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Newsみんなの障がいニュース
みんなの障がいニュースは、最新の障がいに関する話題や時事ニュースを、コラム形式でわかりやすくお届けします。
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知的障がいでも楽しめる!クリスマスのパーティゲーム
クリスマスパーティーは、ケーキやプレゼントだけではなく、みんなで笑い、動き、つながるゲームでさらに記憶に残る時間になります。 知的障がいを持つ人にとっても、「難しすぎない」「ルールが分かりやすい」「参加しやすい」ゲームは、安心・楽しい時間をつくる鍵です。 本記事では、知的障がいをもつ方とその家族・支援者・友人が一緒に楽しめる、クリスマスパーティー用ゲームを紹介します。ルールの工夫、準備のポイント、動画やリンクも交えて、おうち・施設・地域どこでも使えるアイデアをお届けします。 ゲームを選ぶときのポイント 分かりやすさと参加しやすさ 知的障がいをもつ人がゲームに参加しやすくするためには、ルールが簡潔で、動作が直感的であることが重要です。たとえば「どれだけ遠くへ投げる」ではなく「何色のボールを箱に入れる」など明確な目標があると安心です。 安全性と体力配慮 動きすぎたり、複雑な動きを必要とするゲームでは、疲れやすさ・転倒リスクが増えます。椅子に座ってできるゲームや、声だけで参加できるゲームも検討しましょう。 ゲーム後の振り返り/共有タイム ゲームが終わったあとは、「どのくらい嬉しかったか」「どうして楽しかったか」を言葉で共有する時間を持つと、参加した実感を味わえます。支援者がその場を促す役を担うとさらに効果的です。 クリスマスパーティゲームアイデア4選 ゲーム1:サンタさんをさがせ! 演出:サンタ帽や赤いマフラー、サンタクロースの人形などを隠して「サンタさんを探してね」と呼びかける。隠れたものを見つけたらベルを鳴らすなど。応用:チーム戦にし、「何個探せるか競う」。レベルに応じて隠す範囲や個数を変える。 ゲーム2:クリスマスの音楽にあわせて椅子取りゲーム 演出:クリスマスソングが流れている間に椅子のまわりを歩き、音楽が止まったときに椅子に座る。回数が増えるごとに椅子を減らしていく。配慮:歩幅を小さめに、座る椅子は背もたれ・肘掛け付きにすると安心。動画参考 https://www.youtube.com/watch?v=hdZpWfeUB7g ゲーム3:プレゼントボックスリレー 演出:紙箱などにラッピングをして、軽い「プレゼント箱」を手にしてリレー。箱を落とさず次へ渡す。応用:箱の中に「次のチームは〇秒早く」などの指令カードを入れておくと笑いが出る。配慮・工夫:箱は軽量・柔らかい素材。立つのが難しい人は座って参加。参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=XfyoIrbI9Eo ゲーム4:クリスマスクイズ 演出:サンタやトナカイの豆知識・クリスマスの歌・世界のクリスマス習慣などをクイズ形式で出題。応用:難易度を調整して「絵で選ぶ」「音で聴く」など多様な形式に。リンク参考:【クリスマスクイズ 全30問】簡単・子供向け!おもしろ雑学三択問題を紹介 準備と運営のポイント 準備:環境の配慮と道具の工夫 部屋の照明を少し落としてツリーライトを目立たせたり、音量を控えめにしたりすることで“楽しめる空間”を作れます。参加者の特性(感覚過敏・疲れやすさ)を事前に把握し、配慮シートを用意するとスムーズです。 運営:役割分担とサポート体制 ゲームを始める前に司会・ルール説明・補助スタッフを配置すると安心です。座席配置や移動ルートも整理しておくと安全性が高まります。 振り返り&フォロー:楽しかった思い出を共有 ゲーム後に「どれが一番楽しかった?」など感想を言える時間を入れましょう。写真や動画を撮って後日参加者にシェアするのも良い方法です。 よくある質問 Q:どれくらいの時間がベスト? クリスマスパーティーゲームは、疲れやすい参加者もいるため、1ゲーム5〜10分、全体で30〜40分程度が目安です。 Q:人数が少なくても楽しめる? はい。3〜4人でもチーム分け(2人対2人)や交替制を使えば十分楽しめます。 Q:オンラインでもできる? ZoomやLINEなどを使えば、クリスマスクイズなどはオンライン対応版が可能です。カメラを使って景色を共有してもOK。 まとめ クリスマスは「全員で楽しむ時間」です。障がいがあっても、環境・ルール・道具を少し工夫すれば、誰もが笑顔になれるパーティーをつくれます。 ゲームの目的は勝ち負けではなく「一緒に楽しめたこと」「参加できたこと」が大切。その価値を共有できれば、クリスマスはよりあたたかく、意味のある時間になります。 このガイドを、あなたのパーティー準備の手助けにしてみてください。 -
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障がいがあっても楽しめる!“やさしいクリスマス”の過ごし方ガイド
クリスマスは、本来「楽しむ日」なのに人混み・音・慣れない予定の増加によってしんどさが出やすい時期でもあります。特に身体障がい・精神障がい・発達障がいがある人にとっては、外出の負担や感覚刺激、スケジュール増加が大きなストレスになることがあります。 そこでこの記事では、「誰でも楽しめる」「無理しないで参加できる」クリスマスの過ごし方を、特性別にわかりやすく紹介します。あなたや家族に合う“やさしいクリスマス”のヒントがきっと見つかるはずです。 クリスマスを“やさしく”するための基本アイデア 静かな場所で楽しむ工夫 騒音が苦手な人向けのクリスマス空間づくり 人混みや大音量が苦手な人は、まず“音量コントロール”を意識するだけで、驚くほど過ごしやすくなります。 イルミネーションイベントに行くなら、混雑が少ない平日の早い時間帯が理想的です。また、家でクリスマスを楽しむなら、照明をこだわるだけでも雰囲気は十分に作れます。 イルミネーションは“下見”と“混雑回避”がコツ バリアフリー情報が充実している大規模スポットを選ぶと安心です。日本各地のイルミネーション情報は「ウォーカープラス」などで確認できます。https://illumi.walkerplus.com/ 他の記事では首都圏のオススメスポットも紹介しています。 https://www.minnanosyougai.com/article1/kurumaisukurisumasu/ 無理しない参加方法を選ぶ 「短時間だけ参加」も立派な選択 クリスマスイベントは、最初から最後まで参加しなくてはいけないわけではありません。“行ってみて無理だったら途中で帰る”というスタンスで十分です。特に精神障がい(不安、パニック症状など)がある人は、選択肢を多く持つことが心の余裕につながります。 在宅で参加できる“オンラインクリスマス”の広がり コロナ禍以降、家から参加できるオンラインイベントが急増しました。手話つきオンラインミサ、オンライン合唱、クリスマスの朗読会など、障がいに関係なく参加できる形が広がっています。 例えば、教会・福祉団体・自治体が配信するオンラインイベントは年々増加していますので、「教会 クリスマス 配信」などで検索してみるのもオススメです。 予定の詰めすぎを避ける クリスマスシーズンは気づくと予定でいっぱいになりがちです。そのため、あえて予定数を「半分にする」「1日1予定までにする」など、余白を作るだけで負担が減ります。 特性別・やさしいクリスマスの楽しみ方 身体障がいの人の過ごし方 バリアフリーな外出スポットを選ぶ 車いすユーザーや片麻痺の人にとって、段差・舗装・トイレ・駐車場などの環境は大切です。大規模イルミネーションは、ほとんどの会場でバリアフリー導線が整ってきています。 バリアフリー情報を調べるには、以下のサイトが便利です。WheeLog!:https://wheelog.com/ (車いすでも行ける場所を共有するアプリ) 片手で楽しめるクリスマス料理・工作 身体の使い方に制限がある場合でも、片手調理グッズを利用すればクリスマス料理は簡単に準備できます。・片手で使えるまな板・シリコンカップケーキ・市販品+ひと工夫でクリスマス仕様など、無理なくイベント感を楽しめます。 外出が難しいなら“家クリスマス”が王道 家で楽しむクリスマスは、実は一番自由度が高い方法です。照明・香り・好きな映画(音声ガイド付き作品なら視覚障がい者も安心)を活用し、負担の少ない環境でゆっくり過ごせます。 精神障がい(不安・うつ・パニックなど)の人 “人混みゼロ”のクリスマスを選ぶ クリスマス=外出ではありません。家の中での静かな過ごし方は、むしろ精神的な安定に合っています。 ・静かな音楽・温かい飲み物・自分のペースで開けるプレゼントなど「刺激の少ない楽しみ方」に焦点を置くことで負担が減ります。 “孤独感”が出やすい時期こそオンライン交流 精神的な辛さが強い人にとって、クリスマスは孤独感を感じやすい時期です。SNSやオンラインコミュニティでは、クリスマス会・おしゃべり会などを無料で開く団体も増えています。 ・NPOのピアサポート・コミュニティの雑談会・YouTubeライブの参加 “距離感のある交流”ができるオンライン空間は、精神的にも優しい場所です。 プレゼントの準備も完璧じゃなくていい クリスマスの“やらなきゃ”を減らすために「今年はプレゼントなし」「メッセージカードだけ」「後日落ち着いて買う」などの選択肢を持つと気が楽になります。 発達障がい(ADHD・ASDなど)の人 感覚刺激を抑えたクリスマス環境づくり 発達障がいの中でもASD傾向のある人は、光や音の刺激が大きいと疲れやすくなります。そのため、照明を控えめにしたり、静かなクリスマスミュージックをかけたりすると安心しやすいです。 参考動画 https://www.youtube.com/watch?v=amBrquOaXQ4 ADHDの“うっかり”を減らすクリスマスの工夫 ADHDの人は・プレゼントの買い忘れ・予定のダブルブッキング・準備の先延ばしが起こりやすい傾向があります。 そのため、・買い物は「前日まとめ・リマインダーセット」・予定は「紙カレンダー+スマホ」・装飾は「最低限の1セットを毎年使う」など、負担の少ない仕組みづくりが大切です。 ルーティンが崩れがちな時期こそ柔軟に 発達障がいの人は、日常のリズムが乱れると不安が強まります。クリスマス時期だけ「特別なスケジュール」を目に見える形で作っておくと、安心できます。 家族・友人との過ごし方の工夫 “できることベース”で役割を決める 障がいがある人に「無理な役割」を与えると負担になります。「できること」をベースに役割分担をすると、助け合いながら楽しめます。 例・片手が使いづらいなら飾り付けは家族が担当・精神的に不安定なら準備は最小限に・感覚過敏があるなら環境調整を家族がサポート 静かで優しい時間を一緒に作る クリスマス=派手なイベント、という固定概念は捨てましょう。一緒に温かい飲み物を飲むだけでも立派なクリスマスです。 “支える・支えられる”の両方が自然でいい 障がいがある人でも大切な人たちを喜ばせることはできます。歌、メッセージ、動画編集、料理の盛り付け…小さなことが“贈り物”になります。 まとめ:クリスマスは“無理しない幸せ”で十分 障がいがあっても、クリスマスの楽しみ方は無限にあります。大切なのは「できる方法で楽しむ」「無理をしない」「心地よさを大事にする」この3つだけです。 クリスマスは“特別な日だから頑張る日”ではなく、“自分を大切にする日”でもあります。今年はぜひ、あなたにとって一番優しいクリスマスを選んでください。 -
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車いすでも行ける!バリアフリーなクリスマスイベント・イルミネーション特集|主要都市別アクセスガイド
クリスマスの街は心が躍るものですが、車いすユーザーにとっては「段差は?」「人混みは?」「トイレは?」と、楽しむ前に不安が先に立つこともあります。 しかしここ数年、日本のイルミネーションやクリスマスイベントはバリアフリー化が進み、「ぜひ来てほしい」という姿勢がハッキリ見える場所が急増しています。 この記事では、✅ 車いすで行きやすいクリスマスイベント✅ 主要都市(東京・大阪・福岡)のバリアフリー状況✅ 実際のアクセス方法・混雑状況への配慮ポイントを中心に、安心してお出かけできる情報をまとめました。 今年は「行けるか不安」ではなく、「ここに行きたい!」が選べるクリスマスを楽しみませんか。 東京|設備もスタッフサポートも充実したイベントが多い都市 東京ミッドタウン(六本木):バリアフリー整備が行き届いた都会の光 車いすでも安心 東京ミッドタウンの「MIDTOWN CHRISTMAS」は毎年大人気。敷地全体が段差の少ない構造で、トイレ・エレベーターも豊富です。 ・外苑東通り側エントランスは完全フラット・ガーデンエリアの通路は舗装されており、車いすが進みやすい・スタッフ数が多く案内が丁寧 12月19日(金)~25日(木)混雑が予想されますが、12月18日(木)以前なら比較的スムーズに楽しめます。 公式案内:https://www.tokyo-midtown.com/jp/event/ アクセスのしやすさ ・都営大江戸線「六本木駅」8番出口直結(エレベーターあり)・日比谷線からも地下通路で移動可能 現地の雰囲気が伝わるYoutube動画はこちら https://youtu.be/Duwup9PPdYQ?si=H0qnMm1ILwn5zv90 東京スカイツリータウン ドリームクリスマス 車いすで動きやすい広い動線 東京スカイツリータウンは、商業施設・広場・展望台のどこも広い通路とエレベーターが豊富です。夜間も明るく、安全に移動できます。 ・ソラマチ1階〜4階すべてエレベーター接続・スカイツリー展望台のバリアフリー案内も充実・クリスマスマーケットは比較的回遊しやすい配置 公式案内:https://www.tokyo-skytree.jp/event/info/xmas2025 アクセス ・東武「とうきょうスカイツリー駅」すぐ・半蔵門線「押上駅」はエレベーターが複数あり移動しやすい 現地の雰囲気が伝わるYoutube動画はこちら https://youtu.be/emDEQxQEzDs?si=1zyz4VidRT45FKc- 大阪|「歩きやすさ・見やすさ」を考えたイルミネーションが多い 大阪・光の饗宴(御堂筋イルミネーション) 道幅が広くて車いすで動きやすい 御堂筋イルミネーションは歩道がとても広く、車いすでもゆったり通れます。数キロにわたる光の道を、好きな距離だけ楽しめるのが特徴です。 ・歩道は平坦で舗装が良い・休憩できる場所が多い・混雑が分散しやすく安心 公式サイト:https://hikari-kyoen.com/ アクセス 区間が長いため、どこからでも参加可能。最寄り駅の多くがエレベーターを設置しています。 現地の雰囲気が伝わるYoutube動画はこちら https://youtu.be/9ERF8VkqqNM?si=UeFmG1Kp_kM-EXl3 大阪城イルミナージュ:段差少なく広い園内が魅力 歴史的建造物のバリアフリー工夫 大阪城公園は段差が少なく、イルミネーション会場も車いすで回りやすい動線が整っています。 ・園内は舗装済み・臨時スタッフは誘導が丁寧・天守閣付近のスロープも幅が広い 公式情報:https://illuminage.jp/ ●アクセス ・JR大阪城公園駅にエレベーターあり・大阪メトロ「森ノ宮駅」もバリアフリー対応 現地の雰囲気が伝わるYoutube動画はこちら https://youtu.be/f45jiCL6cOQ?si=NkfoNwrICoGJPFLI 福岡|イベントの“距離が近い”から楽しみやすい街 アクロス福岡「こびとの森イルミネーション」 車いすで安心できる理由 アクロス福岡は福岡市の文化施設で、館内も外周もバリアフリーが行き届いています。 ・入り口から会場までフラットな動線・館内に複数の車いす対応トイレ・天神地下街から地上までエレベーターで接続 イルミネーションは大規模過ぎず、動きやすい規模のため、長距離移動が不安な方や、疲れやすい方にも優しい設計です。 公式サイト: アクセス ・地下鉄「天神駅」16番出口から徒歩すぐ・地下街と直接接続して雨の日も安心・周辺にカフェが多く休憩しやすい 現地の雰囲気が伝わるYoutube動画はこちら https://youtu.be/8wUQNfNRSJI?si=aODu48sbDDXpJ1RD 福岡クリスマスマーケット|ローカルで温かい雰囲気 ●車いすで回りやすいレイアウト 福岡クリスマスマーケットは会場が点在していますが、導線が広めで移動しやすいのが特徴です。 ・動線に余裕がある・平坦で坂や段差が少ない・屋根ありエリアもあって雨でも安心 公式:https://christmas-advent.jp/ 車いすでイルミネーションを楽しむためのポイント 人混みを避ける“時間帯選び” ・平日18時前・土日の開場直後この2つは比較的スムーズに見て回れます。 暖かい場所で休憩を挟みながら イルミネーションは冬のイベント。カフェや商業誌悦など、近隣の施設を事前チェックしておくと安心です。 現地スタッフに声をかける勇気 バリアフリーイベントはサポート体制が整っていることが多く、「混雑を避けたい」「近いルートで見たい」なども丁寧に案内してくれます。 まとめ:車いすでも“行ける場所”はこんなにある バリアフリー化が進んだ日本。車いすユーザーが「行きたい」と思った時に気軽に足を運べる場所が確実に増えています。 大事なのは、・無理のないペースで楽しむ・安心できる会場を選ぶ・サポートのある場所から挑戦する 今年はぜひ、光の中をあなたのペースで歩いてみてください。クリスマスがもっと近く、もっと優しいものになりますように。 -
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障がいがあってもスポーツを
「スポーツをやってみたい。でもハンディキャップがあるから…」そんな風に思っていませんか?実は、障がいのある人にこそ取り組みやすく、多様な楽しみ方ができるスポーツの世界があります。 義足や車いす、視覚サポート、ルールの調整がなされた「パラスポーツ」「障がい者スポーツ」と呼ばれるものです。 この記事では、まず障がい者スポーツとは何かを整理し、続いて代表的な競技をジャンル別にご紹介。さらに、参加を始めるためのステップや注意点も解説します。 スポーツが“遠い世界”ではなく「私にもできること」になるヒントが見えてくるはずです。 障がい者スポーツとは何か 定義と背景 障がい者スポーツ(アダプテッドスポーツ、パラスポーツなどとも呼ばれ)とは、障がいがあってもスポーツ活動に参加できるよう、競技規則・用具・環境を「調整・適応」したスポーツを指します。 たとえば陸上や水泳といったオリンピック種目をベースに、車いす使用・義足使用・視覚障がい用の支援などを加えたものが多く紹介されています。 なぜ“参加”が拡大しているのか 国際的な障がい者スポーツ大会(パラリンピックやデフリンピック、スペシャルオリンピックスなど)を契機に、障がいを持つ人のスポーツ参加が注目されてきました。 日本では文部科学省・スポーツ庁が「障害者スポーツの普及促進・競技力向上」を掲げています。 クラス分け・用具の工夫とは 障がいの種類や程度が異なる選手が公平に競えるよう、各競技には「クラス分け」の制度があります。 例えば用具を使った車いす競技や義足競技では、障がいの影響を最小限にしつつ“実力で競う”環境が整えられています。 ジャンル別代表種目を知ろう 車いす・義足・座位など身体障がい中心の競技 車いすバスケットボール:コートやゴールは一般と同じ。ただし車いすを用い、点数制限(持ち点制度)で障がいの度合いを調整。 ウィルチェアーラグビー:「車いすラグビー」とも呼ばれ、激しいコンタクトありのスポーツ。 車いすテニス・義足陸上・車いすマラソンなど:一般種目をベースに適応されている。たとえば陸上競技では義足・車いす・視覚障がい者用の種目あり。 ボール・的当て・協働性が高いスポーツ ボッチャ:重度四肢機能障がい者も参加しやすく、自分のボールを「ジャックボール(白色)に近づける」ことを競う戦略性の高いスポーツ。 ゴールボール:視覚障がい者用。音の出るボールを使い、チームでゴールを競う。 座位バレーボール・5人制サッカー(ブラインドサッカー)なども紹介されています。 水上・アウトドア・多様な環境でのスポーツ カヌー、サイクリング、馬術、射撃など:障がいの種類に応じ用具やコースが調整されています。 海・山などにも展開されており、アウトドア志向の方にも楽しみの幅が広がっています。 “やってみたい”を後押しする体験・観戦の切り口 競技に参加するだけでなく、まずは観戦や体験会に参加するのもおすすめです。 例えば、社会人320名アンケートでは「東京パラリンピックで観戦したい競技」の第1位に車いすバスケットボール、第2位にボッチャという結果が出ています。 スポーツを始めるためのステップとポイント ステップ① 興味ある競技を“体験”してみる まずは「気になる競技」を見つけ、地域の障害者スポーツセンターや体験会に参加してみましょう。 全国に障害者スポーツ専用施設・優先利用施設が数多くあります。 ステップ② 自分の体・障がいの特性を知る 競技を選ぶ際、自分の身体の使いやすさ、移動手段、用具の準備などを考えることが大切です。 たとえば車いす移動が多い場合は車いす競技、水や泳ぎが得意なら水泳競技など。 ステップ③ 継続・仲間づくり・目標設定 スポーツを続けるためには、「仲間と一緒に」「目標を持って」「楽しめる環境で」行うことが鍵です。 クラブ活動や地域チーム、支援団体を活用して、環境を整えましょう。 注意点:安全・ルール・用具の確認 障がい者スポーツにはルール・用具の適応があり、身体や感覚に配慮が必要です。 参加前には障がいの特性・健康状態・用具のフィットを確認すると安心です。 よくある質問と“やってみたい”人へのヒント Q:障がいが重くても参加できる競技はありますか? はい。例えばボッチャやゴールボールは比較的重度の障がいがあっても取り組みやすい競技です。 始める前に「用具レンタル」「補助者あり」の体験会を調べましょう。 Q:用具・費用はどれくらい必要? 競技によって異なりますが、初期はレンタルや体験会で“まずは参加”がおすすめです。 クラブで共有用具を使えるケースもあります。 Q:観戦だけでも楽しめますか? もちろんです! パラスポーツの“スゴ技動画”や紹介動画も沢山あり、興味を持つきっかけになります。 まとめ:スポーツを通じて見える“自分らしさ” 障がいがあってもスポーツは、“できること”を発見し、“仲間”とつながり、“挑戦する喜び”を得る場になり得ます。競技を選ぶことも、始めることも、誰かのためではなく“自分が楽しむ”ためのもの。 まずは「体験する」「続けてみる」「自分なりの形をつくる」の3ステップからスタートしてみましょう。 スポーツが、あなたの可能性をひらく鍵になるかもしれません。 🔗参考リンク・動画 障害者スポーツとは(大分県障がい者スポーツ協会) https://oita-syotaikyo.org/what-is-syospo/ パラスポーツ競技紹介 https://parasports-start.tokyo/sports/ 動画+解説で知る!車いすバスケットボール https://www.parasapo.tokyo/topics/109017 障害者スポーツ – スポーツ庁(文部科学省) https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop06/1371877.htm -
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世界と比べてどう?日本の身体障がい者支援を考える
日本では「バリアフリー」「障がい者雇用促進」といった言葉が当たり前になっていますが、世界の先進国やアジアの国々と比べたときに、どこが優れていて、どこに課題が残されているのでしょうか。 特に身体障がいを持つ人々の支援・社会参加という視点から、制度・就労・暮らし・権利保障など多角的に見ていきます。 日本の支援制度の概要と歴史的背景 日本における制度のスタートと変化 戦後まもなく、身体障がい者福祉法(旧法)が制定され、障がいを持つ人々への福祉支援の基盤が整備されました。 例えば、1960年代以降、障がい者自立生活運動なども生まれ、制度や支援のあり方に変化が見られています。 障害者雇用促進法と法定雇用率制度の構図 日本には、一定規模以上の企業に身体・知的・精神障がいを持つ人の雇用を義務付ける法定雇用率制度があります。 最近では2026年7月から民間企業の障がい者雇用率が 2.7% に引き上げられる予定です。 制度の枠組みと国際的な流れ 国連の 障害者権利条約(CRPD)を受けて、「障がい=個人の問題」から「障がい=社会のバリアによるもの」という社会モデルへの転換が世界的に進んでいます。 日本でもその動きが出ていますが、制度設計には医療・リハビリ重視の「医学モデル」の影響が根強いとの指摘があります。 世界との比較から見えた日本の強みと弱み 強み:従来制度の整備と社会的認知 日本には身体障がい者に対する福祉制度、障がい者手帳・等級制度、障がい者雇用義務などの制度が比較的早期に整っており、ある種の「制度基盤」が存在している点は強みといえます。 例えば、「Japan: People With Disabilities」では障がい者支援制度の概要が紹介されています。 弱み:就労・社会参加の実態と制度適用のギャップ 制度はあっても実際の社会参加や就労の実績では、他の先進国と比べて「対象範囲」「参加度」「選択肢の多様性」に課題があります。 例えば、日本の法定雇用率 2.3 %などは、フランス 6 %、ドイツ 5 %と比べると低く、支援対象も「より重度」の障がい者に偏っているという分析があります。 比較から浮かび上がる“アクセスと質”の差 障がいを持つ人が医療・福祉・地域生活サービスにアクセスする際、日本では「専門家が少ない」「相談窓口がばらばら」「地域格差がある」などの質的課題が報告されています。 例えば、身体障がい者と健常者の医療体験(patient experience)を比較した研究では、障がい者は「継続性」「地域対応」「サービスの包括性」の面で劣っていたことが示されています。 日本が抱える「身体障がい支援」の主要な課題 就労機会の限定と“形式的達成”の問題 法定雇用率があるにも関わらず、多くの企業がその達成に向けて「簡易作業」「別枠雇用」など限定的な雇用形態にとどまるという批判があります。 実際、2024年の報道でも「全企業のうち46%しか達成していない」とされ、数値上の達成だけでは実質的インクルージョンが進んでいないことが指摘されています。 障がいの幅・適用範囲の制限と対象格差 日本では支援の対象となる「障がい者」が法律上・制度上「一定の等級・レベル」を満たす必要があるケースが多く、他国と比べて“軽度障がい”や“支援が必要だが制度対象外”の層が見えにくくなっている点も課題とされています。 比較研究によれば、日本は「機能障がいがより深刻な人」に制度が寄っているという指摘があります。 地域間・サービス間の格差、生活支援の難しさ 地域によっては交通・建物・福祉サービスのバリアが未だ残っており、「障がいがあるから外出しづらい」「地域サービスが整っていない」といった声があります。 例えば「Top Most Disability-Friendly Countries Guide」では、日本は改善されつつあるが「アクセスに難あり」とも指摘されています。 今、世界が進めている支援の潮流と日本にとってのヒント アンチ差別・合理的配慮を中心に据える動き 欧米では、雇用義務制度(クオータ制)から「合理的配慮」「差別禁止」を柱とした制度へと移行が進んでいます。 日本も2021年改正障害者雇用促進法で“合理的配慮”が企業義務化されましたが、実践に至るまでにはまだ課題があります。 Lived-experience(当事者経験)を政策・実践に活かすモデル 海外では障がい当事者自身が政策立案・支援サービス設計に参加することで、より実効的な支援が生まれています。 日本においても「当事者参画」の重要性が強調されており、支援の質を高める鍵となっています。 “インクルーシブ社会”を意識した環境整備・テクノロジー活用 アクセシビリティ(交通・建築・サービス)やICT/アシスティブテクノロジーの活用は、身体障がい者の自立と参加を促す上で、世界的にも重要なテーマです。 日本もそのトレンドに乗りながら、更なる整備が求められています。 身体障がい者支援をより良くするために、私たちにできること 支援制度を知り、自分ごととして捉える まずは自分の住む地域・職場・学校でどのような支援制度があるかを把握することが大切です。 そして「制度を利用する・活用する」視点だけでなく、「制度を改善していく」視点も持つことが、持続可能な支援につながります。 発想を「支援される側」から「共に創る側」へ 身体障がいを持つ人を“支援される存在”とだけ捉えるのではなく、「共に働く」「共に暮らす」「共に支える」という視点を持つことで、社会の在り方が変わっていきます。 企業・地域・個人が“当事者中心”の視点を持つ 企業には、雇用率の達成以上に「働きやすい職場」「キャリアを描ける雇用」を問いかけたいです。地域・学校・自治体には、「障がいがある人が“普通の生活”を送れる環境」という観点を強めていきましょう。 個人としても、「身体障がい者も当たり前に参加している世界」を意識した行動・理解が重要です。 まとめ:制度・実践・意識がそろってこそ“支援の質”が変わる 日本の身体障がい者支援には、制度的な基盤が整っているという面があります。 一方で、就労・地域参加・多様な障がい度合いへの対応・アクセス整備といった“質”の面では、世界と比べて改善の余地があります。 世界の潮流をヒントにしつつ、日本ならではの文化・社会資源を活かし、「障がいがあってもあっても自分らしく暮らせる・働ける」社会を目指していきましょう。 -
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感動ポルノ(インスピレーションポルノ)って何?障がい者を“見せ物”にしないために
障がいを持つ人の「頑張って克服する姿」「勇気をくれる存在」というイメージが、メディアやSNSでは頻繁に流通しています。 一見、前向きでポジティブに思えるその描かれ方にも、実は重大な問題が潜んでいます。これが、いわゆる「感動ポルノ(Inspiration Porn)」と呼ばれる現象です。 この記事では、障がいをめぐるこの構図を、日本のメディアや社会のなかで改めて検証します。 なぜ問題とされるのか、当事者・支援者はどう向き合うべきか、そして私たちにできることは何かを一緒に探っていきましょう。 メディアと「感動ポルノ」の構図 「障がいを乗り越えた人=感動を与える人」という物語 テレビ番組やチャリティ番組では、障がいのある人が“挑戦”して“克服”する姿が強調されることがあります。NHKの番組、バリバラでは「検証!〈障害者×感動〉の方程式」という回でこの構図を問いかけています。 このような物語の構造には、障がい → 努力 → 成功/克服 →健常者を感動させる、というような流れが隠れていることがあります。 こうした描かれ方は、障がいをもつ人を「感動を提供する存在」「否定的な期待を払拭するための素材」として扱ってしまうリスクがあります。 参考リンク:〝感動ポルノ〟求める社会って?バリバラ大橋さんが伝えたかったこと 「障がい者役割」が強化されるという批判 学術的には「障がい者役割(disability role)」という概念があり、障がいを持つ人が「困難を克服すべき存在」「可哀そうな存在」という期待の枠に押し込められてしまうと指摘されています。 この枠組みでは、当事者が“普通に生きる”ということ本来の選択肢が見えにくくなり、「特別でなければならない」というプレッシャーを生むこともあります。 参考リンク:「感動」するわたしたち──『24時間テレビ』と「感動ポルノ」批判をめぐって 日本における事例と社会的な反応 例えば、 24時間テレビ のような大型チャリティ番組では、「障がいを持ちながら~」という感動ストーリーが多く扱われてきました。これに対して「障がいを持つ人を見世物のように扱っている」という批判も出ています。 また、当事者・親の立場から「私の子どもはあなたの感動のための存在ではない」といった声もあがっています。 参考リンク:なぜ「24時間テレビ」は「感動ポルノ」に変わったのか…日本テレビがそれでも番組を継続する理由、障がいのある私の娘は、あなた方の「感動ポルノ」ではない なぜ「感動ポルノ」が障がい者にとって問題になるか 当事者の主体性を削ぐ可能性 「障がいをもっていても頑張ってるね」という言葉が、本人の意思や背景を抜きに繰り返されると、「これを達成しなければ価値がない」といったプレッシャーになりえます。 実はこの言葉が、当事者が感じる“ただ存在していい自分”を奪いかねないのです。 多様な人生/多様な障がいの経験を縮小してしまう 感動ポルノ的な構図では、障がい者が「困難を克服する」物語に偏重し、「生きづらさ」の語られ方が一面的になります。 それは「成功した人」だけが注目される構図を作り、苦しみ・日常・失敗・変化の過程を軽視する傾向があります。 社会的期待と疲弊を生む 「障がいをもっててもこのくらいできるね」といった称賛も、裏では「当たり前の成果を出さなければならない」という期待になりえます。 結果、当事者は疲弊し、自分のペースを見失うこともあります。 参考リンク:「障害者だから」という古い枠を超えた、自分の意志を言える社会に。 LITALICO発達ナビ 当事者・支援者ができること/発信のヒント 自分の物語を、自分の言葉で語る 当事者のSNS投稿やブログでは、「私はこう感じた」「私はこう考えた」という一人称が増えています。これは、他者の期待ではなく、自分自身のリアルに焦点を当てる発信方法です。 たとえば、「障がいがある私の日常」や「支援を受ける私」という語られ方ではなく、「私のやり方で生きる」という文脈です。 メディア・支援機関に対して“問い”を持つ 支援機関・メディア・教育機関では、障がい者を“感動させる素材”としないよう、以下の意識が求められます。 芝居じみた演出ではなく、当事者の意志・背景をきちんと尊重する “成功物語”だけに注目せず、日常・困難・普通を語る 当事者の声を制作・発信の中心に置く 周囲の理解を少しずつ変えていく 非当事者も、次のようなことを心がけることで、感動ポルノを回避する社会づくりに貢献できます。 「すごいね」だけで終わらず「どんな工夫があったの?」と質問する 「頑張ったね」ではなく「あなたのそのままでいい」という視点を持つ 障がいを“感動”のための素材とせず、“共に生きる”関係づくりに目を向ける まとめ:称賛ではなく理解を、物語ではなく関係を 「あなたのそのままでいいよ」という言葉が、私たちがこれから目指す社会の根底にあるべきです。 障がいをもつ人を「頑張ったね」と称賛するだけではなく、彼らが「そのままに生きられる」環境をつくること。称賛の裏にある“期待”を手放し、モノ化されない、関係性に基づいた社会を少しずつ紡いでいきましょう。 🔗参考リンク 「感動ポルノの何が問題なのか?」https://note.com/androyer/n/n82b6d8ee7c7e 「チャリティか、感動ポルノか? 身体障害とメディア表現について考える」https://inclusive-media.net/note-01/1.html 「『感動ポルノ』という社会の押し付けから見える障がい者差別を考える」https://mbit.co.jp/mag/column/13267 -
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障がい×SNS発信 ― あなたの声が世界を変える時代
障がいを抱える当事者、支援者、家族…さまざまな“声”が、いまSNSを通じて社会に届きつつあります。「発信すること」で、理解の輪が広がり、偏見の壁が揺れ、少しずつ“共生”の景色が見えるようになってきました。 本記事では、障がいを持つ人がSNSで発信する意義、具体的な方法、注意すべきことを整理します。 あなたの“発信”が、誰かの希望になるかもしれません。 なぜ「当事者のSNS発信」が注目されているのか 社会への“直接届ける声”としての価値 障がいに関する情報は、専門家や報道だけでは伝わりにくい“リアルな暮らし”があります。そうした暮らしを「当事者の言葉」で発信することで、社会や支援の在り方を変えるきっかけになります。 実際、遺伝性疾患や難病の当事者がSNSで自らの体験を発信する動きが増えています。 参考リンク: 病気や障がいがある当事者の「SNS発信」、社会に届けるためのポイントは? 若者・デジタルネイティブ世代の影響力 若い世代を中心に、SNSはコミュニケーションと自己表現の場となっています。 障がいを抱える人たちも、TikTok、YouTube、Instagram、X(旧Twitter)などで“自分らしさ”を発信する姿が増えており、フォロワー数をベースに影響力を持つケースも出ています。 参考リンク: 総フォロワー6.5万人のインフルエンサーが描く発達障害当事者から見える世界を没入体験 情報の“共創”と“つながり”の時代へ SNS発信は一方通行ではなく、共感・共有・対話を生みます。 障がいに関しては「理解されない」という孤立感が生まれやすいですが、発信を通じて“同じ経験を持つ人”“理解を示した人”がつながることで、新たなネットワークが生まれています。 SNS発信を始める前に知っておきたいポイント 目的とターゲットを明確にする なぜ発信したいのか、誰に届けたいのかを考えることが出発点です。 例えば「同じ障がいを持つ若者に安心を届けたい」「職場で理解を促したい」など、自分の“声”が持つ意味を言葉にしましょう。 プラットフォームと形式を選ぶ SNSにはそれぞれ特徴があります。 YouTube/動画形式:視覚・聴覚で語ることで理解を深めやすいです。 Instagram/フィード+ストーリーズ:暮らしの一コマを軽く発信しやすいです。 X(旧Twitter)/テキスト+リンク:短文で「気づき」を共有し、議論を喚起できます。自身の“強み”(言葉、動画、写真)や生活リズムに合った形式を選びましょう。 参考リンク:「軽度知的障害」とともに生きる。当事者としてYouTubeで発信を続けるえりかんさんが伝えたいこと 発信の守りとリスクに備える SNS発信には光だけでなく“影”もあります。誹謗中傷、プライバシーの露出、誤情報の拡散などのリスクがあります。 発達障がいのある人がSNSでトラブルに巻き込まれる実例も報告されています。発信を続けるためには、無理をせず、自分のペース・安全な範囲で取り組むことが大切です。 参考リンク:発達障害のある方がSNSでどのようなトラブルに巻き込まれる危険性があるか【利用者ブログ】 実践:発信を続けるための3つのステップ ステップ① “小さな1投稿”から始める 例えば、障がいとの付き合い方を1分で語る動画、日常の“困った”を正直に綴ったツイート等。 大きな演説ではなく、リアルな“声”が共感を生みます。 ステップ② 継続と振り返りを習慣化する 定期的な投稿(例:週1回)と、投稿後の反応を振り返ることで、発信内容がブラッシュアップされ、自分の発信スタイルが見えてきます。 「どんな投稿が反応されやすいか」「自分が書いて心が軽くなるか」などを観察しましょう。 ステップ③ フォロワー・コミュニティとの関係を育てる 発信は“届ける”だけでなく、“つながる”ことも大切です。 コメントに応える、小さなメッセージを返す、他の当事者の投稿にいいねやリプライを送ることで、フォロワーは“ただの数字”から“つながった仲間”になります。 結果として、発信者自身の居場所・支えにもなります。 発信をさらに価値あるものにするために 自分の「声の核」を持つ 「何を伝えたいか」を深く考えることで、ブレずに発信を続けやすくなります。 例えば「私だから知っている働き方」「視覚障がいと旅行のリアル」「ASD当事者の時間管理術」など。 ビジュアル・ストーリーを意識する 動画や写真、テキストを組み合わせることで、視覚的にも印象的な発信が可能です。 例えば、発達障がいを抱える当事者が「朝のルーティン」を動画で見せることで“わかる”発信になります。 発信を“つながる活動”に発展させる フォロワーとのやり取りを出発点に、オンラインイベント、ライブ配信、コラボ投稿などに発展させることで、発信が“孤立しない”活動になります。 例えば、障がい当事者が集まる座談会をライブ配信するなどの試みも。 参考リンク:障がいがあっても、自分らしく。S N S座談会―プロに学ぶ発信力のコツ 注意すべき点と守るべきルール プライバシーと開示のバランス 自身や周囲の人のプライバシーを守りつつ、リアルな体験を届けるには“どこまで開示するか”を事前に考えることが重要です。 誹謗中傷・炎上リスクの備え 障がいをテーマにした発信は、ポジティブな意味でも注目されやすい反面、批判や誤解の対象にもなり得ます。発信を続けるためには、心が疲れたら休む、支援者と相談する等の“出口”を持つことが大切です。 参考リンク:LITALICO発達ナビ コンテンツのアクセシビリティ確保 動画なら字幕・手話、画像なら代替テキスト、テキストなら読みやすいフォント・構成など、障がいに応じた配慮が必要です。 これにより「伝わる」発信が実現します。 まとめ:あなたの“声”が変える、未来の景色 障がいを持っているからこそ見えている景色があります。その景色を、スマホの画面を通して、SNSという場で発信すること。それは、別の誰かの「わかる」に寄り添い、社会にひとつの問いを投げかける行為です。 ちょっとした不安、ちょっとした喜び、ちょっとした工夫――それらを言葉にすることで、孤立感は“つながり”に変わります。SNSは、あなたの声を“届くもの”に変えるツールです。そして、届いた声はきっと、誰かの未来を少しだけ変える力を持っています。 -
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フィジェットリングがくれる集中と心の落ち着き
「落ち着かない」「手持ち無沙汰でそわそわする」「人と話すときに緊張してしまう」——そんなとき、指先でくるくる回すだけで心が少し軽くなる。それが、フィジェットリング(Fidget Ring)です。 最近は発達障がいのある人や、不安・緊張を感じやすい人の間で「安心グッズ」として注目を集めています。本記事では、フィジェットリングがもたらす心理的効果や活用法、実際の体験談を通して、“小さなリングが支える大きな効果”について考えてみましょう。 フィジェットリングとは? そもそも「フィジェットリング」って何? フィジェットリングは、指に装着して回したり動かしたりできるリング型のアイテム。「フィジェット」とは英語で「そわそわする」という意味です。つまり、“そわそわ”を安心に変えるための道具とも言えます。 一般的なものは、外側のリングが回転する構造。仕事中・授業中・会話中など、「落ち着かない場面」で自然に触れることができるのが特徴です。 参考リンク:Amazon|フィジェットリング新着ランキング 海外でも注目される「集中力アップツール」 アメリカやイギリスでは、フィジェットツール全般(スピナー、キューブ、リングなど)がADHD・ASD当事者のサポートツールとして広く知られています。特に、フィジェットリングは見た目がアクセサリーに近く、人前でも使いやすい点が高く評価されています。 「手の動き」が心を整える理由 指先を動かすことで「思考の渋滞」がほどける 発達障がいのある人は、頭の中に同時にたくさんの情報が浮かびやすい傾向があります。そんなとき、指先を動かすことで脳の過剰な刺激を分散し、思考が整理されやすくなるといわれています。 心理学的にも、単純な反復運動は「自己調整行動」と呼ばれ、安心感や集中の持続に効果的とされています。 参考動画:ADHDを解消する方法 不安や緊張を「見えない形でケア」できる フィジェットリングの良いところは、誰にも気づかれずに不安を和らげられること。人と話すとき、発表の前、通院の待合室など、手を動かすだけで少し心が落ち着く。これだけで「自分をコントロールできている」という感覚を持てるのです。 実際に使ってみた——当事者のリアルな声 ケース①:ADHD当事者・会社員(30代女性) 会議中、緊張して足を貧乏ゆすりしてしまうのが悩みでした。フィジェットリングを使うようになってから、手の中で動かすだけで落ち着けるように。見た目もおしゃれなので、周囲に気づかれないのが助かります。 ケース②:ASD当事者・在宅ワーカー(40代男性) 作業中に集中が切れると、無意識にリングを回している。それだけで不思議と“切り替えスイッチ”が入るんです。指の感触が「今ここ」に戻してくれる感覚があります。 ケース③:身体障がい者・大学生(20代女性) 手に軽い麻痺があるのですが、リハビリの一環としても役立っています。無理のない範囲で指を動かせるので、遊びながらリハビリできて楽しいと感じます。 フィジェットリングの選び方と活用法 自分に合うタイプを選ぶ 金属製:回転がスムーズで長持ち。やや重みがあるため、指の動きで安心を得やすい。 シリコン製:軽くて柔らかい。肌が敏感な人や金属アレルギーがある人におすすめ。 デザイン重視型:見た目がアクセサリーとして自然で、日常使いしやすい。 参考リンク:フィジェットリングどこで売ってる?実店舗・通販・人気モデルを完全ガイド 日常に取り入れるコツ 会議・授業・待ち時間など、「落ち着かないとき」に手に取る 1日数分でも、意識して回して“呼吸を整える時間”を作る リングを触りながら「今ここにいる」と意識することで、マインドフルネス効果も期待できる まとめ 障がいの有無にかかわらず、誰もが不安や緊張を抱える日があります。そのたびに、外の世界に答えを求めるのではなく、指先ひとつで自分を落ち着かせる力を思い出すこと。 それが、フィジェットリングの本当の魅力です。 自分に優しく、他者にもやさしく。「落ち着く自分」をつくる第一歩を、今日から指先で回してみませんか?
Movieみんなの障がい動画
みんなの障がい動画は、障がいに関する基礎知識などを、動画でわかりやすくお伝えしていきます。
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【大人の障がい】躁鬱とは?動画で詳しく解説!
躁鬱とは? 躁鬱とは「双極性障がい」とも呼ばれておりうつ病とはまったく違う病気です。うつ病のような症状も出ますが逆に「躁」という活発的で無敵な状態になることもあり日や月によって正反対の自分になってしまうので「双極性」といわれています。 なぜこのような症状が起こるのかは、いまだ解明されていません。一つの可能性としては、脳内にある様々な情報を受け取って反応する機能が生活習慣の乱れやストレスにより正しく機能しなくなることが考えられています。 また躁鬱になる人には「肥満型」「循環型性格」が多く見られます。BMIが30以上になると認知機能が低下し脳構造も変化することが確認されているためです。循環型性格とは「おとなしい」とよく言われるような性格のことです。 ストレスを上手く外に発散できずため込みやすい方が躁鬱になりやすいといえます。人口の0.4~0.7%といわれており約1000人に4~7人とそれほど多くない障がいです。けれど、超ストレス社会と言われている現代この割合はふえていくかもしれません。 主な症状 その日や月、または年によって、とても活発的になる症状と、逆に動けなくなり自己反省的になるという真逆の症状が見られることが特徴です。活発的な「躁」の状態になると、つぎのようになります。 寝なくても元気で活動できる 初対面の人にも知人のように話しかける 電話やメールをたくさんしてしまう 人の話を聞けず、自分の話をたくさんする 頭がさえわたり、アイデアが多く出てくるが、最後までやり遂げられない 何でもできそうな気がする 買い物やギャンブルに莫大な金額をつぎ込む 性的に奔放になる 意欲や活動が低下する「鬱」の状態になると、つぎのようになります。 疲れやすく何もやる気が起きない 好きなことにも興味がなくなる 眠れない、または逆にどれだけ寝ても眠気がとれない 自分に価値がないと思う 鬱の状態になると、躁の状態のときに自分がやってしまったことも思い出して後悔に苦しめられます。躁のときはまわりを傷つけたり振り回したりしてしまいますが鬱のときは自分を傷つけてしまうので、早期治療が大事です。 ただ活発的な「躁」のときは、自分が「双極性障がい」だと気づけないのでまわりが声をかけて気づかせることが必要になります。 治療方法について 躁鬱とうつ病はまったく治療方法が異なるのでうつ状態が「躁鬱」の「うつ」によるものなのか、「うつ病」の「うつ」によるものなのか、見極めが重要になります。 躁鬱の治療には、症状に合わせて心理的な療法と薬物治療の2つが並行しておこなわれます。うつ病のような症状がひどく、あまりに自己反省的になる場合は「認知行動療法」をおこない、物事の受け取り方を正していきます。 また病気を受け入れ、コントロールできるように「眠りと気分の記録表」などをつかって、自分の精神の状態を正しく理解する「心理教育」をおこなうこともあります。 薬物治療では、症状を抑えるために気分安定薬と抗精神病薬を使用します。双極性障がいはとても再発しやすい病気なので多くの方は規則正しい生活を送るように心がけながら長期にわたって薬と付き合い続ける必要があります。 -
【大人の障がい】境界性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
境界性パーソナリティ障がいとは? 境界性パーソナリティ障がいは、「強いイライラ感」という神経症のような症状と、「現実が冷静に認識できない」という統合失調症のような症状があります。「神経症」と「統合失調症」の境界にある症状が現れることから、「境界性」と名前がついています。 境界性パーソナリティ障がいの患者は、一人でいることがむずかしく、人の気を引くために、自殺のそぶりをしたり性的に誘惑したりするなど、自己破壊的な行動が見られます。原因は明らかになっていませんが、遺伝的な要因と環境的な要因が考えられています。境界性パーソナリティ障がいの方は、もともと傷つきやすく繊細な気質なことが多く、さらに悪い環境が重なると、発症率がとても高くなります。 境界性パーソナリティ障がいは人口の約2%と少なくはない障がいで、若い女性に多いとされています。 主な症状 気分が急に変わること、感情のブレーキが効かないといった神経症的な症状と、自分が何者かわからないような空虚な気持ちをもつ統合失調的な症状が主にあります。この症状があると、つぎのようなことが起こります。 癇癪を起こす 自殺のそぶりや自傷行為をくりかえす 薬物やアルコールなどに依存しやすくなる 見捨てられることに強い不安を感じ、見捨てられないように必死に努力する 幸せを感じにくい 急に強い怒りを感じたり不安になったりする 強いストレスがかかると一時的に記憶がなくなることがある 治療方法について 治療方法は主に2つです。一つは、カウンセリングなどの精神療法と、症状を抑えるための薬物治療になります。精神療法は「認知行動療法」が主に使われます。まず行動面では、基本的な生活習慣を整えることから始めます。 認知面ではストレスや不安を感じた出来事をカウンセラーと話し合って、物事の受け取り方を変え、ストレスや不安への反応をへらしていきます。 あまりに症状が強い場合、症状を抑えるために薬物治療をおこないます。不安やストレス、睡眠障がいなど症状に合わせて、抗不安薬や気分安定薬が使われます。また最近では、オメガ3脂肪酸を含む栄養補助食品を服用することで、気分安定効果が得られ、症状が抑えられたことが確認されています。 -
【大人の障がい】回避性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
回避性パーソナリティ障がいとは? 回避性パーソナリティ障がいとは、人や社会との関わりに不安を感じ、すべて避けようとする障がいです。米国の調査によるとこの障がいを診断されている人は全体の2,4%とされており、男女による違いはありません。回避性パーソナリティ障がいは社交不安障がいやHSPとも似ていますが、大きな違いがあります。 まず、最も症状が強く、仕事や社会生活すべてに影響が出ているのが、「回避性パーソナリティ障がい」です。とくに、「すべてに不安を感じる」という大きな特徴があります。 社交不安障がいやHSPには、不安を感じる特定の人物や場面があります。 たとえば、「会議が不安だから避けたい」「今している仕事の、○○の部分が不安に感じる」「あの人から何か嫌な印象を受けるから避けたい」などです。 回避性パーソナリティ障がいは、「人生」「すべて」「今日あること全部」「会社にいる人全員」など、特定の場面や人物がありません。「自分以外はすべて敵」のように感じ、引きこもりがちになったり、その他の心の病にかかったりして、社会で生きづらくなります。 主な症状 障がいを診断する基準であるDMSー5には、つぎのような症状のうち4つ以上に当てはまると、回避性パーソナリティ障がいの疑いがあると診断されます。 批判や避難されたり、人から拒絶されることを怖がって、仕事に必要なことでも避ける。 相手に好かれていると確信できないと、仲良くできない。 恥をかかされたり笑われたりすることが苦痛で、家族や友達にもどこか遠慮する 人との関わりのなかで、一番に「相手に批判や拒絶されること」を考えてしまう 「何をしても無理だろう」と思い、人と関係をつくりたがらない 社会不適合だと感じたり、人よりも劣っていると思う。 失敗して恥をかくかもしれないと思って、新しいことをするのを異常なほどに避ける。 とくに、人との接触を回避しようとする「回避行動」がよく見られることが特徴的です。 治療方法について 自己愛性パーソナリティ障がいの治療は、人との関わりに対する不安や恐怖をへらし、自尊心を高めることが大切です。治療法には、「個人療法」と「集団療法」が用いられます。 個人の精神療法では、「精神分析的心理療法」が役立つことが多いです。精神分析的新療法は、カウンセラーと一対一でおこないます。 患者はカウンセラーにまず、なんとなく心に浮かんだことを何でも話します。今感じている悩みだけではなく、無意識に自分が何を感じているかを分析するためです。この一対一の療法を長期間ゆっくり繰り返して、自分の無意識の部分を知ったり、問題の解決策を見つけたりします。ただ、効果を感じられるのに、人によっては数年単位になることもあります。 つぎに、「集団療法」では、同じ障がいをもった人たちで話し合い、自身の障がいに気づくことから始まります。障がいによって起こっている悩みや問題を共有し、他人への共感力を身につけることも目的の一つです。 また、回避性パーソナリティ障がいで気分障がいやうつ傾向が見られるときは、症状を抑えるための薬物療法もあわせて、治療をおこないます。 -
【大人の障がい】自己愛性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
自己愛性パーソナリティ障がいとは? 自己愛性パーソナリティ障がいとは、「自分は誰よりも重要な存在である」と信じすぎて、 人間関係が上手くいかなかったり、生きづらく感じたりする状態のことです。この障がいと診断される人のうち、50~75%が男性だとされています。 他人に共感することができず、何よりも自分が特別で大切であると思っていることが大きな特徴です。自己中心的な行動をして、社会で上手く生きることができず、心の病にかかってしまう方もいます。 自己愛性パーソナリティ障がいの原因は、「生まれつきの気質」と「幼少期の環境」が考えられます。生まれつき自己愛が強く、共感性が低い気質であるお子さんはよくいますが、このような気質は大人になるにつれて落ち着く傾向があります。 けれど、子どものとき、何をしても怒られない環境や、逆に親が厳しく不自由すぎる環境、虐待を受けていたなど問題があった場合、自己愛性パーソナリティ障がいの発症率が高くなります。 主な症状 自己愛性パーソナリティ障がいは、「無感情型」と「過敏型」の2種類があります。無感情型は、周りの意見など全く気にせず、何を言われても、「自分は誰よりも特別だ」と考えて行動します。たとえば、仕事の営業成績で悪い結果が出たとしても、一番をとったかのようにふるまいます。さらに、自分以外の人を二番以下だと思い、見下す傾向があります。 そのため、周りからは「自己中」「威張っている」「虚言壁」と言われてしまうこともあります。過敏型は、周りの意見を気にしすぎて、行動することができません。けれど、過敏型も同じく、心の奥底では「自分は誰よりも重要な存在だ」と思っており、理想の自分がいます。 その理想の自分と現実の自分との違いに苦しみ、自己嫌悪することが多いです。また自分の意見を反対されることや、傷つくことを極端に避けようとします。「感情を表に出さない」「恥ずかしがり屋」「他人の反応に敏感」といった特徴が見られます。 治療方法について 自己愛性パーソナリティ障がいの治療法は、「個人精神療法」と「集団療法」があります。個人の精神療法では、「精神分析的心理療法」を使うことが多いです。 精神分析的新療法は、カウンセラーと一対一でおこないます。患者はカウンセラーにまず、なんとなく心に浮かんだことを何でも話します。今感じている悩みだけではなく、無意識に自分が何を感じているかを分析するためです。この一対一の療法を長期間ゆっくり繰り返して、自分の無意識の部分を知ったり、問題の解決策を見つけたりします。 つぎに、「集団療法」では、同じ障がいをもった人たちで話し合い、自身の障がいに気づくことから始まります。障がいによって起こっている悩みや問題を共有し、他人への共感力を身につけることも目的の一つです。 また、自己愛性パーソナリティ障がいで気分障がいやうつ傾向が見られるときは、症状を抑えるための薬物療法もあわせて、治療をおこないます。 その他特筆事項 自己愛性パーソナリティ障がいの治療には、ご自身が、「もしかしたら自己愛性パーソナリティ障がいかもしれない」と気づいていること、治したいと思っていること、「どのような自分でも受け入れる覚悟」が大事です。 -
【大人の障がい】演技性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、演技性パーソナリティ障がいについて詳しく紹介します。 演技性パーソナリティ障がいとは? 演技性パーソナリティ障害は、劇の役を演じているように感情や考え方を過剰に強く示したり、外見をつかって自分に注目を集めようとしたりするなどの特徴が見られる障害です。有病率は全体の2%以下となっており、発症のしやすさに男女の違いはありません。 演技性パーソナリティ障害の原因は明らかになっていませんが、「子どもの頃に家族から十分な愛情を得られなかった」「演技性パーソナリティ障害の家族がいる環境で育った」 など、養育環境が原因のひとつではないかと考えられています。 演技性パーソナリティ障害は、注目を集めるために、自殺未遂や脅迫をおこなうことがあり、危険が多い障害です。身体症状やそのほか精神疾患を合併している確率も高く、早期治療が必要です。 主な症状 演技性パーソナリティ障害は人の注目を集めるための行動が特徴的です。「ふしだらな格好をして人を誘惑・挑発する」「いつも特徴的な恰好をする」「自分に注目が集まっていないと不機嫌になる」「中身がないような話を重要なことのように話す」「作り話をする・出来事を誇張して伝える」「自分から騒動を起こそうとする」などの症状が多く見られます。 自己愛とは違っており、演技性パーソナリティ障害の患者は注目のされ方にこだわりがありません。自己愛が強い方は、人から賞賛されたい、人に好かれたいという欲求があります。 演技性パーソナリティ障害の患者は、批判されても嫌われていても、注目されていればいい、と考えて行動します。 また、人との関係が実際よりも親密だと思っていることが、ひとつの特徴です。具体的には、「知り合って間もない人を、かけがえのない親友と呼ぶ」「知り合い程度の関係でもハグをする」「何度か話しただけで、相手の職業や立場に関わらず下の名前で呼ぶ」このように、すぐに人と親密になろうとしますが、新しい人間関係に飛びつく傾向があり、親友と呼んだ人とでも人間関係が長続きしません。 治療方法について 演技性パーソナリティ障害は、自分の本当の感情に気づくことがないため、まず精神療法をつかって、自分の内面を正しく把握させる治療が中心になります。医師と患者のあいだで何度もカウンセリングをおこない、自分の本当の感情と劇的な行動が合っていないことに気づかせたり、劇的な行動をとらなくてもコミュニケーションをとれるように学習したりして、演技性パーソナリティ障害の症状を消失させます。この精神療法はじっくりと時間をかけておこなうため、治療が年単位になることがよくあります。 -
【大人の障がい】スマホ依存症とは?動画で詳しく解説!
『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、スマホ依存症について詳しく紹介します。 スマホ依存症とは? スマホ依存症とは、心身に異常が起きているにも関わらず、スマホを手放せず、スマホに精神的に依存している状態のことをいいます。 「スマホが近くにないと不安を感じる」「着信や通知が気になって何度も画面を確認する」「人との関わりよりもスマホを優先する」「スマホに夢中になって睡眠がとれていない」以上に当てはまる方は、スマホ依存症の可能性が高いです。 スマホは依存しやすい性質を多くもっています。「知りたい情報をすぐに知ることができる」「着信や通知など反応がある」「飽きない」「どこでも気軽に持ち運びができる」という4つの要素が深く関係しています。 また、スマホ依存症は他の依存症とちがって、ずっとスマホをさわっていても罪に問われません。通勤中も食事中もスマホをさわっている人が多く見られるため、危機感なく、自覚もなく依存してしまいます。 主な症状 スマホ依存症の主な症状は、「脳疲労による機能の低下」と「体の発達や体調への悪影響」の2つです。スマホは深く考えることなく、大量に情報をインプットできるので、長時間スマホにふれると脳が疲れます。 脳が疲れると脳の情報処理機能全体が低下します。情報処理機能が低下すると、簡単に得られる快楽に流されやすくなるので、ますますスマホを見てしまい、脳疲労が激しくなるという悪循環が起きます。 脳疲労が激しくなり、前頭前野の働きが悪くなると、「うっかりミスが増える」「判断力・思考力・集中力が低下する」「感情をコントロールしづらくなる」などが症状として現れます。 「体の発達や体調への悪影響」としては、スマホを見ながら同じ姿勢を維持し続けることで、「肩こり」「腰痛」「猫背・巻き肩・ストレートネックなど姿勢の崩れ」が起きたり、 スマホの画面を見つめることで「ドライアイ」「眼精疲労」「スマホ老眼」など目の疾患にかかりやすくなったりします。 さらにブルーライトという強い光を浴びつづけることで、体内時計が狂い、睡眠が適切にとれない「睡眠障害」や、体調不良が続いて「うつ病」になる危険もあります。 治療方法について スマホ依存症は、「発達障害」や、そのほかの精神疾患が関わっていることもあります。そのため、スマホ依存症で病院を受診するときは、まず発達障害や精神疾患がないかを検査します。 発達障害や精神疾患が原因となっている場合は、原因の改善に向けて心理療法や薬物療法をおこないます。スマホ依存症への治療は、「認知行動療法」という心理療法を用いてスマホへの意識の改善、医師の指導による生活習慣の改善の2つを主におこないます。 スマホ依存症が重症の場合は、入院治療をおこなうことがあります。スマホから離れた環境で過ごし、規則正しい生活習慣を身につけたり、現実での人とのコミュニケーションを練習したりします。 その他特筆事項 スマホ依存症を治すには、スマホ依存を自覚し、治したいという強い意思をもつことが大切です。スマホに依存しているかどうかを確認するには、iphoneユーザーは「スクリーンタイム」 androidユーザーは「Digital Wellbeing(デジタル ウェルビーイング)」を設定から開いてみましょう。スマホの日・週・月ごとの使用時間や、アプリの使用時間を知ることができます。予想以上にスマホを使用していることに気づくかもしれません。 スマホ依存に気づいたら、「スマホ依存対策アプリの活用」「通知をオフにする」「少しずつスマホを使わない時間をふやす」「スマホ以外のストレス発散法を見つける」などで対策しましょう。 -
【大人の障がい】パニック障がいとは?動画で詳しく解説!
『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、パニック障害について詳しく紹介します。 パニック障がいとは? パニック障害とは、理由もなく急に動悸やめまい、吐き気や手足の震えなどのパニック発作が起こり、日常生活に支障をきたす障害のことです。日本人の100人に1人が経験しており、男性より女性の方が発症しやすいことがわかっています。 パニック障害の原因は、「遺伝的要因」と「環境的要因」の二つが大きく関係しています。 強いストレスや不安、激しい疲れ、睡眠不足など不規則な生活習慣、遺伝的要因、性格などが原因となって、脳内の伝達物質の働きに異常が起こり、パニック障害が起こると考えられています。 パニック障害になりやすいといわれている人の特徴は、「ストレスをためこみやすい」「内気で人見知りが激しい」「まじめで完璧主義」「神経質でこだわりが強い」など、 もともと不安やストレスを感じやすい性質をもつ人です。 パニック発作は、就寝前などリラックスしているときや、寝ているときにも起こることがあり、パニック障害の患者は「いつ発作が起きるのか」という恐怖にも苦しみます。その恐怖や不安から、他の精神疾患を引き起こしたり、外出できなくなったりなど、社会生活に大きく影響します。 主な症状 パニック障害の主な症状は、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」の3つです。「パニック発作」は、極度の恐怖や不安を感じると起こる体の反応のことであり、だれでも特定の場面でパニック発作を経験します。しかし、パニック障害のパニック発作は、恐怖や不安を感じない場面でも体が反応します。 「動悸や息切れ」「めまい」「異常な発汗」「手足の震え」「自分は死ぬのではないかという不安」「逃げなくてはいけないと感じる本能的恐怖」などが症状として現れます。 パニック発作の症状は頻度によって「中等度」と「重度」に分かれて診断されます。「中等度」は少なくとも月に4回以上のパニック発作がある状態、「重度」は週に4回以上パニック発作がある状態です。 「予期不安」とは、このような体の反応が「また起こるのではないか」「いつ起こるのだろうか」「次はもっと苦しいかもしれない」「今度こそ死んでしまうかもしれない」と、 発作が起きていないときにも強い不安を感じるという症状です。この症状が原因で仕事をやめたり、引きこもりになったりするなど、環境に変化が現れることも症状のひとつです。 「広場恐怖」は、発作が起きた状況や場所、発作が起きても逃げ出せないような状況を極度に避けるという症状です。「同じ場所でまた発作が起きるのではないか」「この場所で発作が起きたら逃げられない」「この場所で発作が起きると誰にも助けてもらえない」 広場という言葉が使われていますが、広場だけではなく、一人の外出、自家用車やバスの乗車などにも過度な恐怖を感じるので、外出恐怖や空間恐怖とも呼ばれます。パニック障害の患者の全体の4分の3が「広場恐怖」を経験するとされており、広場恐怖の症状があると外出をおそれ、引きこもりがちになります。 治療方法について パニック障害の治療は、精神科や心療内科で「薬物療法」と「心理療法」がよく併用されます。 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、抗不安薬、抗うつ薬を使って、パニック発作を抑えることができます。 これらの薬の服用と一緒に心理療法をおこなうことが重要と考えられています。 心理療法では「認知行動療法」や「曝露療法」の効果が認められています。 薬を服用しながら、恐怖や不安を感じる場面をあえて経験し、発作が起こらないことを学習して、不安や恐怖がなくなることを目指します。 その他特筆事項 パニック障害は慢性化しやすく、再発しやすい障害のため、自分で予防することも大切です。「休養をとる」「生活習慣を整える」「適度の運動」「アルコールやカフェインを摂りすぎない」アルコールやカフェインは脳を刺激し、不安感を強めます。 ストレスや不安をためこんだり、不規則な生活を送ったりしていると、自律神経が乱れ、発作が起きやすくなります。心や体の調子を整えて、パニック障害を予防しましょう。 -
【大人の障がい】離人症とは?動画で詳しく解説!
『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、離人症について詳しく紹介します。 離人症とは 離人症とは、解離性障害の一種であり、自分の意識や体が自分の物ではないように感じたり、物事がすべて現実ではないように感じたりする状態のことです。 離人症は人口の約2%に発生するといわれており、男女の割合は関係なく、10代から20代の発症が最も多いです。強いストレスや不安、激しい疲労、うつ病など精神疾患、違法薬物の使用などから引き起こされます。 脳科学の観点では、脳内のドーパミン物質の分泌が少ないと、離人症の症状につながりやすくなることがわかっています。離人症の症状は数時間で治まるものから、数日、数か月、重い場合は数十年にもわたって悩まされる方もいます。 主な症状 離人症の主な症状は「外界の見え方の変化」「感情の喪失」「自分の体への意識の変化」の3つです。 「外界の見え方の変化」の症状の現れ方は人それぞれであり、物や人が色あせて見える、物や人がぼやけて見える、ベールのように薄い膜ごしに物や人を見ているように感じる、夢を見ているように感じる、などです。 「感情の変化」は、感情が無くなったように思い、何かをしたりされたりしても、その意味をとらえることができなくなるという症状です。「自分の体への意識の変化」は、自分の体が自分の物ではなく、ロボットのように感じる、身体がまひしているように思う、自分の体の大きさや形がちがって感じる、自分のことを遠くから観察しているように感じる、などの症状があります。 これらの症状がありながらも、離人症の患者は「自分はおかしい状態だ」と気づくことができます。意識の混濁などはなく、妄想と現実の区別がしっかりついていることが、離人症の大きな特徴です。 治療方法について 離人症の根本的な治療法は確立されていません。そのため、精神科や心療内科では、「原因の除去」「心理療法」「薬物治療」などをおこない、離人症の症状を緩和することを目的とします。 強いストレスが原因の場合、ストレスを感じているものや環境から離れる、または問題の解決法を見つけることで、離人症の症状の改善を目指します。また、うつ病などその他の精神疾患から起こっているときは、うつ病など精神疾患の治療をおこないます。 心理療法には、認知行動療法や曝露療法などが用いられます。認知行動療法とは、物事のとらえ方を変えて、ストレスへの耐性を高める療法です。曝露療法とは、不安を感じる場面をあえて体験し、不安感に慣れていく療法です。 まずはカウンセラーと一緒に、不安を感じる場面を小さなことから体験し、少しずつ不安感をへらしていきます。しかし、離人症が心理療法で改善されることはむずかしく、多くは薬物治療が有効になります。薬物治療は、抗不安薬や抗うつ薬が主に使われます。"
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