【大人の障がい】回避性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!
回避性パーソナリティ障がいとは?
回避性パーソナリティ障がいとは、人や社会との関わりに不安を感じ、すべて避けようとする障がいです。米国の調査によるとこの障がいを診断されている人は全体の2,4%とされており、男女による違いはありません。回避性パーソナリティ障がいは社交不安障がいやHSPとも似ていますが、大きな違いがあります。
まず、最も症状が強く、仕事や社会生活すべてに影響が出ているのが、「回避性パーソナリティ障がい」です。とくに、「すべてに不安を感じる」という大きな特徴があります。
社交不安障がいやHSPには、不安を感じる特定の人物や場面があります。
たとえば、「会議が不安だから避けたい」「今している仕事の、○○の部分が不安に感じる」「あの人から何か嫌な印象を受けるから避けたい」などです。
回避性パーソナリティ障がいは、「人生」「すべて」「今日あること全部」「会社にいる人全員」など、特定の場面や人物がありません。「自分以外はすべて敵」のように感じ、引きこもりがちになったり、その他の心の病にかかったりして、社会で生きづらくなります。
主な症状
障がいを診断する基準であるDMSー5には、つぎのような症状のうち4つ以上に当てはまると、回避性パーソナリティ障がいの疑いがあると診断されます。
- 批判や避難されたり、人から拒絶されることを怖がって、仕事に必要なことでも避ける。
- 相手に好かれていると確信できないと、仲良くできない。
- 恥をかかされたり笑われたりすることが苦痛で、家族や友達にもどこか遠慮する
- 人との関わりのなかで、一番に「相手に批判や拒絶されること」を考えてしまう
- 「何をしても無理だろう」と思い、人と関係をつくりたがらない
- 社会不適合だと感じたり、人よりも劣っていると思う。
- 失敗して恥をかくかもしれないと思って、新しいことをするのを異常なほどに避ける。
とくに、人との接触を回避しようとする「回避行動」がよく見られることが特徴的です。
治療方法について
自己愛性パーソナリティ障がいの治療は、人との関わりに対する不安や恐怖をへらし、自尊心を高めることが大切です。治療法には、「個人療法」と「集団療法」が用いられます。
個人の精神療法では、「精神分析的心理療法」が役立つことが多いです。精神分析的新療法は、カウンセラーと一対一でおこないます。
患者はカウンセラーにまず、なんとなく心に浮かんだことを何でも話します。今感じている悩みだけではなく、無意識に自分が何を感じているかを分析するためです。この一対一の療法を長期間ゆっくり繰り返して、自分の無意識の部分を知ったり、問題の解決策を見つけたりします。ただ、効果を感じられるのに、人によっては数年単位になることもあります。
つぎに、「集団療法」では、同じ障がいをもった人たちで話し合い、自身の障がいに気づくことから始まります。障がいによって起こっている悩みや問題を共有し、他人への共感力を身につけることも目的の一つです。
また、回避性パーソナリティ障がいで気分障がいやうつ傾向が見られるときは、症状を抑えるための薬物療法もあわせて、治療をおこないます。