2021.11.18

【令和3年度報酬改定】同行援護

同行援護

【令和3年度報酬改定】同行援護

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定では、同行援護の基本報酬の引き上げや、同行援護従業者要件の経過措置の延長などがあります。
令和3年2月4日に発表された、同行援護の改定内容をまとめたので、ご参考ください。

同行援護の改定内容

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の同行援護の改定内容は以下になります。

  • 基本報酬の見直し
  • 同行援護従業者要件の経過措置を延長
  • 地域生活支援拠点等の緊急時の対応を評価
  • 身体拘束などの適正化
  • 福祉・介護職員等に関する加算の見直し
  • 福祉・介護職員等に関する加算の見直し

 

基本報酬の見直し

同行援護の経営実態をみて、同行援護サービス費が見直されました。
すべての項目で基本報酬が上げられ、所要時間が多くなるほど手厚くなっています。
見直し後の変化を以下の表にまとめました。

所要時間

見直し前

見直し後

30分未満

184単位

190単位

30分~1時間

292単位

300単位

1時間~1時間半

421単位

433単位

1時間半~2時間

485単位

498単位

2時間~2時間半

548単位

563単位

2時間半~3時間

611単位

628単位

3時間以上

674単位

693単位

3時間以上+30分毎

63単位

65単位

 

同行援護従業者要件の経過措置を延長

「盲ろう者向け通訳・介助員」を「同行援護従業者養成研修修了者」とする経過措置は、令和5年度まで延長されることになりました。
同行援護従業者養成研修、盲ろう者向け通訳・介助員養成カリキュラムを修正する必要があることや、盲ろう者向け通訳・介助員がすでに盲ろう者へ同行援護など支援をおこなっている実態があるためです。

 

地域生活支援拠点等の緊急時の対応を評価

「地域生活支援拠点等に係る加算」が新設されました。
市町村に地域生活支援拠点等と認められたサービス事業所が、緊急時の対応をおこなったとき、さらに評価されます。
緊急時対応加算、緊急時支援加算(Ⅰ)または緊急時支援費(Ⅰ)を算定すると、以下の単位が加えられます。


 地域生活支援拠点等に係る加算・・・+50単位/回

 

身体拘束などの適正化

運営基準に、身体拘束に関する要件が新設されます。

①身体拘束をおこなうときは、必要な事項を記録すること。
②身体拘束の適正化のための対策検討委員会を開き、委員会の検討結果を従業員へ徹底周知すること。
③身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
④身体拘束等の適正化のための研修を従業員へ定期的におこなうこと。

①は令和3年度から義務化、②~④は1年間の準備期間を設け、令和4年度から義務化されます。
また令和5年4月からは運営基準の①~④を満たしていない訪問系サービス事業所には「身体拘束廃止未実施減算」が適用されます。以下のとおり、基本報酬が1日ごとに減算されてしまいます。

 身体拘束廃止未実施減算・・・5単位/日

 

福祉・介護職員処遇改善加算・処遇改善特別加算の見直し

福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)と、福祉・介護職員処遇改善特別加算は1年間の経過措置を設け、廃止されます。

また加算率の算定方法は、障害福祉サービス等経営実態調査にある従業者数や報酬請求事業所数を用いて、加算率が見直されます
類似する複数のサービスはグループ分けし、加算率が決められます。
同行援護の加算率は以下の通りに見直されました。

同行援護の加算率
 (Ⅰ)所定単位数× 27.4%
 (Ⅱ)所定単位数× 20.0%
 (Ⅲ)所定単位数× 11.1%

職場環境要件も見直されます。職場環境等要件に定められている取り組みは、当該年度に実施することを求められます。
なお、継続して処遇改善加算を取得している事業所は、当該年度に実施できない正当な理由があれば、特別に、前年度の取り組み実績で要件を満たすことができます。

 

福祉・介護職員等特定処遇改善加算の見直し

福祉・介護職員等特定処遇改善加算の平均の賃金改善額の配分ルールが緩和されます。
より柔軟な配分をできるようにするため、経験・技能のある障害福祉人材は、ほかの障害福祉人材の平均引き上げ額の「2倍以上とすること」としているルールを、「より高くすること」に。

また福祉・介護職員等処遇改善加算と同じく、類似している複数のサービスはグループ分けして加算率が設定されます。
同行援護の福祉・介護職員等特定処遇改善加算の加算率は、以下のとおりに見直されました。

 (Ⅰ)所定単位数× 7.0%
 (Ⅱ)所定単位数× 5.5%

まとめ

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の同行援護は基本報酬が引き上げられること、同行援護従業者要件の経過措置が延長されることは大きな改定点でしょう。

このほか全サービスに関わる報酬改定の内容は別記事にまとめているので、ご覧ください。

【令和3年度障害福祉サービス報酬改定】全サービス

 

 

参考

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

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