MovieMovieみんなの障がい動画

みんなの障がい動画は、障がいに関する基礎知識などを、
動画でわかりやすくお伝えしていきます。

【大人の障がい】躁鬱とは?動画で詳しく解説!

躁鬱とは? 躁鬱とは「双極性障がい」とも呼ばれておりうつ病とはまったく違う病気です。うつ病のような症状も出ますが逆に「躁」という活発的で無敵な状態になることもあり日や月によって正反対の自分になってしまうので「双極性」といわれています。 なぜこのような症状が起こるのかは、いまだ解明されていません。一つの可能性としては、脳内にある様々な情報を受け取って反応する機能が生活習慣の乱れやストレスにより正しく機能しなくなることが考えられています。 また躁鬱になる人には「肥満型」「循環型性格」が多く見られます。BMIが30以上になると認知機能が低下し脳構造も変化することが確認されているためです。循環型性格とは「おとなしい」とよく言われるような性格のことです。 ストレスを上手く外に発散できずため込みやすい方が躁鬱になりやすいといえます。人口の0.4~0.7%といわれており約1000人に4~7人とそれほど多くない障がいです。けれど、超ストレス社会と言われている現代この割合はふえていくかもしれません。   主な症状 その日や月、または年によって、とても活発的になる症状と、逆に動けなくなり自己反省的になるという真逆の症状が見られることが特徴です。活発的な「躁」の状態になると、つぎのようになります。 寝なくても元気で活動できる 初対面の人にも知人のように話しかける 電話やメールをたくさんしてしまう 人の話を聞けず、自分の話をたくさんする 頭がさえわたり、アイデアが多く出てくるが、最後までやり遂げられない 何でもできそうな気がする 買い物やギャンブルに莫大な金額をつぎ込む 性的に奔放になる   意欲や活動が低下する「鬱」の状態になると、つぎのようになります。 疲れやすく何もやる気が起きない 好きなことにも興味がなくなる 眠れない、または逆にどれだけ寝ても眠気がとれない 自分に価値がないと思う   鬱の状態になると、躁の状態のときに自分がやってしまったことも思い出して後悔に苦しめられます。躁のときはまわりを傷つけたり振り回したりしてしまいますが鬱のときは自分を傷つけてしまうので、早期治療が大事です。 ただ活発的な「躁」のときは、自分が「双極性障がい」だと気づけないのでまわりが声をかけて気づかせることが必要になります。   治療方法について 躁鬱とうつ病はまったく治療方法が異なるのでうつ状態が「躁鬱」の「うつ」によるものなのか、「うつ病」の「うつ」によるものなのか、見極めが重要になります。 躁鬱の治療には、症状に合わせて心理的な療法と薬物治療の2つが並行しておこなわれます。うつ病のような症状がひどく、あまりに自己反省的になる場合は「認知行動療法」をおこない、物事の受け取り方を正していきます。 また病気を受け入れ、コントロールできるように「眠りと気分の記録表」などをつかって、自分の精神の状態を正しく理解する「心理教育」をおこなうこともあります。 薬物治療では、症状を抑えるために気分安定薬と抗精神病薬を使用します。双極性障がいはとても再発しやすい病気なので多くの方は規則正しい生活を送るように心がけながら長期にわたって薬と付き合い続ける必要があります。

【大人の障がい】境界性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!

境界性パーソナリティ障がいとは? 境界性パーソナリティ障がいは、「強いイライラ感」という神経症のような症状と、「現実が冷静に認識できない」という統合失調症のような症状があります。「神経症」と「統合失調症」の境界にある症状が現れることから、「境界性」と名前がついています。 境界性パーソナリティ障がいの患者は、一人でいることがむずかしく、人の気を引くために、自殺のそぶりをしたり性的に誘惑したりするなど、自己破壊的な行動が見られます。原因は明らかになっていませんが、遺伝的な要因と環境的な要因が考えられています。境界性パーソナリティ障がいの方は、もともと傷つきやすく繊細な気質なことが多く、さらに悪い環境が重なると、発症率がとても高くなります。 境界性パーソナリティ障がいは人口の約2%と少なくはない障がいで、若い女性に多いとされています。   主な症状 気分が急に変わること、感情のブレーキが効かないといった神経症的な症状と、自分が何者かわからないような空虚な気持ちをもつ統合失調的な症状が主にあります。この症状があると、つぎのようなことが起こります。 癇癪を起こす 自殺のそぶりや自傷行為をくりかえす 薬物やアルコールなどに依存しやすくなる 見捨てられることに強い不安を感じ、見捨てられないように必死に努力する 幸せを感じにくい 急に強い怒りを感じたり不安になったりする 強いストレスがかかると一時的に記憶がなくなることがある   治療方法について 治療方法は主に2つです。一つは、カウンセリングなどの精神療法と、症状を抑えるための薬物治療になります。精神療法は「認知行動療法」が主に使われます。まず行動面では、基本的な生活習慣を整えることから始めます。 認知面ではストレスや不安を感じた出来事をカウンセラーと話し合って、物事の受け取り方を変え、ストレスや不安への反応をへらしていきます。 あまりに症状が強い場合、症状を抑えるために薬物治療をおこないます。不安やストレス、睡眠障がいなど症状に合わせて、抗不安薬や気分安定薬が使われます。また最近では、オメガ3脂肪酸を含む栄養補助食品を服用することで、気分安定効果が得られ、症状が抑えられたことが確認されています。

【大人の障がい】回避性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!

回避性パーソナリティ障がいとは? 回避性パーソナリティ障がいとは、人や社会との関わりに不安を感じ、すべて避けようとする障がいです。米国の調査によるとこの障がいを診断されている人は全体の2,4%とされており、男女による違いはありません。回避性パーソナリティ障がいは社交不安障がいやHSPとも似ていますが、大きな違いがあります。 まず、最も症状が強く、仕事や社会生活すべてに影響が出ているのが、「回避性パーソナリティ障がい」です。とくに、「すべてに不安を感じる」という大きな特徴があります。 社交不安障がいやHSPには、不安を感じる特定の人物や場面があります。 たとえば、「会議が不安だから避けたい」「今している仕事の、○○の部分が不安に感じる」「あの人から何か嫌な印象を受けるから避けたい」などです。 回避性パーソナリティ障がいは、「人生」「すべて」「今日あること全部」「会社にいる人全員」など、特定の場面や人物がありません。「自分以外はすべて敵」のように感じ、引きこもりがちになったり、その他の心の病にかかったりして、社会で生きづらくなります。   主な症状 障がいを診断する基準であるDMSー5には、つぎのような症状のうち4つ以上に当てはまると、回避性パーソナリティ障がいの疑いがあると診断されます。 批判や避難されたり、人から拒絶されることを怖がって、仕事に必要なことでも避ける。 相手に好かれていると確信できないと、仲良くできない。 恥をかかされたり笑われたりすることが苦痛で、家族や友達にもどこか遠慮する 人との関わりのなかで、一番に「相手に批判や拒絶されること」を考えてしまう 「何をしても無理だろう」と思い、人と関係をつくりたがらない 社会不適合だと感じたり、人よりも劣っていると思う。 失敗して恥をかくかもしれないと思って、新しいことをするのを異常なほどに避ける。 とくに、人との接触を回避しようとする「回避行動」がよく見られることが特徴的です。   治療方法について 自己愛性パーソナリティ障がいの治療は、人との関わりに対する不安や恐怖をへらし、自尊心を高めることが大切です。治療法には、「個人療法」と「集団療法」が用いられます。 個人の精神療法では、「精神分析的心理療法」が役立つことが多いです。精神分析的新療法は、カウンセラーと一対一でおこないます。 患者はカウンセラーにまず、なんとなく心に浮かんだことを何でも話します。今感じている悩みだけではなく、無意識に自分が何を感じているかを分析するためです。この一対一の療法を長期間ゆっくり繰り返して、自分の無意識の部分を知ったり、問題の解決策を見つけたりします。ただ、効果を感じられるのに、人によっては数年単位になることもあります。 つぎに、「集団療法」では、同じ障がいをもった人たちで話し合い、自身の障がいに気づくことから始まります。障がいによって起こっている悩みや問題を共有し、他人への共感力を身につけることも目的の一つです。 また、回避性パーソナリティ障がいで気分障がいやうつ傾向が見られるときは、症状を抑えるための薬物療法もあわせて、治療をおこないます。

【大人の障がい】自己愛性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!

自己愛性パーソナリティ障がいとは? 自己愛性パーソナリティ障がいとは、「自分は誰よりも重要な存在である」と信じすぎて、 人間関係が上手くいかなかったり、生きづらく感じたりする状態のことです。この障がいと診断される人のうち、50~75%が男性だとされています。 他人に共感することができず、何よりも自分が特別で大切であると思っていることが大きな特徴です。自己中心的な行動をして、社会で上手く生きることができず、心の病にかかってしまう方もいます。 自己愛性パーソナリティ障がいの原因は、「生まれつきの気質」と「幼少期の環境」が考えられます。生まれつき自己愛が強く、共感性が低い気質であるお子さんはよくいますが、このような気質は大人になるにつれて落ち着く傾向があります。 けれど、子どものとき、何をしても怒られない環境や、逆に親が厳しく不自由すぎる環境、虐待を受けていたなど問題があった場合、自己愛性パーソナリティ障がいの発症率が高くなります。   主な症状 自己愛性パーソナリティ障がいは、「無感情型」と「過敏型」の2種類があります。無感情型は、周りの意見など全く気にせず、何を言われても、「自分は誰よりも特別だ」と考えて行動します。たとえば、仕事の営業成績で悪い結果が出たとしても、一番をとったかのようにふるまいます。さらに、自分以外の人を二番以下だと思い、見下す傾向があります。 そのため、周りからは「自己中」「威張っている」「虚言壁」と言われてしまうこともあります。過敏型は、周りの意見を気にしすぎて、行動することができません。けれど、過敏型も同じく、心の奥底では「自分は誰よりも重要な存在だ」と思っており、理想の自分がいます。 その理想の自分と現実の自分との違いに苦しみ、自己嫌悪することが多いです。また自分の意見を反対されることや、傷つくことを極端に避けようとします。「感情を表に出さない」「恥ずかしがり屋」「他人の反応に敏感」といった特徴が見られます。   治療方法について 自己愛性パーソナリティ障がいの治療法は、「個人精神療法」と「集団療法」があります。個人の精神療法では、「精神分析的心理療法」を使うことが多いです。 精神分析的新療法は、カウンセラーと一対一でおこないます。患者はカウンセラーにまず、なんとなく心に浮かんだことを何でも話します。今感じている悩みだけではなく、無意識に自分が何を感じているかを分析するためです。この一対一の療法を長期間ゆっくり繰り返して、自分の無意識の部分を知ったり、問題の解決策を見つけたりします。 つぎに、「集団療法」では、同じ障がいをもった人たちで話し合い、自身の障がいに気づくことから始まります。障がいによって起こっている悩みや問題を共有し、他人への共感力を身につけることも目的の一つです。 また、自己愛性パーソナリティ障がいで気分障がいやうつ傾向が見られるときは、症状を抑えるための薬物療法もあわせて、治療をおこないます。   その他特筆事項 自己愛性パーソナリティ障がいの治療には、ご自身が、「もしかしたら自己愛性パーソナリティ障がいかもしれない」と気づいていること、治したいと思っていること、「どのような自分でも受け入れる覚悟」が大事です。

【大人の障がい】演技性パーソナリティ障がいとは?動画で詳しく解説!

『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、演技性パーソナリティ障がいについて詳しく紹介します。   演技性パーソナリティ障がいとは? 演技性パーソナリティ障害は、劇の役を演じているように感情や考え方を過剰に強く示したり、外見をつかって自分に注目を集めようとしたりするなどの特徴が見られる障害です。有病率は全体の2%以下となっており、発症のしやすさに男女の違いはありません。 演技性パーソナリティ障害の原因は明らかになっていませんが、「子どもの頃に家族から十分な愛情を得られなかった」「演技性パーソナリティ障害の家族がいる環境で育った」 など、養育環境が原因のひとつではないかと考えられています。 演技性パーソナリティ障害は、注目を集めるために、自殺未遂や脅迫をおこなうことがあり、危険が多い障害です。身体症状やそのほか精神疾患を合併している確率も高く、早期治療が必要です。   主な症状 演技性パーソナリティ障害は人の注目を集めるための行動が特徴的です。「ふしだらな格好をして人を誘惑・挑発する」「いつも特徴的な恰好をする」「自分に注目が集まっていないと不機嫌になる」「中身がないような話を重要なことのように話す」「作り話をする・出来事を誇張して伝える」「自分から騒動を起こそうとする」などの症状が多く見られます。 自己愛とは違っており、演技性パーソナリティ障害の患者は注目のされ方にこだわりがありません。自己愛が強い方は、人から賞賛されたい、人に好かれたいという欲求があります。 演技性パーソナリティ障害の患者は、批判されても嫌われていても、注目されていればいい、と考えて行動します。 また、人との関係が実際よりも親密だと思っていることが、ひとつの特徴です。具体的には、「知り合って間もない人を、かけがえのない親友と呼ぶ」「知り合い程度の関係でもハグをする」「何度か話しただけで、相手の職業や立場に関わらず下の名前で呼ぶ」このように、すぐに人と親密になろうとしますが、新しい人間関係に飛びつく傾向があり、親友と呼んだ人とでも人間関係が長続きしません。   治療方法について 演技性パーソナリティ障害は、自分の本当の感情に気づくことがないため、まず精神療法をつかって、自分の内面を正しく把握させる治療が中心になります。医師と患者のあいだで何度もカウンセリングをおこない、自分の本当の感情と劇的な行動が合っていないことに気づかせたり、劇的な行動をとらなくてもコミュニケーションをとれるように学習したりして、演技性パーソナリティ障害の症状を消失させます。この精神療法はじっくりと時間をかけておこなうため、治療が年単位になることがよくあります。

【大人の障がい】スマホ依存症とは?動画で詳しく解説!

『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、スマホ依存症について詳しく紹介します。   スマホ依存症とは? スマホ依存症とは、心身に異常が起きているにも関わらず、スマホを手放せず、スマホに精神的に依存している状態のことをいいます。 「スマホが近くにないと不安を感じる」「着信や通知が気になって何度も画面を確認する」「人との関わりよりもスマホを優先する」「スマホに夢中になって睡眠がとれていない」以上に当てはまる方は、スマホ依存症の可能性が高いです。 スマホは依存しやすい性質を多くもっています。「知りたい情報をすぐに知ることができる」「着信や通知など反応がある」「飽きない」「どこでも気軽に持ち運びができる」という4つの要素が深く関係しています。 また、スマホ依存症は他の依存症とちがって、ずっとスマホをさわっていても罪に問われません。通勤中も食事中もスマホをさわっている人が多く見られるため、危機感なく、自覚もなく依存してしまいます。   主な症状 スマホ依存症の主な症状は、「脳疲労による機能の低下」と「体の発達や体調への悪影響」の2つです。スマホは深く考えることなく、大量に情報をインプットできるので、長時間スマホにふれると脳が疲れます。 脳が疲れると脳の情報処理機能全体が低下します。情報処理機能が低下すると、簡単に得られる快楽に流されやすくなるので、ますますスマホを見てしまい、脳疲労が激しくなるという悪循環が起きます。 脳疲労が激しくなり、前頭前野の働きが悪くなると、「うっかりミスが増える」「判断力・思考力・集中力が低下する」「感情をコントロールしづらくなる」などが症状として現れます。 「体の発達や体調への悪影響」としては、スマホを見ながら同じ姿勢を維持し続けることで、「肩こり」「腰痛」「猫背・巻き肩・ストレートネックなど姿勢の崩れ」が起きたり、 スマホの画面を見つめることで「ドライアイ」「眼精疲労」「スマホ老眼」など目の疾患にかかりやすくなったりします。 さらにブルーライトという強い光を浴びつづけることで、体内時計が狂い、睡眠が適切にとれない「睡眠障害」や、体調不良が続いて「うつ病」になる危険もあります。   治療方法について スマホ依存症は、「発達障害」や、そのほかの精神疾患が関わっていることもあります。そのため、スマホ依存症で病院を受診するときは、まず発達障害や精神疾患がないかを検査します。 発達障害や精神疾患が原因となっている場合は、原因の改善に向けて心理療法や薬物療法をおこないます。スマホ依存症への治療は、「認知行動療法」という心理療法を用いてスマホへの意識の改善、医師の指導による生活習慣の改善の2つを主におこないます。 スマホ依存症が重症の場合は、入院治療をおこなうことがあります。スマホから離れた環境で過ごし、規則正しい生活習慣を身につけたり、現実での人とのコミュニケーションを練習したりします。   その他特筆事項 スマホ依存症を治すには、スマホ依存を自覚し、治したいという強い意思をもつことが大切です。スマホに依存しているかどうかを確認するには、iphoneユーザーは「スクリーンタイム」 androidユーザーは「Digital Wellbeing(デジタル ウェルビーイング)」を設定から開いてみましょう。スマホの日・週・月ごとの使用時間や、アプリの使用時間を知ることができます。予想以上にスマホを使用していることに気づくかもしれません。 スマホ依存に気づいたら、「スマホ依存対策アプリの活用」「通知をオフにする」「少しずつスマホを使わない時間をふやす」「スマホ以外のストレス発散法を見つける」などで対策しましょう。

【大人の障がい】パニック障がいとは?動画で詳しく解説!

『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、パニック障害について詳しく紹介します。   パニック障がいとは? パニック障害とは、理由もなく急に動悸やめまい、吐き気や手足の震えなどのパニック発作が起こり、日常生活に支障をきたす障害のことです。日本人の100人に1人が経験しており、男性より女性の方が発症しやすいことがわかっています。 パニック障害の原因は、「遺伝的要因」と「環境的要因」の二つが大きく関係しています。 強いストレスや不安、激しい疲れ、睡眠不足など不規則な生活習慣、遺伝的要因、性格などが原因となって、脳内の伝達物質の働きに異常が起こり、パニック障害が起こると考えられています。 パニック障害になりやすいといわれている人の特徴は、「ストレスをためこみやすい」「内気で人見知りが激しい」「まじめで完璧主義」「神経質でこだわりが強い」など、 もともと不安やストレスを感じやすい性質をもつ人です。 パニック発作は、就寝前などリラックスしているときや、寝ているときにも起こることがあり、パニック障害の患者は「いつ発作が起きるのか」という恐怖にも苦しみます。その恐怖や不安から、他の精神疾患を引き起こしたり、外出できなくなったりなど、社会生活に大きく影響します。   主な症状 パニック障害の主な症状は、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」の3つです。「パニック発作」は、極度の恐怖や不安を感じると起こる体の反応のことであり、だれでも特定の場面でパニック発作を経験します。しかし、パニック障害のパニック発作は、恐怖や不安を感じない場面でも体が反応します。 「動悸や息切れ」「めまい」「異常な発汗」「手足の震え」「自分は死ぬのではないかという不安」「逃げなくてはいけないと感じる本能的恐怖」などが症状として現れます。 パニック発作の症状は頻度によって「中等度」と「重度」に分かれて診断されます。「中等度」は少なくとも月に4回以上のパニック発作がある状態、「重度」は週に4回以上パニック発作がある状態です。 「予期不安」とは、このような体の反応が「また起こるのではないか」「いつ起こるのだろうか」「次はもっと苦しいかもしれない」「今度こそ死んでしまうかもしれない」と、 発作が起きていないときにも強い不安を感じるという症状です。この症状が原因で仕事をやめたり、引きこもりになったりするなど、環境に変化が現れることも症状のひとつです。 「広場恐怖」は、発作が起きた状況や場所、発作が起きても逃げ出せないような状況を極度に避けるという症状です。「同じ場所でまた発作が起きるのではないか」「この場所で発作が起きたら逃げられない」「この場所で発作が起きると誰にも助けてもらえない」 広場という言葉が使われていますが、広場だけではなく、一人の外出、自家用車やバスの乗車などにも過度な恐怖を感じるので、外出恐怖や空間恐怖とも呼ばれます。パニック障害の患者の全体の4分の3が「広場恐怖」を経験するとされており、広場恐怖の症状があると外出をおそれ、引きこもりがちになります。   治療方法について パニック障害の治療は、精神科や心療内科で「薬物療法」と「心理療法」がよく併用されます。 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、抗不安薬、抗うつ薬を使って、パニック発作を抑えることができます。 これらの薬の服用と一緒に心理療法をおこなうことが重要と考えられています。 心理療法では「認知行動療法」や「曝露療法」の効果が認められています。 薬を服用しながら、恐怖や不安を感じる場面をあえて経験し、発作が起こらないことを学習して、不安や恐怖がなくなることを目指します。   その他特筆事項 パニック障害は慢性化しやすく、再発しやすい障害のため、自分で予防することも大切です。「休養をとる」「生活習慣を整える」「適度の運動」「アルコールやカフェインを摂りすぎない」アルコールやカフェインは脳を刺激し、不安感を強めます。 ストレスや不安をためこんだり、不規則な生活を送ったりしていると、自律神経が乱れ、発作が起きやすくなります。心や体の調子を整えて、パニック障害を予防しましょう。

【大人の障がい】離人症とは?動画で詳しく解説!

『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、離人症について詳しく紹介します。   離人症とは 離人症とは、解離性障害の一種であり、自分の意識や体が自分の物ではないように感じたり、物事がすべて現実ではないように感じたりする状態のことです。 離人症は人口の約2%に発生するといわれており、男女の割合は関係なく、10代から20代の発症が最も多いです。強いストレスや不安、激しい疲労、うつ病など精神疾患、違法薬物の使用などから引き起こされます。 脳科学の観点では、脳内のドーパミン物質の分泌が少ないと、離人症の症状につながりやすくなることがわかっています。離人症の症状は数時間で治まるものから、数日、数か月、重い場合は数十年にもわたって悩まされる方もいます。   主な症状 離人症の主な症状は「外界の見え方の変化」「感情の喪失」「自分の体への意識の変化」の3つです。 「外界の見え方の変化」の症状の現れ方は人それぞれであり、物や人が色あせて見える、物や人がぼやけて見える、ベールのように薄い膜ごしに物や人を見ているように感じる、夢を見ているように感じる、などです。 「感情の変化」は、感情が無くなったように思い、何かをしたりされたりしても、その意味をとらえることができなくなるという症状です。「自分の体への意識の変化」は、自分の体が自分の物ではなく、ロボットのように感じる、身体がまひしているように思う、自分の体の大きさや形がちがって感じる、自分のことを遠くから観察しているように感じる、などの症状があります。 これらの症状がありながらも、離人症の患者は「自分はおかしい状態だ」と気づくことができます。意識の混濁などはなく、妄想と現実の区別がしっかりついていることが、離人症の大きな特徴です。   治療方法について 離人症の根本的な治療法は確立されていません。そのため、精神科や心療内科では、「原因の除去」「心理療法」「薬物治療」などをおこない、離人症の症状を緩和することを目的とします。 強いストレスが原因の場合、ストレスを感じているものや環境から離れる、または問題の解決法を見つけることで、離人症の症状の改善を目指します。また、うつ病などその他の精神疾患から起こっているときは、うつ病など精神疾患の治療をおこないます。 心理療法には、認知行動療法や曝露療法などが用いられます。認知行動療法とは、物事のとらえ方を変えて、ストレスへの耐性を高める療法です。曝露療法とは、不安を感じる場面をあえて体験し、不安感に慣れていく療法です。 まずはカウンセラーと一緒に、不安を感じる場面を小さなことから体験し、少しずつ不安感をへらしていきます。しかし、離人症が心理療法で改善されることはむずかしく、多くは薬物治療が有効になります。薬物治療は、抗不安薬や抗うつ薬が主に使われます。"  

【大人の障がい】睡眠障がいとは?動画で詳しく解説!

『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、睡眠障がいについて詳しく紹介します。   睡眠障害とは "睡眠障害とは、睡眠をとるときに問題があり、からだに適した睡眠をとることができない状態のことです。統計によると、5人に1人が睡眠障害に悩まされています。 睡眠障害には複数の種類があります。代表的なものは、「不眠症」「過眠症」「概日リズム障害」「睡眠時呼吸障害」です。 そのほか、「むずむず脚症候群」「周期性四肢運動障害」「睡眠時随伴症」や、身体や精神疾患が引き起こす睡眠障害があります。睡眠障害の原因は、「ストレス」「精神疾患」「加齢」「体型」「不規則な生活習慣」「音など環境」「薬の副作用」「カフェインやアルコール」など、多くの原因があり、原因ごとに症状が変わります。"   主な症状 "主な症状は、「入眠困難」「中途覚醒」「早期覚醒」「過眠」の4つです。布団に入ってから1時間以上眠りにつけない「入眠困難」夜中に何度も起きてしまう「中途覚醒」、予定より早く起き、その後眠ることができない「早期覚醒」 睡眠時間は十分なのに熟睡した感じがしない、日中に激しい眠気が生じる「過眠」以上、4つの症状から、「頭痛やめまい」「適切な時間に起きられない」「集中力の低下」「疲れやすくなる」といった体の不調が起こります。"   治療方法について "睡眠障害は基本的に内科に受診し、治療を始めます。しかし、睡眠障害の原因がわかっている場合は、原因に合った診療科を受診しましょう。 ストレスが原因の場合は、精神科や心療内科に受診します。睡眠時の呼吸が原因だと思う場合は、呼吸器科内科が合っています。睡眠中に足がつる、手足がむずむずする、など身体的な問題で睡眠ができなくなっている場合は、脳神経内科の受診をすすめます。 睡眠障害の治療は、症状によって異なりますが、睡眠の質を高める、または睡眠を妨げる原因に作用する薬を使う「薬物治療」、医師による睡眠・生活習慣の見直し、照明を使って体内時計を整える「高照度光療法」などが主に用いられます。"

【大人の障がい】適応障がいとは?動画で詳しく解説!

大人の障がい「適応障がい」って? 『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、適応障がいについて詳しく紹介します。   適応障害とは "適応障害とは、特定の環境や状況に慣れることができず、気分や行動に重度の障害が起こることです。転勤や転職、結婚、引っ越し、新しい人間関係など、環境が大きく変わるときに発症しやすいです。 適応障害の原因はストレスです。ストレスになることがあってから3か月以内に症状があらわれた場合は、適応障害の疑いがあります。また、ストレスの感じ方は人それぞれのため、同じ環境の変化があっても、適応障害になる人と、ならない人がいます。そのため、本人の内面が適応障害の要因になることも考えられます。 適応障害になりやすいとされている人は、「ストレスが溜まっていることに気づかない」「心配性」「繊細で傷つきやすい」「まじめで几帳面」「完璧主義」などの特徴があります。"   主な症状 "症状は「身体」と「情緒」の2つに現れます。「身体」に現れる症状は、「眠れなくなる・眠りが浅くなる」「食欲不振」「涙が出やすくなる」「のどに異物感がある」「過呼吸」「動悸が激しくなる」「肩こり」「腰痛」などがあります。 「情緒」に現れる症状は、「イライラしやすくなる」「緊張や不安が続く」「むなしい気持ちになる」「集中力が下がる」「物事に敏感に反応する」などです。 このような症状から、「無断遅刻・無断欠勤を繰り返す」「ひきこもりになる」「暴飲暴食」「ギャンブルやアルコールに依存する」など、仕事だけでなく、健康生活にも支障をきたしてしまいます。"   治療方法について "適応障害の治療方法は、「環境調整」「心理療法」「薬物療法」の3つです。適応障害は、ストレスの原因がなくなると約6カ月以内に症状がなくなることが、大きな特徴です。そのため、適応障害の治療には、まずストレスの原因をなくす「環境調整」がよくおこなわれます。 たとえば、ストレスの要因が「職場」のときは、「休職する」「異動・役職の変更」「転職」になります。心理療法は、「認知行動療法」や「問題解決療法」が使われます。認知行動療法とは、物事のとらえ方や考え方のゆがみを治し、ストレスにたいして適切な行動がとれるようにして、本人の適応力を高める療法です。 問題解決療法は、本人が抱えている問題や症状に最も有効な解決策を見つけ出す療法です。薬物療法は、適応障害の症状が重いときに、その症状を緩和するために使用されます。薬物療法で適応障害が治るわけではないので、薬の使用には慎重になる必要があります。"

【大人の障がい】DCDとは?動画で詳しく解説!

大人の障がい「DCD」って? 『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、DCDについて詳しく紹介します。   DCDとは? "ディーシーディーとは、「発達性協調運動障害」といい、身体に問題がないにも関わらず、協調運動をおこなうことに困難がある障害です。協調運動とは、手や足、目など複数の部位を動かす運動のことです。 たとえば、「歩く」は、足を交互に前に出すという複数の動作があります。「字を書く」は「ノートを見る」「鉛筆をもつ」「動かす」、「縄跳び」は「縄を回す」「飛ぶ」など、複数の部位を動します。 このように全身運動や、手先を動かすことに困難が生じるので、日常生活や仕事にも支障をきたすケースがあります。ディーシーディーは小脳の機能不全によって起こることがわかっています。生まれつき脳機能に偏りがある「発達障害」と併発し、「ADHD」や「ASD」とともに、ディーシーディーの症状が見られることが多くあります。 そのほか、「ビタミンE欠乏症」や「熱中症」で小脳の機能に異常が起きて、ディーシーディーの症状が現れるケースもあります。ディーシーディーの発症頻度は6~10%とされており、とくに「男児」がディーシーディーになりやすいと考えられています。"   主な症状 主な症状は、運動に関する感覚に障害が起こること、細かな動作や全身運動に重い困難が生じることです。日常生活では、「字をすらすらと書けない」「ひもを結ぶことに時間がかかる」「箸を正しく動かせない」などがあります。また、ディーシーディーは運動に関する「平衡感覚」や「固有感覚」にも影響します。 平衡感覚とは、身体のバランスを保つ感覚のことです。平衡感覚に障害があると、「まっすぐ歩けない」「姿勢が崩れやすい」「めまいがよく起こる」などの症状があります。固有感覚とは、自分の体の動きや位置の把握、力に関わる感覚のことです。 固有感覚に障害があると、「よく物を落とす」「転びやすくなる」「力加減ができない」などがあり、自分の思うとおりに体を動かせにくくなります。仕事では、「化粧ができない」「自動車を運転できない」「料理ができない」「メモをとれない」「パソコンのタイピングができない」など、広く困難が生じます。 ディーシーディーは「不器用」「重度の運動音痴」だと思われやすいので、障害に気づかないと、自信をなくしたり、いじめの対象になったりして、ほかの精神疾患を引き起こすこともあります。"   治療方法について ディーシーディーの根本的な治療はないため、「理学療法」「作業療法」「感覚統合療法」などの3つを組み合わせて症状を改善します。理学療法士や作業療法士の支援を受けながら、感覚を意識ながら体を動かすトレーニングをします。 指先の細かい作業が苦手な方は、細かな作業に集中して訓練し、困難をへらしていくことを目標にします。

【大人の障がい】LD(学習障がい)とは?動画で詳しく解説!

大人の障がい LD(学習障がい)って? 『大人の障がい動画』では、様々な障がいに焦点を当て、理解と共感を促進していきます。 今回の動画では、LD(学習障がい)について詳しく紹介します。   LDとは LDとは、学習障害と呼ばれ、「読み書き」や「計算・推論」に困難が見られる状態のことをいいます。LDは発達障害の一種であり、生まれつき脳機能に偏りがあることから症状が現れます。しかし、子どものころにLDがまわりに気づかれず、大人になってからLDが発覚する「大人のLD」があります。 「大人のLD」は子どものLDより複雑であり、二次障害を発しているケースが多く見られます。二次障害とは、LDのような発達障害が原因で、不安障害や睡眠障害など他の障害が引き起こされることです。LDは見た目からすぐわかる障害ではないので、まわりからは怠けていると評価されたり、勉強や仕事ができないため自信をなくしたりして、働くことをやめてしまう方もいます。   主な症状 LDの主な症状は、読字障害(ディスレクシア)、書字表出障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)の3つがあります。読字障害は、読むことに困難がある障害です。「読むことに多くの時間がかかる」「文末を読み違える」「文や行を読み飛ばす」など、読むことに困難が見られます。 書字表出障害は、書くことに困難がある障害です。「鏡文字を書いてしまう」「似ている文字の判別ができない」「書き写すことができない」など、書くことに困難が見られます。 算数障害は、計算や推論することに困難がある障害です。「数を数えることが苦手」「時計を見て時間を知ることがむずかしい」「数を使って推論することがむずかしい」など、数字に関することで困難が見られます。このような症状が6カ月以上続くと、LDの疑いがあると診断されます。   治療方法について 学習障害を根本的に治療する方法は現在ありません。自分やまわりの環境を整えて、学習障害による困りごとを減らす方法になります。 読字障害の場合は、「資料には文章だけではなく図や画像をつかう」「読み上げアプリを使用する」 書字障害の場合は、「メモではなく写真を撮って記録する」「ボイスレコーダーを使う」「指示をあらかじめ文書でもらう」 算数障害の場合は、「電卓を使用する」「自分で計算をおこなうときは合っているかどうかを確認する」 このように、便利なアプリやツールの使用と、周囲の理解・協力が必要になります。自分の苦手な仕事を把握し、アプリやツールの利用の許可をとるなど、周囲へ協力を求めましょう。

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