々な面で発達を促す効果が期待されるリトミックですが、気をつけたいこともあります。それは、こどもが興味を持っているかどうか、楽しむことができているかどうかです。

興味があること、好きなことだと、子どもも集中しやすく、発達も期待できます。しかし好きではないことだと、集中が続かず、頑張ってやらなくてはいけない事になってしまうため、嫌いになったり苦手意識が生まれてしまうおそれがあります。

楽しいことや好きなことを通して、心も体も成長していけたらこどもにとっても嬉しいですよね。

 

まとめ

リトミックは音楽感覚や運動機能だけでなく、集中力・想像力・社会性など様々な面で発達を促す効果が期待されています。ダンスや歌が好きな子はもちろん、興味があまりなさそうな子も、体験してみると楽しい!と思うかもしれません。まずは体験してみてはいかがでしょうか。


参考

https://www.tatsuki.org/DoshishaThesis3/thesis/2005/05_ueda.pdf

リトミックの特徴とその理念についての一考察 ―リズム・ソルフェージュ・即興― 二見 美千代

 

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