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TSD(テイ・サックス病)
TSDとは?
遺伝によって乳幼児期に発症する脳の疾患です。
生後6か月頃から視力や聴力の低下、筋緊張の低下が起こり、成長に伴い精神や運動の著しい発育遅滞が目立ってきます。やがて筋委縮を起こし、マヒが起こります。 いずれは目も見えなくなり、発声も嚥下もできなくなり、一般的に3~5歳で亡くなることが多い疾患です。
比較的少ないですが2~10歳で発症する若年型、さらに稀ですが成人になってから発症する成人遅発型もみられます。
TSDの原因
原因は、遺伝子要因による先天性の代謝異常です。 細胞中のライソゾームという構造物の中に存在する酸性脂様物質GM2ガングリオシドを分解するための酵素が十分に働かないため、脳内の神経細胞にGM2ガングリオンが蓄積されてしまい、細胞本来の働きができなくなるというものです。
治療法は確立されていないため、幼児期までに死亡してしまうのが実情ですが、現在、遺伝子分野においても薬学分野においても、治療法の研究が盛んに進められています。