障がい者が加入できる保険は?国の障がい者医療支援は?
障がい者が加入できる保険は?国の障がい者医療支援は?
障がいがあるために保険に入れず、医療的な保障に不安を抱えている方がいます。また、医療保険に加入するかどうか、悩まれている方もいるでしょう。
最近では障がい者専用の保険がつくられたり、新たながん保険も誕生しています。それと同じく、障がい者への国の医療保障も充実してきています。
国の医療保障制度や、障がい者向けの保険はどのようなものがあるかを解説します。
障がい者が加入できる保険は?
保険には「告知義務」があり、現在の健康状態を問われます。一般的な保険は告知事項が多く設定されており、障がいを理由に保険に入れなかったという方が多くいます。
しかし、どんどん障がいをもつ方も保険に入れるようにする動きが高まっており、以下のような保険だと、障がいの種類や程度にもよりますが、加入できます。
- 告知事項の基準がやさしい「引受基準緩和型保険」
- 告知なしで加入できる「無選択保険」
- それぞれの障がい専用の保険
最近では身体、知的、精神など障がいの種類に合わせてつくられた保険があります。
引受基準緩和型保険は、告知事項が少ないけれど保障はある程度は充実していることがメリットです。しかし、一般的な保険とくらべて、保険料が高くなっているので、必要であるか、求めている保障内容か、よく検討してえらびましょう。
告知事項の基準がやさしい保険や、障がい専用の保険を一部ご紹介します。
コープ共済「たすけあい」
手頃な掛け金で充実した保障が得られるコープ共済。コープ共済の「J1900円コース」と「V1000円コース」は加入条件がゆるくなっています。
2・現在、医師から「今後1年以内の入院または手術」をすすめられていますか?
以上2点に「いいえ」と回答できれば、加入することができます。
「J1900円コース」は0~19歳までのお子様が加入できるコースです。病気やケガでの入院の1日目から360日分、日額5000円を給付されます。ケガ通院、手術や長期入院、死亡など幅広く保障を受けられるコースです。19歳になると、自動的に「V1000円コース」に移行され、65歳の満期日まで保障を受けられます。
「V1000円コース」は0~64歳の方が加入できるコースです。病気やケガの入院では1日目から184日分まで日額2000円給付されます。こちらも幅広く保障しており、「住宅災害」にも保障が付きます。
ぜんち共済
障がいのある方専門の保険会社「ぜんち共済」は、知的障がい、発達障がい、ダウン症、てんかんなどに当てはまる方が加入できる保険を提供しています。
「ぜんちのあんしん保険」は、満5歳~74歳までの方が加入できます。
加入対象者は、知的障がい、発達障がい、ダウン症、てんかんに当てはまる方やその親族です。
保険料は一番手頃なもので、1300円。
さらに精神障がいなどで心配されるトラブルにも対応しているところが大きなメリットです。日常生活で他人にけがをさせたり物を壊してしまい、賠償責任を負ったときに保障される「個人賠償責任補償が」が充実しています。国内5億円まで保険金の支払いが可能であり、さらに東京海上日動の示談交渉サービス付きです。
ミライロ保険
https://mirairo-id.jp/mirairo-hoken/
障がいのある方も加入しやすくした「がん保険」です。「充実補償プラン」と「一時金プラン」の二つがあります。充実補償プランは、がんの診断、入院、手術、通院まで手厚くサポートしています。
加入対象者は、デジタル障がい者手帳「ミライロID」をダウンロードしており、障がい者手帳を登録している方です。さらにミライロIDの利用者、利用者の配偶者、子ども、両親、兄弟、同居している6親等以内の血族または3親等以内の姻族が対象です。
加入条件はゆるくなっていますが、健康状態について答えなくてはいけない告知事項はあります。
保険に入れなかった場合、国の医療支援は?
保険に入れなかった場合は、国の医療支援も十分に活用しましょう。健康保険証を使うと、医療費の自己負担額は3割になります。そのほか国の福祉制度を活用できるため、国の福祉と貯金で医療費がまかなえる可能性もあります。
障がい者医療費助成制度
各都道府県、市の自治体では、一定の要件を満たした障がい者に、医療費を助成する制度を設けています。
各自治体によりますが、手厚い助成をおこなっているところもあります。たとえば石川県金沢市では、障がい者医療費受給者証をもつ方が申請をすると、県内の病院の医療費が無料になります。
ただし対象者は手帳をもつすべての障がい者ではなく、一定の要件があります。
石川県金沢市では、対象者を以下のように決めています。
(1)身体障がい者手帳1〜3級の方
(2)療育手帳AまたはBの方(療育手帳Bの場合、入院費のみ助成)
(4)知能指数(IQ)が35以下と判定された方
65歳以上
(1) 身体障がい者手帳1〜3級の方
(2) 身体障がい者手帳4級の音声・言語機能の著しい障がいまたは4級の下肢機能障がいの一部の方
(3) 療育手帳AまたはBの方(療育手帳Bの場合、入院費のみ助成)
(4)精神障がい者健福祉手帳1級の方
(5) 知能指数(IQ)が35以下と判定された方
東京都や名古屋市でも、医療費を一部助成する制度があります。対象者はそれぞれの自治体によって異なるので、お住まいの自治体HPを調べてみましょう。
自立支援医療制度
自立支援医療制度は、心身の障がいで長期的に繰り返し通院をしている障がい者の方の医療費の一部を国がまかなう制度です。。
所得に応じて自己負担額の上限を設定し、上限を超えてかかった医療費は国がまかなってくれます。低所得であり、住民税が課税されていない世帯は月5000円以下が上限になります。
高額療養費制度
医療費が月ごとの自己負担額を超えたとき、超えたぶんが国から払い戻される制度です。自己負担額は所得によって変わり、年収300~700万円程度の方の自己負担額は9万弱と決まっています。
そのため、医療費に200万円かかったとしても、実質的な支払いは9万円弱となります。
傷病手当金
病気やケガなど業務外の理由で仕事を4日以上休み、給与の支払いがない場合、最長1年6か月、直近1年の標準月給の約3分の2が支給される制度です。支給されるには「申請」が必要です。
まとめ
障がい者のための保険や、加入条件をゆるくした保険があるので、障がい者の方も保険に入りやすくなっています。自身の障がいの事や、将来設計をふまえて、保険の加入を検討しましょう。
参考