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障がい者グループホームの選び方
「ひとりで暮らしてみたいけれど、サポートも必要」そんな想いを抱える障がいのある方にとって、グループホームは“自分らしく暮らす”ための有力な選択肢です。 本記事では、グループホームの基本知識から、タイプごとの違い、入居までのステップ、費用の目安、実際の選び方まで詳しく解説します。実際に制度を利用する人だけでなく、家族・支援者にとっても参考になる内容です。 「安心できる場所で、自立を目指したい」――そんな願いを叶えるための第一歩として、ぜひこの記事を読んでみてください。 グループホームの種類と特徴 ① 介護サービス包括型 主に夜間・休日に食事・入浴・排せつ支援あり。 利用者数・事業所数とも最多で、軽度〜中等度の障がいの方に多く選ばれます ② 外部サービス利用型 主に夜間に相談や日常生活上の援助を提供。身体介護は外部の居宅介護サービスに委託。 比較的軽度の方に向いており、費用は場合により高くなることも。 ③ 日中活動サービス支援型 平日昼間もスタッフ支援あり。医療的ケアや短期入所対応が特徴。 重度の障がいがある方にも対応可能になった新型サービス。 ④ サテライト型住居 グループホーム近くのアパートやマンションで生活。定期巡回支援あり。 将来の一人暮らしを見据える人に適しており、利用期限2年。 最新トレンド情報 動物との共生型ホーム 犬や猫と暮らすことで、情緒安定やQOL向上につながると報告例あり。 全国で60カ所以上が確認されています。 IoT・見守り技術の導入 転倒自動検知センサー、健康状態の遠隔モニタリングなどで安心感がアップ。 オンライン医療連携 医師との遠隔相談や服薬指導が可能で、通院負担も低減されています。 利用者にとってのメリット ①「ちょうどいい距離感」で暮らせる安心感 一人暮らしの自立性と、実家暮らしの安心感。グループホームは、その“ちょうど中間”のような存在です。 食事や掃除などを自分でやりながら 必要なときはスタッフに助けてもらえる 他の入居者との関わりも、自分のペースでOK ②「少しずつできることが増える」自信につながる 日常生活そのものが、生活スキルのトレーニングになります。 ゴミ出し、洗濯、買い物などを練習できる スタッフが必要なところだけそっと支援 簡単な料理や金銭管理にも挑戦しやすい 自分のペースで“できること”が増えるたびに、自信が育っていく。一人暮らしへのステップアップを目指す人にもぴったりです。 ③ 経済的な負担が少ない暮らし方 公的制度を活用することで、費用の不安を抑えられます。 サービス利用料:原則1割負担(上限あり) 家賃補助(1〜2.5万円)で実質家賃が下がる 食費・光熱費も定額制で管理しやすい 地域によって補助の内容が異なるため、市区町村の福祉課で事前確認がおすすめです。 選び方のステップガイド STEP 1|自分のニーズを整理しよう まずは「自分がどんな暮らしを望んでいるか」を具体的に言葉にしましょう。支援者や家族と一緒に整理するのもおすすめです。 夜間もスタッフにそばにいてほしい? 食事や入浴に介助が必要? にぎやかな環境より静かなほうが落ち着く? 将来は一人暮らしを目指している? どのくらいの距離で家族・支援者と関わりたい? 自分に合う支援のタイプを知ることが、ミスマッチを防ぐ第一歩です。 STEP 2|支援区分と類型を確認しよう 障がい支援区分(0〜6)は、どの類型のホームを利用できるかに影響します。 ホームの種類 こんな人におすすめ 介護サービス包括型 生活全般にわたって支援が必要な人 外部サービス利用型 生活は自立しているが、相談や見守りが欲しい人 日中サービス支援型 日中の見守り・支援が必要な人 サテライト型 将来の単身生活を目指す人、静かな環境を希望する人 STEP 3|費用の見通しを立てよう グループホームの費用は、場所・支援の内容・家賃補助の有無で差が出ます。 月額の目安(全国平均) 費用項目 相場(概算) 備考 サービス利用料(1割負担) 5,000〜15,000円 障害福祉サービス費の1割 家賃 30,000〜50,000円 家賃補助により実質負担減可 食費・光熱費等 25,000〜35,000円 定額制のところも多い 特定障害者特別給付費(補足給付)家賃のうち上限1〜2.5万円まで国が負担。さらに市区町村で独自の助成がある場合も! STEP 4|複数のホームを見学・体験しよう パンフレットや写真だけでは分からない“雰囲気”や“肌感覚”を確かめましょう。 見学時のチェックポイント 室内のバリアフリー化(段差、手すり、トイレの広さなど) スタッフの対応は丁寧か?急かすような態度はないか? 利用者の様子は落ち着いているか?年齢層や性別構成は? 食事は手作り?外部委託?内容・栄養バランスは? 緊急時(発作、転倒など)の対応体制は? 可能であれば「体験入居」をしてみましょう。数日でも過ごしてみると、生活の合う・合わないがよく分かります。 STEP5|サービス等利用計画を作成しよう 正式に利用するには、「サービス等利用計画」が必要です(※相談支援専門員が作成します)。 内容に含まれるもの: どのような暮らしを望んでいるか(将来像) グループホームでどのような支援を受けたいか 医療・就労・日中活動などとの連携方針 「自分の想い」をなるべく具体的に伝えましょう。支援内容に反映されやすくなります。 STEP6|契約・入居準備をしよう 契約前に「重要事項説明書」を受け取り、内容をよく読みましょう。施設によっては保証人や身元引受人が必要になる場合もあります。 入居前に準備するもの 印鑑(実印)と本人確認書類 生活用品(衣類、寝具、日用品など) 医療・服薬関係の情報(お薬手帳、通院記録) 緊急連絡先や支援機関の連絡表 STEP7|入居後の振り返り 入居後は6か月ごとに支援内容を見直す「モニタリング」があります。スタッフや相談支援員と一緒に、現状を振り返って改善点を話し合いましょう。 モニタリングで確認すること スタッフの支援内容は十分か 他の利用者との関係でストレスがないか サテライト型や単身生活への移行希望はあるか? 不満や困りごとは遠慮せず伝えましょう。状況に応じて、別のグループホームへの変更も可能です。 よくある質問 Q. 支援区分が「非該当」でも入居できますか? A. はい、制度上は可能ですが、実際には断られることが多いです。 制度上、「非該当」や「区分1〜6」の人すべてがグループホームの利用対象です。 ただし、ホーム側は国からの報酬(給付費)を収入源とするため、「非該当」や「区分1」の場合、報酬が少なくなるため、入居を断られることがあります。 また「区分なしでも利用可能だが自己負担が高額になる」(区分認定されていないとサービス利用料が利用者負担になる)という実態もあります 参照:障がい福祉専門の税理士事務所 Q. ASD・ADHDなど発達障がいだけでも利用できますか? A. はい、発達障がいのみでも問題なく利用できます。 発達障がい(ASD・ADHD・LD含む)単独で入居できるホームは増えており、「発達障がい専門グループホーム」も存在します。 実際、重度の発達障がい者も対応可能な「日中活動支援型ホーム」などもあり、単なる施設入所より柔軟な選択肢があります。 参照:株式会社キズキ 発達障害のある人のグループホーム利用まとめ Q. 支援区分が高すぎても入居できない場合がありますか? A. 支援区分が高すぎると、サポートが不足する場合があります。 ホームによって受け入れられる支援区分に上限があり、高度な支援(例:区分6など)が必要な場合は、対応できるスタッフ数やスキルを備えていないケースもあります。 こうした場合は、「日中サービス支援型」や「介護包括型」、「施設入所支援」など高支援体制の類型を選ぶ必要があります。 参照:しゃふくさん Q. 医療的ケアが必要でも利用できますか? A. できますが、ホームの選び方が重要です。 日中サービス支援型や、医療連携が可能なホームであれば、看護師巡回やオンライン診療などで対応できます。 医療依存度が高い場合、「施設入所支援(障がい者支援施設)」も含めて複数の選択肢を検討するのが望ましいです。 参照:SMILE HOUSE まとめ:理想の暮らしを形にするために 自分の「欲しい生活」を明確に 類型の違いを理解し、マッチするものを選ぶ 見学で「肌感覚」を確認 支援計画と費用の見通しをしっかり持とう グループホームは「暮らしの安心」と「自立支援」の両方を可能にする住まいです。見学や関係機関との相談を重ね、あなたらしい毎日が送れる居場所を見つけてください。 関連記事 https://www.minnanosyougai.com/article1/shintaichintai/ -
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「感情が爆発してしまう」もう自分を責めないための、怒り・悲しみとの付き合い方
感情が爆発するのは「弱いから」じゃない 「また怒ってしまった…」「泣きたくないのに涙が止まらない」そんなふうに自分を責めてしまうこと、ありませんか? 感情があふれてしまうのは、気持ちをうまく出せなかった積み重ねが原因であることがほとんどです。特に、発達障がい・精神障がい・HSP(繊細な気質)などがある方は、感覚や感情に振り回されやすく、感情の調整(セルフコントロール)が難しいと感じることがあります。もちろん、健常者の方でも、強いストレスや人間関係の摩擦が続くと、同じような経験をします。 この記事では、「感情が爆発する仕組み」と「自分を守るためのセルフケア」を紹介します。 感情が爆発するメカニズム 小さな我慢の積み重ねが「大爆発」を引き起こす その場では我慢した でも心の中では納得していない それが何度も重なる↓ある日、ささいなことで怒りや涙が止まらなくなる このようなケース、非常によくあります。これは**「感情のバケツ理論」**と呼ばれ、心の中にたまった感情があふれ出すイメージです。 脳の仕組みと「暴走モード」 怒りや恐怖などの感情は、脳の「扁桃体(へんとうたい)」という部位が関係しています。強いストレスを感じると、この部分が“非常警報”を鳴らし、理性をつかさどる前頭葉の働きが弱まってしまうのです。 結果として… カッとなって暴言を吐く 涙が止まらない 自分を傷つけたくなる といった自分でもコントロールできない行動が出てしまうのです。 こんな人は要注意|セルフチェックリスト 怒ると手が震えたり、物にあたってしまう 「怒りたくないのに止められない」と感じる 気づいたら涙が止まらなくなっている 頭の中で過去のことを何度も繰り返し考えてしまう 「自分の感情がわからない」と感じることがある 些細な言葉に必要以上に傷つく 人前で感情を出すことが恥ずかしいと思っている 感情を見せたあと、強い自己嫌悪に襲われる →3つ以上当てはまる場合、感情のコントロールに関するケアやスキルが有効です。 感情があふれそうなときの対処法 「今、自分は怒ってる/悲しんでる」と言葉にする 感情の“ラベリング”はとても大切です。自分の今の気持ちに「名前をつける」だけで、脳が落ち着くという研究があります。 「今、私はすごく怒ってる」 「悲しくて涙が出そう」 「悔しさで胸が痛い」 → 感情を“外に出す”だけで、意外と落ち着いてきます。 10秒の「間」を意識する 感情が湧いた瞬間、すぐに言い返したくなることもありますが、**「10秒間、黙って呼吸する」**ことをルールにしてみてください。 息をゆっくり吐く 壁や空を眺める 手をぎゅっと握ってから開く → それだけで怒りのピークが少し収まり、「冷静に反応する力」が戻ってきます。 “安全な場所”を決めておく 感情が爆発しそうなときに「ここに行けば落ち着く」という場所をあらかじめ決めておくと安心です。 自分の部屋 トイレの個室 ベランダや公園のベンチ カフェや図書館の静かな席 → その場を“避難”して落ち着く時間を持つのは、とても有効な対処法です。 感情コントロールを育てる日々のトレーニング 「自分の気持ちノート」をつけてみる 今日の気持ちを簡単にメモするだけでも、自分の感情パターンが見えてきます。 「今日は〇〇にイラッとした」 「でも、そのあと〇〇して少し落ち着いた」 → 書くことで客観視ができ、自分を責めすぎることが減ります。 「自分を守る言葉」を持っておく 怒りや悲しみが湧いたときに、自分にかける言葉を準備しておくと安心です。 「今はそれだけつらいんだね」 「怒って当然だよ」 「落ち着いたら考えよう」 → 自分の感情を否定しない声かけが、コントロールにつながります。 専門家と一緒に整えるという選択肢も 「感情のコントロールが本当に難しい」と感じる場合は、精神科医やカウンセラー、支援機関との連携も大切です。 特に以下のような場合は、専門的なサポートを受けることで大きな改善が期待できます 自傷・他害がある 日常生活が回らなくなるほどの情緒不安定 フラッシュバックやパニックが起きる →「治す」というより、「自分らしく生きるための道具」として相談機関を活用してみましょう。 おすすめ本 『「怒り」がスーッと消える本』(和田秀樹/PHP文庫) 「怒りっぽい性格を変えたい」「小さなことでイライラしてしまう」――そんな悩みを持つ人に向けた、“怒り”の仕組みと対処法をやさしく解説した一冊。感情を押さえつけるのではなく、「怒りの背景にある本音」を知ることの大切さが語られています。事例も豊富で、精神論ではなく実践的な考え方や言い換えの工夫が満載。怒りに振り回されずに過ごしたい人の、入門書としておすすめです。 『「自己肯定感低めの人」のための本』(山根洋士/アスコム) 心理カウンセラーとして8000人以上の相談実績がある著者が、「自己肯定感の低さ=心のクセ」を見つけ直す方法を教える一冊。心のクセを見つめ直し、毎日を楽にするヒントが満載。“自分の気持ちがわからない” を少しずつ取り戻したい人におすすめです。 『感情的にならない本』(和田秀樹/新講社ワイド文庫) 怒り・不安・嫉妬・落ち込みなど「感情に振り回される自分がつらい」と感じている人に向けた、感情マネジメントの実用書。精神科医ならではの視点で「感情は抑えるより、“距離をとる”方がうまくいく」という考え方を提案します。小さなコツや考え方の転換が多数紹介されており、日常の中で実践しやすい内容になっています。 まとめ:感情があふれるのは「心が正直」だから 怒ってしまった。泣いてしまった。それは、あなたが「感じる力を失っていない」証拠でもあります。 感情は、敵ではなく、あなたの味方です。ただ少しだけ、扱い方を練習する必要があるだけ。誰にでも爆発する日があるからこそ、今日からできるケアを始めてみませんか? 関連記事 https://www.minnanosyougai.com/article1/jitakyoukai/ https://www.minnanosyougai.com/article1/iikatarennsyuu/ https://www.minnanosyougai.com/article1/jibunnniyasashiku/ -
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【障がい者の自助会とは】孤独を癒し、心を支える「仲間とのつながり」
「わかってもらえる場所」は、誰にとっても必要です。 障がいがあると日常の中で「自分だけが苦しんでいるのではないか」「誰にも理解されないかもしれない」という孤独感が強まることがあります。 そんなとき、自助会(ピアサポートグループ)は「同じ経験をした人と安心して話せる居場所」として、多くの人に“心の支え”になっています。 自助会とは?支援機関とはちがう「共感の場」 自助会の特徴 同じ障がい・経験を持つ人が集う 対等な関係で語り合える 医療や福祉と違い「支援者と利用者」の関係ではない 支援機関との違い 比較項目 自助会 医療・福祉機関 関係性 対等な仲間同士 支援者と利用者 目的 共感・感情の共有 生活支援・治療・就労 雰囲気 自由・自主性重視 専門性・契約ベース 費用 無料~低額 有料・保険適用あり 自助会は「話を聴いてくれる人」ではなく、「わかってくれる人」に出会える場です。 自助会の種類・障がい別に見る特色 自助会は障がいの種別ごとや目的ごとに特色や雰囲気が異なります。自分の状態に近いグループを探すことが大切です。 発達障がい系(ASD・ADHDなど) 感覚過敏・こだわり・対人困難などの悩みを共有 沈黙があっても気まずくない、非言語重視の会も オンライン開催も多く、全国から参加できるケースも 精神障がい系(うつ・双極性障害など) 「病気の波」に共感が得られやすい WRAP(元気回復行動プラン)や認知行動療法を取り入れる会も 定期的に通うことで、気持ちのリズムが整いやすくなる 身体障がい・難病系 バリアフリー・福祉制度・介護の情報を共有 ALS、脊髄損傷、難病などの特定疾患に特化した会もあり 地域や医療機関と連携して開催されることも 自助会に参加するメリット 孤独感がやわらぐ 「自分だけがつらいんじゃなかった」と気づくことで、心が少し軽くなります。他人の体験を聴くだけでも、共通点や共感を見つけやすく、孤立感が和らぎます。 例:「イヤーマフを使ってるって話を聞いて、私だけじゃないんだと思えた」 自己肯定感が育つ 自分の体験が誰かの役に立つ 「ありがとう」と言われることで、自分の存在価値を実感できる 支える側に回ることで、生きる力が育つ 情報収集・制度活用のヒントが得られる 福祉制度・障害年金・就労支援の情報交換 「こんなふうに生活してるよ」という当事者ならではの工夫 病院・福祉事務所では聞けないリアルな声を聞ける 自助会の探し方・選び方 探し方 地域の障害福祉課や支援センターに問い合わせ ネット検索(例:「○○市 発達障害 自助会」) SNS・YouTube・noteなどで活動を紹介している当事者団体 選び方のポイント 話さなくても参加できる雰囲気か 年齢層や障がい種別が自分と近いか 自分が「安心できる」と感じる場かどうか 「続けなきゃ」と思う必要はありません。いくつか試して、自分に合う場所を見つけましょう。 参加時の注意点 自助会も“人が集まる場所”なので合う・合わないがある 話しすぎて疲れてしまうこともあるので「今日は聴くだけ」でもOK トラブルがあれば距離を取る、自分を守ることを優先 「自助会だから全部話さなきゃ」と思う必要はありません。無理せず、自分のペースで参加しましょう。 自助会と支援制度の併用で広がる可能性 医療や就労支援など、公的制度で支えられる部分も多い 一方で、制度の隙間を埋めるのが自助会の「つながり」 生活面は制度で、心の面は自助会で支える――そんな補完関係が理想です まとめ:安心して“自分”を出せる場所が自助会 自助会は「何かを治す場」ではありません。自分の弱さや不安を出してもいい「安心していられる場所」です。 無理に頑張らなくていい。空気を読まなくてもいい。沈黙が続いても大丈夫。 そんな場所があると、人生が少しだけ楽になります。ぜひ、自助会という選択肢をあなたの「生きるヒント」として知ってください。 -
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はじめての認知行動療法(CBT)こころのクセを見直し、「わたし」を楽にする方法
認知行動療法(CBT)ってなに? 「考え方」と「行動」を整えて、こころを軽くする治療法 認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy / CBT)とは、「自動的な思考」や「思い込み」に気づき、それをバランスのよいものに修正していく心理療法です。 落ち込み・不安・イライラなど、つらい感情は「ものの受け取り方(認知)」と深く関わっています。 たとえば… 「また失敗した。私は何をやってもダメだ」 「あの人が挨拶しなかった。嫌われているのかも」 こういった思考のクセに気づき、「他の見方はないかな?」と視点を変える練習を通じて、気持ちを落ち着かせていくのが認知行動療法です。 どんな悩みに効果があるの? 幅広い精神的な問題に対応|再発予防にも有効 認知行動療法は、うつ病や不安障害、パニック障害、強迫性障害(OCD)、PTSD、摂食障害、睡眠障害、社会不安障害など、多くの心理的困りごとに有効とされています。 日本の厚生労働省やWHO(世界保健機関)も、有効性の高い治療として推奨しています。 また、薬物療法と比べて「スキルが身につきやすく再発予防にもなる」という点が注目されています。 CBTの基本的な考え方 「出来事」→「考え」→「感情」→「行動」 私たちは、「出来事そのもの」ではなく、それをどう“解釈したか”によって感情が決まります。 例:職場で上司に声をかけられなかった Aさん:「嫌われてるのかも」→不安になって1日中落ち込む Bさん:「忙しかったんだろう」→気にせず仕事を続ける このように、“同じ出来事”でも受け取り方によって心の反応がまったく変わるのです。 CBTでは、この「自動的な考え=思考のクセ」に気づき、よりバランスの取れた見方に変えていくことを目指します。 実際にやること|どんなセッションなの? 話すだけじゃない。書く・考える・行動するワークが中心 認知行動療法は、カウンセラーと一緒に課題を“整理しながら”進める実践型のセラピーです。 具体的には… ✅ 認知再構成法 思考のクセや極端な思い込みに気づき、柔軟に考え直す練習。 ✅ 行動活性化 うつ状態で動けないとき、小さな行動(掃除・散歩など)を計画・実行して「できた感覚」を取り戻す。 ✅ 曝露療法 恐怖や不安を避けていた場面に、少しずつ慣れていく練習(対人不安、強迫などで有効)。 ✅ 課題(ホームワーク) 毎回、自宅で簡単な記録や実験を行い、それを次回に一緒にふりかえる。 CBTは受け身ではなく、自分自身が「練習することで変化を体感できる」心理療法です。 CBTのメリットと注意点 メリット|再発予防、自己理解、短期で成果が見えやすい ✅ スキルとして身につくので再発しにくい✅ 感情の理由がわかり、自分を責めなくなる✅ 数ヶ月(10~20回前後)で効果が期待できる 注意点|相性・継続・重症度によっては限界もある CBTが合わないと感じる人もいます(性格・相性の問題) 重度のうつや統合失調症などでは、薬物療法と併用が推奨されることも 継続して取り組む姿勢が必要(習慣づけが大切) CBTを受けるにはどうすればいい? 病院?カウンセラー?保険はきく? ▼ ① 医療機関での認知行動療法(保険適用あり) ・精神科や心療内科での診察と併用(要紹介状の場合あり)・臨床心理士や公認心理師が担当・うつ病・不安障害など一部疾患では保険適用される(自己負担3割程度) ▼ ② 自費カウンセリング ・心理士によるカウンセリングルーム、オンライン対応も増加中・1回あたり5,000円〜12,000円程度・保険適用外だが、自由度が高く、気軽に始めやすい ▼ ③ オンライン・書籍・アプリでもできる CBTワークブック(書籍)や認知記録表でのセルフ実践 アプリ(例:Awarefy, CogSelf, iCBT など)を使った自己練習も可能 認知行動療法を受けたい人へ|クリニック・カウンセラーの探し方アドバイス 1. 保険適用で受けたい人向け(精神科・心療内科) ポイント 医師が診察した上で、CBTの必要性を判断 → 臨床心理士/公認心理師が実施 一部の疾患(うつ病・不安障害など)では健康保険が適用され、費用が3割負担に 探し方 厚生労働省が認可する「CBT 外来」「うつ病 CBT 専門外来」などの名称で検索例)「認知行動療法 外来 ○○(地名)」「うつ CBT 外来 ○○(地名)」 心療内科・精神科の公式HPで「認知行動療法対応」「臨床心理士在籍」などの記載をチェック 注意点 CBT実施中の施設は全国的にまだ少なめ 対応できる疾患・年齢(子ども/大人)に制限がある場合も 自費でじっくり取り組みたい人向け(民間カウンセリング) ポイント 健康保険は使えないが、時間をかけて自分のペースで取り組みやすい 初回無料カウンセリングやお試しプランを設けている所もあり始めやすい 探し方 Googleやポータルサイトで「認知行動療法 カウンセリング ○○(地名)」で検索 オンライン対応のカウンセリングも増加中。「オンラインカウンセリング CBT」などで検索 見ておきたいチェックポイント 「臨床心理士」「公認心理師」の資格があるか 認知行動療法の実践経験・得意分野 料金体系、継続のしやすさ(高すぎないか、無理なく通える距離か) 自分で試したい人向け(アプリ・書籍) オススメアプリ Awarefy(アウェアファイ):認知記録やマインドフルネス機能付き(iOS/Android) こころログ:思考と気分の記録ができる日本語対応アプリ 認知行動療法思考日記:セルフモニタリングにオススメ 書籍+ノートでの自己実践も可能 『こころが晴れるノート』や『マンガでわかる認知行動療法』など、やさしく学べる本からスタートするのもおすすめです。 CBTをもっと知りたい人におすすめの本 📘『こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳』(大野裕/創元社) やさしい言葉と書き込み式ワークで進められる定番入門書。精神科医が監修しており信頼性も◎。 📘『マンガでわかる認知行動療法』(福井至/池田書店) ストーリー仕立てで、感情と行動のつながりがわかりやすい。初心者にぴったり。 📘『心がスッと軽くなる 認知行動療法ノート 自分でできる27のプチレッスン』(福井至/貝谷久宜 / ナツメ社) 1レッスン15分程度で取り組める、プチワーク満載のノート形式。手軽に継続できる工夫が豊富。 まとめ:考え方を変えることで、気持ちは変えられる 「自分を責めるクセがつらい」「このままじゃ何も変わらない気がする」そんなあなたに、認知行動療法はきっと役立ちます。 私たちは「考え方」や「行動パターン」によって、自分を縛ってしまうことがあります。でもそれらは、見直すことで“変えることができる”のです。 小さな一歩でも、確実に未来は変わっていきます。「こころのトレーニング」、始めてみませんか? -
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「ちゃんとしなきゃ」が止まらない。アダルトチルドレンの生きづらさ
「私はずっと“いい子”だった」 親の顔色をうかがい、感情を飲み込んで育った。頼ることが苦手で、なのに人の期待には応えてしまう。 …それ、もしかすると「AC(アダルトチルドレン)」かもしれません。 この記事では、ACの意味や背景、そして回復のヒントを、心の痛みに寄り添いながら丁寧に解説していきます。生きづらさの「理由」に気づいたとき、自分を責める苦しさから少しずつ解放されるかもしれません。 アダルトチルドレン(AC)とは? 大人になっても心が癒えていない「子ども」 アダルトチルドレン(AC)とは、「子ども時代に安心・信頼・自由を得られなかった人が、大人になってもその影響で生きづらさを感じる状態」を指します。 病名ではなく、自分を理解する“ひとつのレンズ”です。他人から見れば「しっかりした人」でも、心の奥では「人に頼れない」「感情を出せない」苦しさを抱えています。 “普通の家庭”でもACになることがある ACという言葉を聞くと、「虐待や依存症があるような特別な家庭の話では?」と思うかもしれません。でも実際には、一見すると“問題のない家庭”でも、子どもの心が置き去りにされていればACになり得ます。 たとえば… 親の期待が強く、自由に選択できなかった 「泣くな」「我慢しなさい」と感情を抑えさせられた 家族の問題を子どもが背負っていた(親の相談役、弟妹の世話係など) 大切なのは、「何があったか」よりも「どう感じていたか」。ACとは、**感情をしまいこんで生きてきた“心の生存者”**なのです。 セルフチェックリスト|10の質問でわかるあなたの中のAC傾向 以下の質問に、「あてはまる」と思った数を数えてみてください。多ければ多いほど、AC的な傾向を抱えている可能性があります。 🔍 10のセルフチェック 子どもの頃、「いい子だね」と言われることが多かった 人の期待に応えることが、自分の価値だと思ってしまう 「感情を出すのはよくない」と思って育った 親や家族の顔色を気にして行動していた 頼まれごとを断るのが苦手 人に頼ることに強い抵抗や不安を感じる 他人との距離感がうまくつかめない(近づきすぎる/離れすぎる) 自分にだけとても厳しく、失敗を許せない 「私はどこかおかしいのでは」と感じることがある 恋愛・人間関係でいつも同じパターンにハマって苦しくなる 🌱 結果の目安 0~3個:あまり強くは感じていないか、他の要因の可能性あり 4~6個:AC的な傾向があり、生きづらさを感じやすいかもしれません 7個以上:ACの影響が日常生活に強く出ている可能性が高いです。 ※このチェックは診断ではありません。気づきのきっかけとしてご活用ください。 ACが感じやすい生きづらさ 人といてもしんどい。ひとりでもさみしい。 ACの人は、人との距離感がうまくつかめなかったり、感情に蓋をしてしまったりする傾向があります。幼い頃に「頼ること」や「甘えること」が否定された経験から、大人になっても無意識にそれを避けてしまうのです。 よくある感覚や行動のパターン 自分の気持ちがわからず、「何がしたいのか」見失う 人間関係で「嫌われないように」と頑張りすぎてしまう 褒められても素直に受け取れず、「もっと頑張らなきゃ」と思ってしまう 助けを求めることに罪悪感を感じる 「いい子だったね」と言われても、うれしくない。本当は、「そのままでいいんだよ」って言ってほしかった。 なぜACは「今も苦しい」のか 子ども時代の“守り方”が、大人になって自分を縛る ACの苦しさの多くは、**子ども時代に自分を守るために身につけた“生き残りの方法”**が、大人になっても自動的に作動してしまうことにあります。 親に怒られないように、本音を隠した 感情を抑えることで、家庭の混乱から身を守った 「役に立つ子」になることで、自分の存在価値を保った でも、それらの行動は**「その場しのぎの防御反応」**。今のあなたにはもう、そんなにがんばらなくてもいいのです。 「うまくやってるのに苦しい」の正体 ACの人は「しっかりしている」「責任感がある」と言われがちです。でも、それは苦しさの裏返し。 周囲に合わせすぎて、自分の感情がわからなくなる 頼られることで安心するが、自分が助けを求められない 一人で抱え込み、限界がきてから崩れてしまう この“繰り返しのパターン”に気づくことが、回復の最初の一歩になります。 回復のステップ|感情に気づき、向き合う 「変わる」よりも「自分に戻る」こと ACの回復は、「性格を変えること」ではありません。ずっと閉じ込めてきた“本当の気持ち”と向き合うことです。 まずは、こう問いかけてみてください。 本当は、あのときどう感じていた? どんな言葉をかけてほしかった? 今、どんな気持ちを無視してる? 気づくのが怖いときは、ノートに書いてみたり、信頼できる人に少し話してみたりすることから始めましょう。 自分にやさしくなる“練習”も大事 「こう感じてもいいんだよ」と自分に許可を出す 「今日はよくやった」と1日の終わりに声をかけてみる 無理にポジティブにならず、「苦しいままでも大丈夫」と認める これらはすべて、インナーチャイルド(内なる子ども)を癒す小さなステップになります。 回復のためのサポートを知ろう 一人で抱え込まないで 回復は、一人きりではとても大変です。だからこそ、「安心できる場所」や「共感してくれる人」とつながることがとても大切です。 おすすめのサポートや方法 ACやインナーチャイルドを扱う専門カウンセリング アダルトチルドレンの自助グループ(ACOAなど) 心理学や体験談の本を通じた“共感”と“理解”の深まり 話すのが苦手なら、無理に話さなくてもいい。でも、聴いてくれる人がいるだけで心は変わります。 ACは「弱さ」ではない がんばってきた証としてのAC ACの人は、弱かったから傷ついたのではありません。がんばっても報われなかった経験を、心の奥で引きずっているだけなのです。 家族の平和のために、自分を後回しにしてきた 期待に応えなければ存在を許されないと感じていた 自分を責めることで、家族の崩壊を止めようとした そんなふうに生きてきたあなたは、誰よりも耐え、努力してきた人です。 役立つおすすめ書籍5選 1. 『アダルト・チルドレン癒しのワークブック』 著者:西尾和美(学陽書房)→ 日本にACという言葉を広めた第一人者による解説と癒しのヒントが詰まった一冊。信頼性・内容ともに非常に高いです。 2. 『インナーチャイルドと仲直りする方法』 著者:由井寅子(ビジネス社)→ 感情を閉じ込めた“子どもの自分”との向き合い方をやさしく解説。実践ワーク付き。 3. 『毒になる親 一生苦しむ子ども』 著者:スーザン・フォワード(講談社)→ ACの核心に迫る一冊。親との関係を見つめ直す視点を提供してくれます。 4. 『いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本』 著者:根本裕幸(ディスカヴァー・トゥエンティワン)→ ACに限らず、対人不安・自己否定に苦しむ人にぴったり。優しい語り口。 5. 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』 著者:岡田尊司(光文社新書)→ ACの背景にある「愛着の傷」に焦点を当てた専門的かつわかりやすい良書。ファクトベースの内容です。 まとめ:「私が悪かったんじゃない」と気づけたら もしあなたが今、しんどさを抱えているのなら――ACという言葉が、少しだけその理由を照らしてくれるかもしれません。 「過去に何があったか」よりも、「今、どうしたいか」。もう、ひとりで抱えなくていい。 あなたには、「そのままでいていい」未来を生きる価値があります。ゆっくりでいい、一歩ずつ歩いていきましょう。 -
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『普通に食べたいのに食べられない』心の葛藤と摂食障がいの本当
「痩せたいわけじゃない。食べたい。でも、こわい。」「食べるのが止まらない。苦しい。でも、やめられない。」 これは、摂食障がいを抱える人の中にあるリアルな葛藤です。「ただ普通に、食べられたらいいのに」 「食べること」には生きるための行動だけでなく、感情・自尊心・人間関係のパターンが色濃く表れます。この記事では、摂食障がいの基本的な知識だけでなく、苦しんでいる心の内側にも目を向けながら、回復へのヒントを探ります。 摂食障がいとは? 食の問題ではなく、心のSOS 摂食障がいとは、食行動に強いこだわりや異常が現れる精神疾患です。単に「痩せたい」「太りたくない」ではなく、不安や孤独、自分への否定感などを“食”を通して表現している状態です。 代表的なタイプと特徴 神経性やせ症(拒食症) 食べる量を極端に制限し、体重が著しく低下。自分を“太っている”と感じてしまうボディイメージの歪みがある。 神経性過食症(過食症) 過食と嘔吐・下剤の乱用を繰り返す。食への執着と自己嫌悪を行き来する。 過食性障がい(むちゃ食い障がい) 衝動的に大量に食べるが、排出行為は伴わない。コントロール不能な「むちゃ食い」が継続。 回避・制限性食物摂取障がい(ARFID) 味や匂い、食感への敏感さなどが原因で食事量が極端に減る(摂食障がいの新しい分類)。 「食べること」が苦しい理由 “食=不安”という感情の根っこ 「食べると太る」「食べると罪悪感がある」こうした感情は、自己否定やコントロール欲求と深く結びついています。 「食べたらダメ」=“いい子でいなければ”という思い込み 「食べてしまった」=“私はダメな人間”という全否定 「痩せている私」だけが存在価値を持てる これらは家庭環境や過去の傷つき体験、自尊心の低さからくる「思い込み」として心の中に根づいています。 「ちゃんと食べなきゃ」は呪いになることも 周囲の「しっかり食べて」「少し太った方がいいよ」という言葉も、摂食障がいの人には強烈なプレッシャーとなります。 ❝ 体重や食べた量で、自分の価値を測ってしまう。食べたことをなかったことにしたくて、すぐにトイレに走った。 ❞ これが、食行動の背後にある「こころの叫び」です。 摂食障がいになりやすい人の傾向 性格傾向:まじめで我慢強く、優しい人 摂食障がいを経験する人の多くに共通するのが以下のような傾向です 完璧主義・努力家 人に迷惑をかけたくない 感情を飲み込むクセがある 人からどう思われるかを過剰に気にする 環境要因:育った環境や文化の影響も 子どもの頃、他人や親から体型や食事に厳しく指摘された 「いい子」「成績優秀」「我慢が美徳」と言われ続けた・思い込んでいる SNSやメディアの「痩せ=美しさ」という価値観に強く影響された こうした背景が心の奥に「ありのままの自分では価値がない」という根深い思い込みをつくり、食を通じた自分コントロールにつながっていくのです。 回復とは、「普通に食べる」ことではない 治すより「自分と仲直りする」こと 摂食障がいの回復とは「以前のように食べられるようになること」ではなく、“自分との関係性”を変えていくことです。 「ちゃんと食べられなくてもいい」と思える 「食べられない日があっても自分を責めない」 「太っても自分の価値は変わらない」と思えるようになる これが“心の回復”です。 少しずつ、身体感覚を取り戻す 食べたい・食べたくないという感覚に注意を向ける 食事中の“味”や“匂い”を味わうようにしてみる 食後の罪悪感に気づいて、そっと受け流す 食べることを“罰”にしない。それが少しずつ「自分を生きる」練習になっていきます。 周囲ができることは「そばにいる」こと 避けたい言葉・態度 「もっと食べなよ」「それじゃ足りないよ」 「私なんてもっと太ってるよ」 「あなたは細いから大丈夫」 → これらはすべて「食べる=責められること」として心に残ります。 代わりにできること 食事の話題以外をたくさん共有する 何もできなくても「そばにいるよ」と伝える 良い・悪いではなく「苦しかったね」と気持ちを受け止める 大切なのは「何か言おうとしないこと」かもしれません。沈黙の中にある“安心”が、回復の土台になります。 回復への道しるべ|支援とつながる勇気を 摂食障がいは、ひとりで抱えるにはあまりにも重たいものです。しかし、支援やつながりによって、必ず“光”は見えてきます。 どこに相談したらいい? 心療内科・精神科(摂食障がい外来) 精神保健福祉センター・地域包括支援センター 自助グループ(NABAなど)「摂食障がい 自助グループ (お住まいの地域)」で検索するのもおすすめ 児童・生徒であれば、スクールカウンセラーや養護教諭 「言葉にならない気持ち」でも大丈夫 「助けて」と言えなくても、「しんどいです」だけで十分です。回復への第一歩は「ひとりじゃない」と気づけた瞬間から始まります。 おわりに:“食べられない私”も、ちゃんと生きている 「食べたいのに食べられない」「普通に戻れない自分が、情けない」 でも、そんなあなたも、ちゃんと生きています。毎日、目の前の苦しみと向き合って、あなたは踏んばっている。それだけで、十分に価値のあることです。 どうか、あなたの「食べること=生きること」が少しずつ楽になりますように。誰かのためではなく、あなた自身の人生のために。 -
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身体障がいがあっても安心!一人暮らしのための賃貸物件の選び方と支援制度まとめ
「バリアフリー物件、探せばあるって本当?」 車いすでも入れる部屋が見つからない… エレベーター付きって書いてあるのに、階段数段あるってどういうこと? 物件はよかったのに物件までの道がかなりの坂道だった 身体障がいのある人が一人暮らしをしようとすると、「物件探し」の壁は思ったより高く感じることが多いかもしれません。 この記事では、物件選びで気をつけたい現実的なポイントや、地域選びのヒント、制度の活用法などを、実体験に基づいた視点でわかりやすくまとめました。 身体障がい者の物件探しでよくある課題 ❌「バリアフリー物件」の定義が曖昧 スロープや手すりがあっても、廊下が狭い、玄関に段差があるなど、本当に使いやすいとは限らない。 ❌ バリアフリーの情報が不足している 障がいに配慮した設計かどうか、写真だけでは判断できない。 不動産会社がバリアフリー知識に乏しいケースも。 ❌ 賃貸の審査でハードルを感じることも 「収入が安定していない」「介助が必要」などを理由に、敬遠されることがある(※差別にあたる行為) 身体障がいがある人におすすめの「物件タイプ」 ✅ UR賃貸住宅 メリット 礼金・仲介手数料・更新料ゼロ 障がい者等向けの「ハートワン制度(優先入居)」あり バリアフリー設計の物件も多い(手すり・段差解消・広めのトイレなど) 注意点 ハートワン制度を利用するには障害者手帳などの証明が必要 首都圏や都市部に物件が集中しており、地方では選択肢が少ないことも 参照:UR賃貸住宅公式サイト ✅ 地域の公営住宅(市営・県営・都営) メリット 低家賃で入居でき、障がい者世帯向けの「優先入居枠」がある自治体が多い エレベーター付き・段差解消済みの物件も一部あり 注意点 古い物件が多く、バリアフリー対応が不十分なケースもある 募集時期・倍率が自治体によって大きく異なるため、こまめな情報収集が必要 🔍 地域の「住宅供給公社」や「市営住宅課」の公式HPで募集状況を確認しましょう。 ✅ 住宅確保要配慮者向け賃貸(セーフティネット住宅) 概要 障がい者や高齢者、子育て世帯など「住宅確保が難しい人」のために登録された民間賃貸住宅 入居拒否されにくく、バリアフリー対応の物件も一部あり メリット 物件情報は国の検索サイトから全国一括で探せる 収入や状況に応じて家賃補助を受けられる自治体もある(例:東京都・神奈川県など) 注意点 登録物件数は地域差が大きく、物件自体が少ない地域も 入居条件(連帯保証人の有無など)は物件ごとに異なる 参照:セーフティネット住宅検索サイト(国土交通省) ✅ 一般の民間賃貸+改修 概要 一般の賃貸物件を選び、必要に応じて手すり設置や段差解消などのバリアフリー改修を行う方法 メリット 選べる物件数が多く、立地や間取りに自由度がある 一部の自治体では、バリアフリー改修に対して補助金が出ることもある 注意点 改修には大家さんの許可が必要(書面による合意が望ましい) 「工事前の申請」が必要な補助制度も多く、事前準備が必須 地域選びのコツ|一人暮らし向け“安心エリア”とは? ✅「公共交通機関が使いやすい場所」を優先 バスの低床車両が多い/電車にエレベーターがある駅 近くに福祉タクシーや介護タクシーが使える場所だと安心 ✅「福祉が手厚い自治体」を選ぶ 地域によって、移動支援・家事援助・訪問介護の支給基準が異なる 例:東京都の一部や政令指定都市はサービスの選択肢が多い ✅「支援者・病院・役所」までの距離も考慮 通院や相談がしやすい場所だと、急な困りごとにも対応しやすい 引越し前に“最寄りの相談支援事業所”もチェック 物件選びのチェックリスト【内見時に確認しよう】 ✅ 玄関に段差はないか(もしくはスロープの設置可か)✅ 廊下の幅は車いすで通れるか(最低80cmが目安)✅ トイレ・浴室に手すり設置可能か(または設置済みか)✅ キッチンの高さは調整可能か✅ インターホン・スイッチの位置は高すぎないか✅ エレベーターの有無、車いすで乗れるサイズか✅ 緊急通報装置や見守りサービスの導入が可能か✅ 自宅周辺に坂道・凸凹が多くないか(実際に歩いて確認) 使える補助金・制度まとめ 制度名 内容 補足・注釈 住宅改修費助成 身体障がい者が住環境を整えるためのリフォーム費用に対する補助(手すり設置、段差解消など) ✅ 自治体ごとに対象工事・上限金額が異なる。✅ 一般的には【事前申請】が必要で、「工事前の写真・図面・見積書」が必要。✅ 介護保険での住宅改修(要支援・要介護認定者)とは制度が異なる。👉 詳細は各市区町村の障がい福祉窓口に確認を。 福祉用具購入・貸与補助 車いす、歩行器、シャワーチェアなどの購入またはレンタル費用の一部を補助 ✅ 介護保険対象者(65歳以上 or 特定疾患あり)は「介護保険」が優先される。✅ 障害者手帳所持者向けの補装具費支給制度では、「耐用年数」「再支給要件」が細かく定められている。👉 各自治体でレンタル可能品や購入対象品が異なるため要確認。 移動支援(地域生活支援事業) 通院・買い物・余暇活動など、日常生活に必要な外出のサポート(ヘルパー派遣) ✅ 全国に制度の枠組みはあるが、「支給対象」「回数・時間数」は市区町村により大きく異なる。例:A市は通院も支援対象、B市は通院は対象外 など。👉 必ず「自立支援給付(移動支援)」の詳細を自治体で確認を。 障がい者向け公営住宅の優先入居 市営・県営・都営住宅での優先入居枠 ✅ 各自治体により「障がいの等級」「世帯構成」「収入要件」などの条件が異なる。✅ 都市部では倍率が高く、応募時期が限られている場合もある。👉 都道府県・市区の住宅供給公社HPや役所にて随時チェックを。 補足:支援制度を探すときのおすすめの行動 「◯◯市 障がい者 住宅改修」などで地域名を含めて検索すると、P申請ガイドやパンフレットが見つかることが多いです。 地域包括支援センターや障害者支援センターに一度相談すると、地域内で使える制度を横断的に紹介してもらえる場合があります。 相談支援専門員を通じたプラン作成(サービス等利用計画)で制度利用がスムーズになることも。 不動産会社に伝えるべきこと・伝えなくていいこと ✅ 伝えたほうがスムーズなこと 車いす使用の有無、段差・幅の希望条件 介助が必要な時間帯(夜間 or 日中) リフォーム希望(あれば)とその内容 ❌ 無理に伝えなくていいこと 障がいの等級 収入源(年金の内訳など細かすぎる情報) 持病の詳細などプライバシーにかかわる部分 体験談|「ここを妥協してよかった」「ここは妥協しなきゃよかった」 「家賃を少し上げてでも駅近にしたことで、通院がすごく楽になった」(40代・脊髄損傷) 「段差のない物件を選んだつもりが、玄関に5cmの出っ張りがあって毎回ヒヤヒヤ」(30代・車いすユーザー) 「管理人さんが常駐しているマンションにして、本当に安心感が違った」(60代・片麻痺) まとめ:「ひとりで暮らす」ことは、自由と安心の両立 身体障がいがあっても、正しい情報と制度、少しの工夫があれば、自分らしく暮らせる場所は必ず見つかります。 物件選びは“暮らし方選び”でもある 不動産会社や行政としっかり連携をとるのがコツ 妥協すべきところ、しないところをあらかじめ整理しておく 「不安」からの一歩を、「安心」へ変える準備を、今から始めてみませんか? -
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障がいと自他境界|イライラ・嫉妬・気疲れしやすい人へ届けたい「心の距離感」の話
他人の態度や言葉に、いつも振り回されていませんか? あの人の言い方、なんであんなに刺さるんだろう ついSNSで幸せそうな人を見て落ち込んでしまう 頼まれると断れず、無理してあとで爆発してしまう 嫉妬してしまって、そんな自分が嫌になる いつも気を使って、人といるとぐったりする こんな感情、誰しも一度は経験があるのではないでしょうか?実はこれらの背景には、「自他境界(バウンダリー)」という心の線引きの難しさがあるのです。 この記事では、発達障がい・精神障がいなどの特性とも関わりが深い「境界線」の保ち方と、その具体的トレーニング法をわかりやすく紹介します。 自他境界とは?|「自分」と「他人」の心の線引き 「自他境界(バウンダリー)」とは、**自分と他人の間にある心の“見えない境界線”**のこと。これは「どこまでが自分の責任で、どこからが他人の責任か」というラインでもあります。 たとえば シーン 自他境界があいまいなときの反応 上司が不機嫌だった 「私、何かしたかな?」と自責モードに入る 友達が楽しそう 「なんで私だけうまくいかないの?」と比較して落ち込む お願いを断りたいけど… 「悪いかな」と我慢して引き受けてしまう これ、実はすべて「自他境界のゆらぎ」が原因かもしれません。 自他境界を整えると、どう変わる? 「人の機嫌=自分の責任」という思い込みが減る 嫉妬・自己否定に巻き込まれにくくなる 断ることができて、自分を守れる 落ち込んでも立ち直りやすくなる 「私は私、他人は他人」と安心して人と付き合えるようになる つまり、自他境界があることで「自分軸」で生きられるようになるのです。 ✅ 10の質問でわかる!自他境界チェックリスト 自分の“こころの境界線”がどうなっているか、まずは気軽にチェックしてみましょう! 次の10の質問に対して、「はい」が何個あったか数えてください。 質問 はい いいえ 1. 相手の機嫌が悪いと、「自分が悪かったのかな」と感じてしまう ☐ ☐ 2. 断りたいのに、相手の顔色を見て「いいよ」と言ってしまうことが多い ☐ ☐ 3. 相手の意見や価値観に流されて、自分の考えがわからなくなることがある ☐ ☐ 4. 「助けて」と言われると、自分の予定を犠牲にしてでも助けなきゃと思ってしまう ☐ ☐ 5. SNSや友人の成功を見て、強く嫉妬したり落ち込むことがある ☐ ☐ 6. 「こう思われたらどうしよう」と他人の評価が気になって動けなくなる ☐ ☐ 7. 誰かにイライラしたとき、それを自分の「弱さ」や「ダメさ」のせいにしてしまう ☐ ☐ 8. 自分の気持ちよりも「相手がどう感じるか」を優先してしまう ☐ ☐ 9. 人の問題を「なんとかしてあげなきゃ」と抱え込みすぎて疲れる ☐ ☐ 10. 人と一緒にいると、自分の感情がよくわからなくなる ☐ ☐ 🔍 結果 「はい」が0~2個 → あなたは自他の境界がしっかりしているタイプ。自分の気持ちと他人の感情を適切に分けて考えられています。 「はい」が3~5個 → やや境界があいまいになっているかも。他人の感情に影響されやすかったり、自分を後回しにしがちです。 「はい」が6個以上 → 境界が薄くなっているサイン。自分の心を守るトレーニングや、「断る力」「気持ちの切り分け方」を少しずつ練習してみましょう。 今日からできる!自他境界を育てる5つの実践トレーニング ① 「これは誰の課題?」と思考を整理するワーク 目的:感情に飲まれず、冷静に状況を見つめる力を育てる やり方:困ったときに以下の質問を書き出してみましょう 今、私が感じているのは何の感情?(例:怒り、悲しみ、嫉妬) これは私の問題?相手の問題? 私は何をコントロールできる?何はできない? ノートに書くのがポイント。「見える化」することで感情の分離がしやすくなります。 ② NOと言う練習帳|やわらかく断る言い方を用意しておく 目的:断れないストレスを減らし、「自分もOK、相手もOK」の関係を築く 例文集(自分の中でストックを持とう) 「今は余裕がないから、また今度でお願いできる?」 「気持ちは嬉しいんだけど、ちょっと難しいかも」 「◯◯ならできるけど、それ以上はちょっと負担かな」 最初は怖いけれど、練習するほど言いやすくなっていきます。メールやLINEで伝えるのもOK! ③ 比較モードを止める「今ここ」トレーニング 目的:SNSや他人の生活と比べすぎないようにする習慣 やり方(朝の3分) 今日の「自分だけの良かったこと」を3つ書く例)・ちゃんと歯を磨けた ・朝ごはんが美味しかった ・イライラしても1回深呼吸できた 「小さな自分の達成」を毎日確認することで、他人への過剰な意識が減っていきます。 ④ 感情の責任を持ちすぎない練習 目的:「人が怒っている=自分のせい」と思いがちな癖をほぐす 思い出したいこと 相手が不機嫌でも、それはその人の感情 自分の感情も、相手が責任をとるものではない 感情は天気のようなもので、通り過ぎるもの 「人の感情は天気」とラベリングしてみると、自然と距離を取れるようになります。 ⑤ 人間関係の“距離感マップ”を描いてみる 目的:自分にとってちょうどいい距離を再確認する やり方 紙に円を描き、中心に自分を書きます 家族・友人・職場の人などを「近い」「中間」「遠い」の位置に置く 実際の関係と、心地よい距離が一致しているか確認 客観的に見ることで、「この人とはちょっと離れてもいいんだ」と気づけることも。 📘 さらに理解するためのおすすめ本 心の境界線 穏やかな自己主張で自分らしく生きるトレーニング 商品ページ 実用的なワーク付き。 読みやすく、ワーク形式で境界線のトレーニング方法を丁寧に解説。 初心者にも安心。少しずつ取り組めるワークで「ちょうどいい距離感」を身につけやすい。 わたしはわたし。あなたじゃない。10代にも響く境界線の引き方 商品ページ 特に思春期向けとして評価◎ 10代を対象に、セルフアイデンティティをもちながら周囲との距離を保つ方法をやさしく解説。 発達障がいのある若者や思春期支援にぴったりの、実用と共感のバランス。 まとめ:“線を引くこと”は、冷たさではなく「優しさ」 自他境界をしっかり持つことは、わがままでも、冷たいことでもありません。 それはむしろ── 自分を守りながら、相手にも無理なく接するための「優しさ」 他人の感情に飲み込まれず、自分らしく生きるための「安心感」 発達障がいやメンタル特性があっても、日々を穏やかに暮らすための「工夫」 「しんどいな」「人間関係がつらいな」と思ったときは、“自分と他人の境界線”を少し見直してみてください。 あなたの心に、すこしでもやさしい余白が生まれますように。
Movieみんなの障がい動画
みんなの障がい動画は、障がいに関する基礎知識などを、動画でわかりやすくお伝えしていきます。
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【大人の障がい】躁鬱とは?動画で詳しく解説!
躁鬱とは? 躁鬱とは「双極性障がい」とも呼ばれておりうつ病とはまったく違う病気です。うつ病のような症状も出ますが逆に「躁」という活発的で無敵な状態になることもあり日や月によって正反対の自分になってしまうので「双極性」といわれています。 なぜこのような症状が起こるのかは、いまだ解明されていません。一つの可能性としては、脳内にある様々な情報を受け取って反応する機能が生活習慣の乱れやストレスにより正しく機能しなくなることが考えられています。 また躁鬱になる人には「肥満型」「循環型性格」が多く見られます。BMIが30以上になると認知機能が低下し脳構造も変化することが確認されているためです。循環型性格とは「おとなしい」とよく言われるような性格のことです。 ストレスを上手く外に発散できずため込みやすい方が躁鬱になりやすいといえます。人口の0.4~0.7%といわれており約1000人に4~7人とそれほど多くない障がいです。けれど、超ストレス社会と言われている現代この割合はふえていくかもしれません。 主な症状 その日や月、または年によって、とても活発的になる症状と、逆に動けなくなり自己反省的になるという真逆の症状が見られることが特徴です。活発的な「躁」の状態になると、つぎのようになります。 寝なくても元気で活動できる 初対面の人にも知人のように話しかける 電話やメールをたくさんしてしまう 人の話を聞けず、自分の話をたくさんする 頭がさえわたり、アイデアが多く出てくるが、最後までやり遂げられない 何でもできそうな気がする 買い物やギャンブルに莫大な金額をつぎ込む 性的に奔放になる 意欲や活動が低下する「鬱」の状態になると、つぎのようになります。 疲れやすく何もやる気が起きない 好きなことにも興味がなくなる 眠れない、または逆にどれだけ寝ても眠気がとれない 自分に価値がないと思う 鬱の状態になると、躁の状態のときに自分がやってしまったことも思い出して後悔に苦しめられます。躁のときはまわりを傷つけたり振り回したりしてしまいますが鬱のときは自分を傷つけてしまうので、早期治療が大事です。 ただ活発的な「躁」のときは、自分が「双極性障がい」だと気づけないのでまわりが声をかけて気づかせることが必要になります。 治療方法について 躁鬱とうつ病はまったく治療方法が異なるのでうつ状態が「躁鬱」の「うつ」によるものなのか、「うつ病」の「うつ」によるものなのか、見極めが重要になります。 躁鬱の治療には、症状に合わせて心理的な療法と薬物治療の2つが並行しておこなわれます。うつ病のような症状がひどく、あまりに自己反省的になる場合は「認知行動療法」をおこない、物事の受け取り方を正していきます。 また病気を受け入れ、コントロールできるように「眠りと気分の記録表」などをつかって、自分の精神の状態を正しく理解する「心理教育」をおこなうこともあります。 薬物治療では、症状を抑えるために気分安定薬と抗精神病薬を使用します。双極性障がいはとても再発しやすい病気なので多くの方は規則正しい生活を送るように心がけながら長期にわたって薬と付き合い続ける必要があります。 -
【大人の障がい】境界性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
境界性パーソナリティ障がいとは? 境界性パーソナリティ障がいは、「強いイライラ感」という神経症のような症状と、「現実が冷静に認識できない」という統合失調症のような症状があります。「神経症」と「統合失調症」の境界にある症状が現れることから、「境界性」と名前がついています。 境界性パーソナリティ障がいの患者は、一人でいることがむずかしく、人の気を引くために、自殺のそぶりをしたり性的に誘惑したりするなど、自己破壊的な行動が見られます。原因は明らかになっていませんが、遺伝的な要因と環境的な要因が考えられています。境界性パーソナリティ障がいの方は、もともと傷つきやすく繊細な気質なことが多く、さらに悪い環境が重なると、発症率がとても高くなります。 境界性パーソナリティ障がいは人口の約2%と少なくはない障がいで、若い女性に多いとされています。 主な症状 気分が急に変わること、感情のブレーキが効かないといった神経症的な症状と、自分が何者かわからないような空虚な気持ちをもつ統合失調的な症状が主にあります。この症状があると、つぎのようなことが起こります。 癇癪を起こす 自殺のそぶりや自傷行為をくりかえす 薬物やアルコールなどに依存しやすくなる 見捨てられることに強い不安を感じ、見捨てられないように必死に努力する 幸せを感じにくい 急に強い怒りを感じたり不安になったりする 強いストレスがかかると一時的に記憶がなくなることがある 治療方法について 治療方法は主に2つです。一つは、カウンセリングなどの精神療法と、症状を抑えるための薬物治療になります。精神療法は「認知行動療法」が主に使われます。まず行動面では、基本的な生活習慣を整えることから始めます。 認知面ではストレスや不安を感じた出来事をカウンセラーと話し合って、物事の受け取り方を変え、ストレスや不安への反応をへらしていきます。 あまりに症状が強い場合、症状を抑えるために薬物治療をおこないます。不安やストレス、睡眠障がいなど症状に合わせて、抗不安薬や気分安定薬が使われます。また最近では、オメガ3脂肪酸を含む栄養補助食品を服用することで、気分安定効果が得られ、症状が抑えられたことが確認されています。 -
【大人の障がい】回避性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
回避性パーソナリティ障がいとは? 回避性パーソナリティ障がいとは、人や社会との関わりに不安を感じ、すべて避けようとする障がいです。米国の調査によるとこの障がいを診断されている人は全体の2,4%とされており、男女による違いはありません。回避性パーソナリティ障がいは社交不安障がいやHSPとも似ていますが、大きな違いがあります。 まず、最も症状が強く、仕事や社会生活すべてに影響が出ているのが、「回避性パーソナリティ障がい」です。とくに、「すべてに不安を感じる」という大きな特徴があります。 社交不安障がいやHSPには、不安を感じる特定の人物や場面があります。 たとえば、「会議が不安だから避けたい」「今している仕事の、○○の部分が不安に感じる」「あの人から何か嫌な印象を受けるから避けたい」などです。 回避性パーソナリティ障がいは、「人生」「すべて」「今日あること全部」「会社にいる人全員」など、特定の場面や人物がありません。「自分以外はすべて敵」のように感じ、引きこもりがちになったり、その他の心の病にかかったりして、社会で生きづらくなります。 主な症状 障がいを診断する基準であるDMSー5には、つぎのような症状のうち4つ以上に当てはまると、回避性パーソナリティ障がいの疑いがあると診断されます。 批判や避難されたり、人から拒絶されることを怖がって、仕事に必要なことでも避ける。 相手に好かれていると確信できないと、仲良くできない。 恥をかかされたり笑われたりすることが苦痛で、家族や友達にもどこか遠慮する 人との関わりのなかで、一番に「相手に批判や拒絶されること」を考えてしまう 「何をしても無理だろう」と思い、人と関係をつくりたがらない 社会不適合だと感じたり、人よりも劣っていると思う。 失敗して恥をかくかもしれないと思って、新しいことをするのを異常なほどに避ける。 とくに、人との接触を回避しようとする「回避行動」がよく見られることが特徴的です。 治療方法について 自己愛性パーソナリティ障がいの治療は、人との関わりに対する不安や恐怖をへらし、自尊心を高めることが大切です。治療法には、「個人療法」と「集団療法」が用いられます。 個人の精神療法では、「精神分析的心理療法」が役立つことが多いです。精神分析的新療法は、カウンセラーと一対一でおこないます。 患者はカウンセラーにまず、なんとなく心に浮かんだことを何でも話します。今感じている悩みだけではなく、無意識に自分が何を感じているかを分析するためです。この一対一の療法を長期間ゆっくり繰り返して、自分の無意識の部分を知ったり、問題の解決策を見つけたりします。ただ、効果を感じられるのに、人によっては数年単位になることもあります。 つぎに、「集団療法」では、同じ障がいをもった人たちで話し合い、自身の障がいに気づくことから始まります。障がいによって起こっている悩みや問題を共有し、他人への共感力を身につけることも目的の一つです。 また、回避性パーソナリティ障がいで気分障がいやうつ傾向が見られるときは、症状を抑えるための薬物療法もあわせて、治療をおこないます。 -
【大人の障がい】自己愛性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
自己愛性パーソナリティ障がいとは? 自己愛性パーソナリティ障がいとは、「自分は誰よりも重要な存在である」と信じすぎて、 人間関係が上手くいかなかったり、生きづらく感じたりする状態のことです。この障がいと診断される人のうち、50~75%が男性だとされています。 他人に共感することができず、何よりも自分が特別で大切であると思っていることが大きな特徴です。自己中心的な行動をして、社会で上手く生きることができず、心の病にかかってしまう方もいます。 自己愛性パーソナリティ障がいの原因は、「生まれつきの気質」と「幼少期の環境」が考えられます。生まれつき自己愛が強く、共感性が低い気質であるお子さんはよくいますが、このような気質は大人になるにつれて落ち着く傾向があります。 けれど、子どものとき、何をしても怒られない環境や、逆に親が厳しく不自由すぎる環境、虐待を受けていたなど問題があった場合、自己愛性パーソナリティ障がいの発症率が高くなります。 主な症状 自己愛性パーソナリティ障がいは、「無感情型」と「過敏型」の2種類があります。無感情型は、周りの意見など全く気にせず、何を言われても、「自分は誰よりも特別だ」と考えて行動します。たとえば、仕事の営業成績で悪い結果が出たとしても、一番をとったかのようにふるまいます。さらに、自分以外の人を二番以下だと思い、見下す傾向があります。 そのため、周りからは「自己中」「威張っている」「虚言壁」と言われてしまうこともあります。過敏型は、周りの意見を気にしすぎて、行動することができません。けれど、過敏型も同じく、心の奥底では「自分は誰よりも重要な存在だ」と思っており、理想の自分がいます。 その理想の自分と現実の自分との違いに苦しみ、自己嫌悪することが多いです。また自分の意見を反対されることや、傷つくことを極端に避けようとします。「感情を表に出さない」「恥ずかしがり屋」「他人の反応に敏感」といった特徴が見られます。 治療方法について 自己愛性パーソナリティ障がいの治療法は、「個人精神療法」と「集団療法」があります。個人の精神療法では、「精神分析的心理療法」を使うことが多いです。 精神分析的新療法は、カウンセラーと一対一でおこないます。患者はカウンセラーにまず、なんとなく心に浮かんだことを何でも話します。今感じている悩みだけではなく、無意識に自分が何を感じているかを分析するためです。この一対一の療法を長期間ゆっくり繰り返して、自分の無意識の部分を知ったり、問題の解決策を見つけたりします。 つぎに、「集団療法」では、同じ障がいをもった人たちで話し合い、自身の障がいに気づくことから始まります。障がいによって起こっている悩みや問題を共有し、他人への共感力を身につけることも目的の一つです。 また、自己愛性パーソナリティ障がいで気分障がいやうつ傾向が見られるときは、症状を抑えるための薬物療法もあわせて、治療をおこないます。 その他特筆事項 自己愛性パーソナリティ障がいの治療には、ご自身が、「もしかしたら自己愛性パーソナリティ障がいかもしれない」と気づいていること、治したいと思っていること、「どのような自分でも受け入れる覚悟」が大事です。 -
【大人の障がい】演技性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、演技性パーソナリティ障がいについて詳しく紹介します。 演技性パーソナリティ障がいとは? 演技性パーソナリティ障害は、劇の役を演じているように感情や考え方を過剰に強く示したり、外見をつかって自分に注目を集めようとしたりするなどの特徴が見られる障害です。有病率は全体の2%以下となっており、発症のしやすさに男女の違いはありません。 演技性パーソナリティ障害の原因は明らかになっていませんが、「子どもの頃に家族から十分な愛情を得られなかった」「演技性パーソナリティ障害の家族がいる環境で育った」 など、養育環境が原因のひとつではないかと考えられています。 演技性パーソナリティ障害は、注目を集めるために、自殺未遂や脅迫をおこなうことがあり、危険が多い障害です。身体症状やそのほか精神疾患を合併している確率も高く、早期治療が必要です。 主な症状 演技性パーソナリティ障害は人の注目を集めるための行動が特徴的です。「ふしだらな格好をして人を誘惑・挑発する」「いつも特徴的な恰好をする」「自分に注目が集まっていないと不機嫌になる」「中身がないような話を重要なことのように話す」「作り話をする・出来事を誇張して伝える」「自分から騒動を起こそうとする」などの症状が多く見られます。 自己愛とは違っており、演技性パーソナリティ障害の患者は注目のされ方にこだわりがありません。自己愛が強い方は、人から賞賛されたい、人に好かれたいという欲求があります。 演技性パーソナリティ障害の患者は、批判されても嫌われていても、注目されていればいい、と考えて行動します。 また、人との関係が実際よりも親密だと思っていることが、ひとつの特徴です。具体的には、「知り合って間もない人を、かけがえのない親友と呼ぶ」「知り合い程度の関係でもハグをする」「何度か話しただけで、相手の職業や立場に関わらず下の名前で呼ぶ」このように、すぐに人と親密になろうとしますが、新しい人間関係に飛びつく傾向があり、親友と呼んだ人とでも人間関係が長続きしません。 治療方法について 演技性パーソナリティ障害は、自分の本当の感情に気づくことがないため、まず精神療法をつかって、自分の内面を正しく把握させる治療が中心になります。医師と患者のあいだで何度もカウンセリングをおこない、自分の本当の感情と劇的な行動が合っていないことに気づかせたり、劇的な行動をとらなくてもコミュニケーションをとれるように学習したりして、演技性パーソナリティ障害の症状を消失させます。この精神療法はじっくりと時間をかけておこなうため、治療が年単位になることがよくあります。 -
【大人の障がい】スマホ依存症とは?動画で詳しく解説!
『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、スマホ依存症について詳しく紹介します。 スマホ依存症とは? スマホ依存症とは、心身に異常が起きているにも関わらず、スマホを手放せず、スマホに精神的に依存している状態のことをいいます。 「スマホが近くにないと不安を感じる」「着信や通知が気になって何度も画面を確認する」「人との関わりよりもスマホを優先する」「スマホに夢中になって睡眠がとれていない」以上に当てはまる方は、スマホ依存症の可能性が高いです。 スマホは依存しやすい性質を多くもっています。「知りたい情報をすぐに知ることができる」「着信や通知など反応がある」「飽きない」「どこでも気軽に持ち運びができる」という4つの要素が深く関係しています。 また、スマホ依存症は他の依存症とちがって、ずっとスマホをさわっていても罪に問われません。通勤中も食事中もスマホをさわっている人が多く見られるため、危機感なく、自覚もなく依存してしまいます。 主な症状 スマホ依存症の主な症状は、「脳疲労による機能の低下」と「体の発達や体調への悪影響」の2つです。スマホは深く考えることなく、大量に情報をインプットできるので、長時間スマホにふれると脳が疲れます。 脳が疲れると脳の情報処理機能全体が低下します。情報処理機能が低下すると、簡単に得られる快楽に流されやすくなるので、ますますスマホを見てしまい、脳疲労が激しくなるという悪循環が起きます。 脳疲労が激しくなり、前頭前野の働きが悪くなると、「うっかりミスが増える」「判断力・思考力・集中力が低下する」「感情をコントロールしづらくなる」などが症状として現れます。 「体の発達や体調への悪影響」としては、スマホを見ながら同じ姿勢を維持し続けることで、「肩こり」「腰痛」「猫背・巻き肩・ストレートネックなど姿勢の崩れ」が起きたり、 スマホの画面を見つめることで「ドライアイ」「眼精疲労」「スマホ老眼」など目の疾患にかかりやすくなったりします。 さらにブルーライトという強い光を浴びつづけることで、体内時計が狂い、睡眠が適切にとれない「睡眠障害」や、体調不良が続いて「うつ病」になる危険もあります。 治療方法について スマホ依存症は、「発達障害」や、そのほかの精神疾患が関わっていることもあります。そのため、スマホ依存症で病院を受診するときは、まず発達障害や精神疾患がないかを検査します。 発達障害や精神疾患が原因となっている場合は、原因の改善に向けて心理療法や薬物療法をおこないます。スマホ依存症への治療は、「認知行動療法」という心理療法を用いてスマホへの意識の改善、医師の指導による生活習慣の改善の2つを主におこないます。 スマホ依存症が重症の場合は、入院治療をおこなうことがあります。スマホから離れた環境で過ごし、規則正しい生活習慣を身につけたり、現実での人とのコミュニケーションを練習したりします。 その他特筆事項 スマホ依存症を治すには、スマホ依存を自覚し、治したいという強い意思をもつことが大切です。スマホに依存しているかどうかを確認するには、iphoneユーザーは「スクリーンタイム」 androidユーザーは「Digital Wellbeing(デジタル ウェルビーイング)」を設定から開いてみましょう。スマホの日・週・月ごとの使用時間や、アプリの使用時間を知ることができます。予想以上にスマホを使用していることに気づくかもしれません。 スマホ依存に気づいたら、「スマホ依存対策アプリの活用」「通知をオフにする」「少しずつスマホを使わない時間をふやす」「スマホ以外のストレス発散法を見つける」などで対策しましょう。 -
【大人の障がい】パニック障がいとは?動画で詳しく解説!
『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、パニック障害について詳しく紹介します。 パニック障がいとは? パニック障害とは、理由もなく急に動悸やめまい、吐き気や手足の震えなどのパニック発作が起こり、日常生活に支障をきたす障害のことです。日本人の100人に1人が経験しており、男性より女性の方が発症しやすいことがわかっています。 パニック障害の原因は、「遺伝的要因」と「環境的要因」の二つが大きく関係しています。 強いストレスや不安、激しい疲れ、睡眠不足など不規則な生活習慣、遺伝的要因、性格などが原因となって、脳内の伝達物質の働きに異常が起こり、パニック障害が起こると考えられています。 パニック障害になりやすいといわれている人の特徴は、「ストレスをためこみやすい」「内気で人見知りが激しい」「まじめで完璧主義」「神経質でこだわりが強い」など、 もともと不安やストレスを感じやすい性質をもつ人です。 パニック発作は、就寝前などリラックスしているときや、寝ているときにも起こることがあり、パニック障害の患者は「いつ発作が起きるのか」という恐怖にも苦しみます。その恐怖や不安から、他の精神疾患を引き起こしたり、外出できなくなったりなど、社会生活に大きく影響します。 主な症状 パニック障害の主な症状は、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」の3つです。「パニック発作」は、極度の恐怖や不安を感じると起こる体の反応のことであり、だれでも特定の場面でパニック発作を経験します。しかし、パニック障害のパニック発作は、恐怖や不安を感じない場面でも体が反応します。 「動悸や息切れ」「めまい」「異常な発汗」「手足の震え」「自分は死ぬのではないかという不安」「逃げなくてはいけないと感じる本能的恐怖」などが症状として現れます。 パニック発作の症状は頻度によって「中等度」と「重度」に分かれて診断されます。「中等度」は少なくとも月に4回以上のパニック発作がある状態、「重度」は週に4回以上パニック発作がある状態です。 「予期不安」とは、このような体の反応が「また起こるのではないか」「いつ起こるのだろうか」「次はもっと苦しいかもしれない」「今度こそ死んでしまうかもしれない」と、 発作が起きていないときにも強い不安を感じるという症状です。この症状が原因で仕事をやめたり、引きこもりになったりするなど、環境に変化が現れることも症状のひとつです。 「広場恐怖」は、発作が起きた状況や場所、発作が起きても逃げ出せないような状況を極度に避けるという症状です。「同じ場所でまた発作が起きるのではないか」「この場所で発作が起きたら逃げられない」「この場所で発作が起きると誰にも助けてもらえない」 広場という言葉が使われていますが、広場だけではなく、一人の外出、自家用車やバスの乗車などにも過度な恐怖を感じるので、外出恐怖や空間恐怖とも呼ばれます。パニック障害の患者の全体の4分の3が「広場恐怖」を経験するとされており、広場恐怖の症状があると外出をおそれ、引きこもりがちになります。 治療方法について パニック障害の治療は、精神科や心療内科で「薬物療法」と「心理療法」がよく併用されます。 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、抗不安薬、抗うつ薬を使って、パニック発作を抑えることができます。 これらの薬の服用と一緒に心理療法をおこなうことが重要と考えられています。 心理療法では「認知行動療法」や「曝露療法」の効果が認められています。 薬を服用しながら、恐怖や不安を感じる場面をあえて経験し、発作が起こらないことを学習して、不安や恐怖がなくなることを目指します。 その他特筆事項 パニック障害は慢性化しやすく、再発しやすい障害のため、自分で予防することも大切です。「休養をとる」「生活習慣を整える」「適度の運動」「アルコールやカフェインを摂りすぎない」アルコールやカフェインは脳を刺激し、不安感を強めます。 ストレスや不安をためこんだり、不規則な生活を送ったりしていると、自律神経が乱れ、発作が起きやすくなります。心や体の調子を整えて、パニック障害を予防しましょう。 -
【大人の障がい】離人症とは?動画で詳しく解説!
『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、離人症について詳しく紹介します。 離人症とは 離人症とは、解離性障害の一種であり、自分の意識や体が自分の物ではないように感じたり、物事がすべて現実ではないように感じたりする状態のことです。 離人症は人口の約2%に発生するといわれており、男女の割合は関係なく、10代から20代の発症が最も多いです。強いストレスや不安、激しい疲労、うつ病など精神疾患、違法薬物の使用などから引き起こされます。 脳科学の観点では、脳内のドーパミン物質の分泌が少ないと、離人症の症状につながりやすくなることがわかっています。離人症の症状は数時間で治まるものから、数日、数か月、重い場合は数十年にもわたって悩まされる方もいます。 主な症状 離人症の主な症状は「外界の見え方の変化」「感情の喪失」「自分の体への意識の変化」の3つです。 「外界の見え方の変化」の症状の現れ方は人それぞれであり、物や人が色あせて見える、物や人がぼやけて見える、ベールのように薄い膜ごしに物や人を見ているように感じる、夢を見ているように感じる、などです。 「感情の変化」は、感情が無くなったように思い、何かをしたりされたりしても、その意味をとらえることができなくなるという症状です。「自分の体への意識の変化」は、自分の体が自分の物ではなく、ロボットのように感じる、身体がまひしているように思う、自分の体の大きさや形がちがって感じる、自分のことを遠くから観察しているように感じる、などの症状があります。 これらの症状がありながらも、離人症の患者は「自分はおかしい状態だ」と気づくことができます。意識の混濁などはなく、妄想と現実の区別がしっかりついていることが、離人症の大きな特徴です。 治療方法について 離人症の根本的な治療法は確立されていません。そのため、精神科や心療内科では、「原因の除去」「心理療法」「薬物治療」などをおこない、離人症の症状を緩和することを目的とします。 強いストレスが原因の場合、ストレスを感じているものや環境から離れる、または問題の解決法を見つけることで、離人症の症状の改善を目指します。また、うつ病などその他の精神疾患から起こっているときは、うつ病など精神疾患の治療をおこないます。 心理療法には、認知行動療法や曝露療法などが用いられます。認知行動療法とは、物事のとらえ方を変えて、ストレスへの耐性を高める療法です。曝露療法とは、不安を感じる場面をあえて体験し、不安感に慣れていく療法です。 まずはカウンセラーと一緒に、不安を感じる場面を小さなことから体験し、少しずつ不安感をへらしていきます。しかし、離人症が心理療法で改善されることはむずかしく、多くは薬物治療が有効になります。薬物治療は、抗不安薬や抗うつ薬が主に使われます。"
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