幼稚園から療育園に転園はアリ?療育園に入るには?
幼稚園から療育園に転園はアリ?療育園に入るには?
療育の方が子どもに向いているのかもしれない。けれど、幼稚園に慣れてきたのに環境を変えるのが不安。
お悩みの方へ、療育園はどんなところか、メリットや、療育園への入り方、あわせて新しい環境に慣れるための準備をご紹介します!
療育園はどんなところ?メリットは?
療育園とは、障害福祉サービスのひとつの児童発達支援サービスであり、発達に遅れや偏りのあるお子様へ療育をおこなう場所のことです。
療育手帳などの障がい者手帳がなくても、利用することが可能です。
療育園はどんなところか、メリットなどを見ていきましょう。
経験のある先生に対応してもらえる
療育園は発達に課題があるお子様が通うところなので、もちろん先生たちには子どもたちにふれあってきた知識や経験があります。
幼稚園や保育園などは、ほとんどが定型発達のお子様を担当しているので、課題のあるお子様にはどのような対応が適切か、学びの少ない場となっています。発達の偏れや遅れに理解がない先生も少なくはありません。理解のない先生のもとでは、問題行動が多くなったり、ストレスを抱え込みがちになったりします。
経験がある先生に担当していただくことで、お子様への接し方に理解を示してもらい、適切な教育がしやすくなっています。
子どもの特性に合った支援を受けられる
療育園は、発達に課題がある子どもたちに向けて、さまざまな療育プログラムを用意しています。
- 応用行動分析
- 認知行動療法
- TEACCH
- Ipadなどを使用したICT療育
- ソーシャルスキルトレーニング
- 運動プログラム
などがあります。
認知行動療法は、ものの見え方や感じ方を適切な方へ変えていくための療法、応用行動分析は問題行動を適切な行動に変えていくプログラム。TEACCHは自閉症スペクトラム者に向けたプログラムです。
そのほかコミュニケーション能力の改善など、子どもの特性に合った支援を受けられるのが療育園です。
保護者同士の繋がりができる
療育園では子育ての似た悩みをもつ方と出会いやすいので、保護者同士の繋がりが幼稚園よりもできやすいというのが一つのメリットです。悩みを共有したり、ほかのご自宅での困った行動への対処法などを知ったりすることができます。
障がい児を育てるときに感じる孤独感をへらすことにも繋がります。子育ての孤独感は心の余裕を奪い、余裕の無さがお子様にも通じてしまうと、ますます子育ての大変さを感じることになります。孤独感をへらす繋がりは、大事な要素の一つです。
利用料は幼稚園と同じ?
児童発達支援として運営されている療育園の料金は、9割が公費負担となります。
また、幼児教育の無償化により、満3才から就学前までは利用料が無料です。
公費負担にならない、保護者が支払わなければいけない料金は、1回の利用につき、1000円~1500円になります。
それでは、平日、毎日療育園を利用したら、毎月ものすごく費用がかかってしまうのでしょうか。答えは、いいえです。世帯所得ごとに月額の上限が設けられています。
生活保護(生活保護受給世帯) 非課税世帯(生活保護受給世帯や低所得) |
無料 |
世帯収入が概ね890万円まで |
4,600円 |
上記以外 |
37200円 |
ただし、療育園によっては、おやつ代やプログラムに使う教材費など、別途必要になるところもあり、こちらは保護者負担になります。おやつ代は100円以下のところが多いです。
療育園に入る手順
児童発達支援の療育園に入るには、以下の手順をふみます。
①自治体の窓口や相談支援事業所で相談
②通う療育園を探す
③受給者証の申請・交付
①自治体の窓口や相談支援事業所で相談する
児童発達支援を利用するまでの手続きは、自治体によって異なることがあるので、まず自治体の窓口でどのような手続きが必要かを相談しましょう。
相談支援事業所をえらぶことも必要です。相談支援事業所では、施設探しを支援したり、「障害児支援利用計画案」を作成したりします。
自身で作成することも可能ですが、第三者的な視点から支援計画を立ててほしい場合は、相談支援事業所を利用する方が良いでしょう。
お住まいの近くにある相談支援事業所はこちらで検索できます。
②通う療育園を探す
市町村の窓口や、相談支援事業所から、療育園を紹介されることがあります。または自身でインターネットで検索をして、自分の希望に合う療育園を探しましょう。
全国の障害福祉ポータルサイト「みんなの障がい」では、児童発達支援サービスが一覧で検索できます。基本的な情報から、空き状況、プログラム内容、スタッフや利用者の男女比・年齢層、毎日の活動(ブログ)など多くの情報が載っています。ぜひ活用してみてください。
児童発達支援サービスは、見学や体験をおこなっているところがほとんどです。気になるところは一度見学や体験をしてみて、園児たちの雰囲気や活動内容をチェックしましょう。
③受給者証の申請・交付
利用したい療育園が決まったら、市町村の福祉課に、障害児通所給費支給請求書、障害児支援利用計画案を提出します。そのほか必要な提出物は、各自治体によって異なるので、事前に確認しましょう。
申請が通り、受給者証が交付されたら、利用する療育園と利用契約を結び、契約が完了したら療育園の利用を始められます。
新しい環境が不安。慣れさせるための準備とは
幼稚園から療育園に通うことにして、環境の変化でストレスがふえたら、と心配になる方が多いでしょう。
新しい環境へのストレスをへらし、できるだけ早く慣れてもらうために大事な準備をご紹介します。
環境が変わったあとの一日や環境を事前に伝えよう
発達に偏りや遅れがある子は、「いつもとちがう」不安や、「急に起こったこと」が苦手です。これから何をするのかがわからないと、すごく不安やストレスを感じます。
今何をしているのか、これから何をするのか、がハッキリわかるようにすることが大切です。
環境に慣れないうちは、明日の予定を確認したり、一日の過ごし方をシミュレーションしたりしましょう。イラストや写真などをつかって、視覚的にわかりやすくすると効果的です。
家ではリラックスできる空間をつくる
新しい環境に慣れないうちは、問題行動がふえるかもしれません。問題行動を叱ったりして直させても、一時的にしか直せません。感情を上手く出すことができなくなり、悪化するおそれがあります。
お子様が安心できるような声掛けをしたり、家ではリラックスできる環境をつくってあげたりしましょう。
まとめ
子どもの発達が気になるときは、療育をぜひ検討してみてください。
新しい環境に変わることは不安ですが、療育園では子どもの発達に適した出会いや学びがあります。保護者同士の繋がりができて、子育てに前向きになるきっかけが見つかるかもしれません。
福祉の窓口や、相談支援事業所、インターネットなどで、魅力的なプログラムをおこなっている療育園がないかチェックしてみましょう。
参考