【大人の障がい】自己愛性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
自己愛性パーソナリティ障がいとは?
自己愛性パーソナリティ障がいとは、「自分は誰よりも重要な存在である」と信じすぎて、
人間関係が上手くいかなかったり、生きづらく感じたりする状態のことです。この障がいと診断される人のうち、50~75%が男性だとされています。
他人に共感することができず、何よりも自分が特別で大切であると思っていることが大きな特徴です。自己中心的な行動をして、社会で上手く生きることができず、心の病にかかってしまう方もいます。
自己愛性パーソナリティ障がいの原因は、「生まれつきの気質」と「幼少期の環境」が考えられます。生まれつき自己愛が強く、共感性が低い気質であるお子さんはよくいますが、このような気質は大人になるにつれて落ち着く傾向があります。
けれど、子どものとき、何をしても怒られない環境や、逆に親が厳しく不自由すぎる環境、虐待を受けていたなど問題があった場合、自己愛性パーソナリティ障がいの発症率が高くなります。
主な症状
自己愛性パーソナリティ障がいは、「無感情型」と「過敏型」の2種類があります。無感情型は、周りの意見など全く気にせず、何を言われても、「自分は誰よりも特別だ」と考えて行動します。たとえば、仕事の営業成績で悪い結果が出たとしても、一番をとったかのようにふるまいます。さらに、自分以外の人を二番以下だと思い、見下す傾向があります。
そのため、周りからは「自己中」「威張っている」「虚言壁」と言われてしまうこともあります。過敏型は、周りの意見を気にしすぎて、行動することができません。けれど、過敏型も同じく、心の奥底では「自分は誰よりも重要な存在だ」と思っており、理想の自分がいます。
その理想の自分と現実の自分との違いに苦しみ、自己嫌悪することが多いです。また自分の意見を反対されることや、傷つくことを極端に避けようとします。「感情を表に出さない」「恥ずかしがり屋」「他人の反応に敏感」といった特徴が見られます。
治療方法について
自己愛性パーソナリティ障がいの治療法は、「個人精神療法」と「集団療法」があります。個人の精神療法では、「精神分析的心理療法」を使うことが多いです。
精神分析的新療法は、カウンセラーと一対一でおこないます。患者はカウンセラーにまず、なんとなく心に浮かんだことを何でも話します。今感じている悩みだけではなく、無意識に自分が何を感じているかを分析するためです。この一対一の療法を長期間ゆっくり繰り返して、自分の無意識の部分を知ったり、問題の解決策を見つけたりします。
つぎに、「集団療法」では、同じ障がいをもった人たちで話し合い、自身の障がいに気づくことから始まります。障がいによって起こっている悩みや問題を共有し、他人への共感力を身につけることも目的の一つです。
また、自己愛性パーソナリティ障がいで気分障がいやうつ傾向が見られるときは、症状を抑えるための薬物療法もあわせて、治療をおこないます。
その他特筆事項
自己愛性パーソナリティ障がいの治療には、ご自身が、「もしかしたら自己愛性パーソナリティ障がいかもしれない」と気づいていること、治したいと思っていること、「どのような自分でも受け入れる覚悟」が大事です。