一瞬の大技の掛け合い!パラリンピック柔道とは?ルール・魅力
一瞬の大技の掛け合い!パラリンピック柔道とは?ルール・魅力
パラリンピックでおこなわれる「柔道」は、「視覚障がい者柔道」です。 視覚障がいをもつ選手は「見えない」なかで、相手の手の感触や肩の揺れ、息づかいから動きを読み、技をしかけ合います。 緊張感が走る「パラリンピック柔道」のルールや魅力を知り、パラリンピック観戦を楽しみましょう!
パラリンピック柔道のルール
基本的なルールや試合方法は、一般的な柔道とそれほど変わりません。 しかし従来のルールに加えて、国際柔道連盟(IJF)の試合審判判定や、IBSA(国際視覚障がい者スポーツ連盟)JUDOが定める独自規定が加わっています。 試合時間は4分、勝敗の決定方法も従来と変わらず、「一本」や「技あり」「反則負け」「延長戦」があります。
クラス分け
パラリンピック等国際大会では出場できる選手の障がいの基準が明確に決められており、参加選手たちはまず以下のようにクラス分けされます。 以下に該当しない場合は、国際大会に出場することができません。
なお、障がいの程度によってクラス分けはありますが、試合は男女・体重別でおこなわれます。男子は7階級、女子は6階級に分けられます。
組んだ状態から始める
画像引用:https://www.jsad.or.jp/paralympic/sports/judo.html
パラリンピック柔道の大きな特徴は、選手たちがお互いに組み合った状態から試合が始まることです。 左手・右手の位置が細かく規定されており、右手は襟をつかみます。左手は相手の袖をつかみます。組み合ったら、主審が「はじめ」というまで待たないといけません。動けば「指導」です。 この状態から試合が始まるので、組み手争いはほとんどありません。おもに一本狙いの豪快な投げ技で勝ちをとりにいくので、迫力ある試合に! 試合中に両手が離れたり、選手が場外に出たりしてしまったときは、審判によって中央に戻され、開始時と同じく組んだ状態から試合を再開します。
声や音で選手に情報を伝える
選手たちは視覚で情報を得ることがむずかしいため、審判やコーチが声で選手を誘導したり、指示したりします。 たとえば選手の体が場外に近づいている場合は、審判が「場外!場外!」と注意します。試合時間が残り1分になると信号音が鳴ります。選手に聴覚障がいがあるときは、手のひらに文字を書くことで伝えるなど、障がいに配慮されています。 コーチは唯一、声を出して選手に指示することができます。
パラリンピック柔道の魅力
一般的な柔道とちがって、組み手争いをして時間稼ぎをすることは不可能。積極的に技を掛け合う必要があるので、数秒も満たないうちに、相手の動きを読んだり、大技をしかけたりする素早い判断が必要です。
選手たちの研ぎ澄まされた感覚に注目!
大技で一本をとるには、相手の体勢が崩れたときなど、正しい時に正しい場所へ技をくり出すことが大切です。選手たちはどうやってその適切な瞬間をねらっているのでしょうか。
とくに重要といわれているのが、相手の襟元をつかむ手です。これによって目が見えなくても、相手の肩の高さや位置を把握できます。相手が何か技をしかけようとすれば肩が前後に動きます。 その動きを敏感に察知し、次にどのような技がくるのかを予測して、防御や自分のしかける技を決めます。4分のあいだに、この攻防が何度もおこなわれる場合もあります。 選手たちの集中力やスタミナ、研ぎ澄まされた感覚にご注目!
最初から最後まで目が離せない緊迫感
大技が成功したからといって勝敗が確実に決まるわけではなく、技をかけられた不利な体勢から一気に巻き返すことも。 近年では技の範囲を広げるため、「ブラジリアン柔術」や、ロシア発祥で投げや関節技で一本をねらう「サンボ」などを練習にとりいれている選手もふえています。激しい試合展開に期待が高まりますね。
まとめ
パラリンピック柔道は視覚障がいをもつ選手がおこなう柔道です。最大の特徴は、組み合った状態から試合が始まること。組み手争いをして時間を稼ぐことができないので、豪快な大技で一本をとる応酬になります。一瞬一瞬の選手の駆け引き、繰り出される大技に驚かされるでしょう。
パラリンピック柔道の競技の日程は、8月27日(金)~8月29日(日)です。 選手のパワー、スタミナ、研ぎ澄まされた感覚に注目しながら、試合観戦を楽しみましょう!
<<参考>>
【柔道とは】パラリンピックの競技ルール・観戦ポイント|パラサポWEB
柔道 研ぎ澄まされた“感覚”を武器に! 敵を見ずして戦う究極の競技とは?
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