発達障がいの子どもとキャンプ!~キャンプの効果・持ち物・注意点~
発達障がいの子どもとキャンプ!~キャンプの効果・持ち物・注意点~
自然体験は子どもの発達に良い影響をあたえるとされており、発達障がい者のみが参加するグループキャンプも開催されています。そんなキャンプの効果や、家族でキャンプに行くときの持ちもの、注意点についてご紹介します。
キャンプがもたらす影響
自然体験は子どもの発達に良い影響をあたえるといわれ、多くの学校で自然体験をする機会が設けられています。キャンプが障がい児にどのような影響をあたえるのかという研究結果も報告されています。
自然体験ができ、役割分担をして物事に取り組んだり、新しい知識を得たりと学ぶことが多いキャンプがもたらす効果は以下が考えられます。
- 社会性を向上させる
- 自己肯定感を高める
- レスパイトケアにもなる
社会性を向上させる
障がい児キャンプに参加する子どもの変化を調べた研究によると、キャンプ直後では、攻撃性が他者へと向かう反応が、キャンプ直前にくらべると著しく減少したことがわかりました。
その理由は、キャンプによって自分の気持ちを言葉に表しやすくなり、ストレスを感じた時に要求や注意をするなど、適切にストレスへの対応できるようになったからだと考えられます。
キャンプは役割分担をして協力しないと作業がすすみません。そのため、言葉で正しく要求を伝えたり、周囲のことを考える練習にもなり、社会性を向上させることができます。
自己肯定感を向上させる
キャンプではお子様にしてもらうことが多く、役割や作業がはっきりしていますので、発達障がいのお子様も取り組みやすくなっています。なかなか手伝いをしてくれないお子様も、キャンプ場では楽しんでお手伝いをしてくれることも。お手伝いや作業をしてくれたときは、しっかりほめましょう。ほめる機会をふやすことで、お子様の自己肯定感を高められます。
レスパイトケアにもなる
日常と異なる体験は、ご両親の息抜きにもなります。花が咲いていたり、川の音を聴いたり、夜には星空を見たりするなど、気分転換やリラックス効果があるものをたくさん体験できます。
発達障がいのお子様とキャンプするときの注意点
お子様の発達や家族にも良い影響をあたえるキャンプですが、お子様の特性によっては合わない場合があります。そのほか多動が強い子やこだわりが強い子をキャンプに連れていく際の注意点を確認しましょう。
事前にどんな場所へ行くか知らせておく
自閉症傾向がある子は未知の体験や場所に敏感です。まわりの環境がいつもと同じでないと不安になり、パニックになる子もいます。そのため事前に、どんな場所に行くのか、どのようなことをするのかなどを、キャンプ場の写真などをつかって視覚的に伝えて、お子様が興味をもったらキャンプに誘ってみましょう。
スケジュールをお子様と確認する
山という未知の場所で、何をすればいいかわからない時間があったり、次に何をすればいいのかわからなかったりすると子どもに不安やストレスをあたえてしまいます。
キャンプ場ではどのようなことをするのか、何時から何時にどういうことをすればいいのかを、スケジュール表をつかって確認させます。
また発達障がいのお子様は急な予定変更を受け入れにくいです。山ではアクシデントが起こることもあったり、準備に予想よりも時間がかかることがあるので、スケジュールは余裕をもって立てましょう。
料理や作業は簡単なものにしておく
多動が目立つお子様は、必ず大人が1人ついていないといけない状況になりますね。
料理や作業に多く時間がかかったり、大人がしなくてはいけないことがたくさんあったりすると、お子様から目を離してしまい、危険な状況に陥るおそれが。またお子様が作業に飽きて自由に遊び始めると、もっと手間がかかってしまいます。
なので、ご飯など待つ時間が長いものは、レトルトご飯にしましょう。テントもワンタッチで設営できるものがあります。大人がおこなう料理や作業はできるだけ簡単なものにして、お子様が待つ時間を短くしましょう。
発達障がい児グループキャンプもおすすめ
「家族だけでキャンプに行くのは不安」という方におすすめなのは、発達障がい児が参加するグループキャンプです。同じ発達障がいのお子様が集まり、支援員がたくさんいるので、多動のお子様も安心して自然体験ができます。
家族同伴で参加できるグループキャンプもあります。同じ障がいの子どもをもつご両親の交流の場にもなっており、同じ悩みを共有したりすることができます。
ファミリーキャンプの持ち物
家族でキャンプに行くときに必要なものをご紹介します。なお、キャンプ用具はレンタルも可能です。お子様がキャンプを好きになるかどうかを見定めるため、最初はキャンプ用具のレンタルから始めることをおすすめします。
ファミリーキャンプの必需品
- テント
- ペグ、ペグハンマー(ワンタッチ式テントではない場合)
- 寝袋
- テーブル
- チェア
- 調理道具
- クーラーボックス
- ランタン
- グランドシート(テントの下に敷くシート)
- ポータブル電源
- ストーブ(冬)
ファミリーキャンプにあると便利なもの
- タープ
- 紙皿
- アウトドアチェア
- 屋外用の照明
- タオル
- ウェットティッシュ・キッチンペーパー
- ランタンスタンド(ランタンをかけておけるもの)
- ゴミ袋
- 子ども用の軍手
- レジャーシート
- 虫よけスプレー
タープは、リビングスペースをつくるときや、強い日差しや雨よけになります。紙皿は洗い物をする時間をへらすために持っていくことをおすすめします。さらにアウトドアチェアがあると、お子様が座ってゲームをするなどして待つことができるので、あると便利です。また山道で汚れたり、川遊びをしたりすることもあるので、タオルを多めに持っておくと役立ちます。
そのほか生活のなかで、お子様の暇つぶしに良いものや、お子様に必要だと思うものをえらびましょう。
まとめ
キャンプは子どもの社会性や自己肯定感の向上、ご両親のレスパイトケアにもなるアウトドアです。障がい児への良い影響も明らかになっており、障がい児たちが参加するグループキャンプも開催されています。
家族でキャンプへ行くときは、お子様の特性に気をつけて、事前準備や持ち物の用意などを入念におこないましょう。
参考
【初心者必見】キャンプに必ず持っていきたい持ち物・必需品リスト | うやまリゾートのウヤリゾ日記
自閉症児といっしょにキャンプに行こう!《持ち物編》 | 稲倉サナの玉虫色 発達障がい児日記
自然体験活動が発達障がいの子どもたちの社会性に及ぼす効果について