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障がい者が障がい者の課題解決を行う新しいコミュニティ凸凹村「村長乙武洋匡の対談部屋」心のバリアフリー パート②公開!
障がい者が障がい者の課題解決を行う新しいコミュニティ「凸凹(でこぼこ)村」が始動!
凸凹村企画のひとつ「村長乙武洋匡との対談」も配信開始しています!
第二回目のゲストは、車椅子インフルエンサーの中嶋涼子さんです!
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▽【乙武村長の対談部屋】中嶋涼子さん 心のバリアフリー パート②「こんな条例があったらいいのに!?もっと自由になれ、日本」
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アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)とは?その特徴と対応方法
以前は、言葉や知的発達に遅れがない場合、「アスペルガー症候群」という名称が用いられていました。しかし、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において、自閉的特徴を持つ疾患が統合され、2022年発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症(ASD)」という診断名になりました。本記事では、この新しい診断名を使用しています。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特徴
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特徴には、次のような点が挙げられます。遠回しな表現や比喩を使った表現、表情や仕草から相手の感情を読み取ることに困難さがあるため、自分の話ばかりしてしまったり、相手が傷つく言葉を悪気なく伝えてしまったりすることがあります。また、一度決まったルーティンが崩れたり、新しい環境に適応する必要が生じたりするなど、変化に対する抵抗が強いとも言われています。
知的発達や言語発達の遅れがないため発見が遅れやすい
知的発達や言語発達に遅れがないため、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)は発見が遅れやすいという特徴もあります。幼少期からアイコンタクトの少なさや気持ちの共有がしにくいといったコミュニケーションの取りにくさを感じることはありますが、発達的な課題があることに気づかれにくいのです。
また、表面的な言語的コミュニケーションを取ることができ、学力的にも問題がない場合が多いため、大人になるまで診断がつかないこともあります。
アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の原因と早期療育
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の原因は明確には分かっていませんが、先天的な遺伝的要因が素因として考えられています。これが胎児期や出生後に脳や心身の発達過程で様々な環境要因と相互に影響し合い、結果として脳機能障がいとして現れると言われています。
近年、発達が気になるお子さまへの早期療育を行う例が増えてきています。早期から介入し療育を行うことで、特性自体を治療することは難しいものの、いじめ、不登校、抑うつなどの二次的な問題を予防することができると言われています。このような早期療育は、特性の理解と適切なサポートを通じて、子どもたちがより良い生活を送るための重要な手段となっています。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特徴
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)には、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性があります。
社会的コミュニケーションの困難
ASDの人々は、会話自体は問題なくできるものの、行間を読むことが苦手な傾向があります。そのため、言葉を文字通りに受け取り、人の発言を勘違いしやすく、傷ついてしまうこともあります。具体的な特徴として、曖昧なコミュニケーションが苦手だったり、その場にふさわしい話し方ができない場合があります。また、複数の人がいる場面で誰に対して発言しているのか分からなかったり、相手や環境の変化に気づかないことがあります。
対人関係の困難
場の空気を読むことや相手の気持ちを理解し、それに寄り添った言動が苦手な傾向があります。そのため、場にそぐわない言動をしたり、自己中心的と思われたり、意図せず相手を傷つけてしまうことがあります。このような特性から、対人関係を上手に築くことが難しくなることがあります。
こだわりが強い
一旦興味を持つと過剰なほど熱中し、他のことが目に入らなくなったり、自分の興味のあることをずっと話し続ける傾向があります。また、法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せることがあります。これらの法則や規則が崩れることを極端に嫌うため、ルールや予定が変更になると混乱することもあります。しかし、この特性は強みとして活かすこともでき、興味のある分野では大量の情報を記憶し、詳細に説明できる人も多くいます。
感覚の偏り
ASDの人々には、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚のどれかが非常に過敏な「感覚過敏」が多く見られます。例えば、服の肌触りや匂いにこだわり、いつも同じ服を着たがったり、ザワザワした職場や教室で過ごすことに苦痛を感じたりする場合があります。また、食事において偏食があり、強い匂いのする食べ物が苦手なこともあります。このように感覚に対する強いこだわりがある場合があります。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)によく見られる行動リスト
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特徴として、以下のような行動がよく見られます。
相手の反応や状況を察することが難しい
表情や声のトーンから感情を読み取ることが難しい:相手の気持ちや感情を表情や声のトーンから読み取ることが苦手です。
発言が一方的
交互に話すことができない:会話のキャッチボールが苦手で、自分の関心のある話を一方的にし続けてしまうことがあります。
大人との会話を好む
大人との会話を好む:同年代の子どもよりも、自分に合わせて会話を進めてくれる大人との会話を好む傾向があります。
言葉の裏の意味や曖昧な表現が分からない
皮肉が分からない:例えば、皮肉を言われても理解できないことが多いです。「最近どう?」といった曖昧な質問の意図が分からないこともあります。
特定のものやことがらにこだわる
変化に対する不安や緊張:想像力を巡らせることが苦手なため、ちょっとした変化に不安や緊張を感じ、いつも通りであることにこだわることがあります。
ものの形や図柄が変わらないものを好む
一定のパターンや規則性を好む:駅名や国旗などの変わらないものが好きです。自分なりのルールに従ってミニカーを並べるなどの遊びを好むこともあります。
同じ動作を繰り返す
反復的な動作:体を揺らす、クルクル回るなどの動作を繰り返します。また、ルールに対して非常に厳格で、柔軟に対応するのが難しいです。
これらの行動は、ASDの人々が日常生活で直面する典型的な課題や特性を反映しています。理解とサポートを通じて、彼らがより良い生活を送るための助けとなることが重要です。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の大人と子どもの症状の違い
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の症状は、大人と子どもで多くの部分が共通しています。症状は子どもの頃から持続し、大人になると社会的な状況や求められるスキルの変化により、その影響が異なる形で現れることがあります。
子どもの症状
コミュニケーションや対人関係の困難:友達がなかなかできなかったり、曖昧な表現や皮肉が理解できず、相手の気持ちを読み取ることが難しいため、いじめの対象になることがあります。
こだわり行動:特定のルーティンや活動に固執し、新しいことや変化に対して強い抵抗を示すことがあります。
支援と環境:学校では授業や宿題などのルーティンが決められており、周囲の大人からのサポートもあるため、彼らの特徴が目立ちにくい場合もあります。
大人の症状
就職活動や仕事での困難:大人になると、上司や部下、同僚とのコミュニケーションが増え、場の空気を読んだり、相手の発言の裏にある意図を理解したりするスキルが求められるようになります。これが苦手なため、職場での対人関係で問題が生じやすくなります。
対人関係の問題:子どもの頃から持っていた対人関係の困難さが、大人になってからの職場や社会生活で顕著に現れ、悩みの原因となることがあります。
診断の遅れ:大人になって初めて対人関係の問題に気づき、医療機関を受診して診断を受けるケースも多く見られます。
子どもと大人の違い
サポートの有無:子どもは学校や家庭でのサポートを受けやすい環境にある一方、大人になるとサポートを受ける機会が減少し、自分自身で対処しなければならない場面が増えます。
求められるスキルの変化:子どもの頃は決まったルーティンの中で生活できることが多いですが、大人になると柔軟な対応や高度なコミュニケーションスキルが求められるようになります。
以上のように、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の症状は大人と子どもで共通する点が多いものの、年齢による社会的な要求や環境の違いにより、その影響が異なる形で現れることが多いです。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の子どもとの接し方
見てすぐ分かる環境に整える
漠然とした空間や時間の把握が難しいお子さまには、視覚的に理解しやすい環境を整えることが効果的です。イラストや写真を使って手順や1日のスケジュールを明確に示したり、空間を目的に合わせて仕切ったりすることで、何をする場所なのかが分かりやすくなり、行動しやすくなります。
指示は短く具体的に
抽象的な表現ではなく、具体的な言葉で指示を出すことが重要です。「ちゃんと片づけてね」ではなく、「車を箱に入れて」と具体的に伝えると、お子さまが何をすればよいか分かりやすくなります。また、「走らない」ではなく「歩こう」のように、否定形ではなく肯定形で指示を出すと、適切な行動が理解しやすくなります。
注意を引いて、事前に伝える
コミュニケーションを取る際には、お子さまの注意を引くことが重要です。肩を叩く、目を合わせるなどしてから話しかけると、伝えたいことを確実に伝えやすくなります。口頭だけでなく、視覚的なサポートを併用することも有効です。
できる行動に着目し、できない行動は事前・事後の関わりを工夫する
対人コミュニケーションが難しいお子さまには、具体的な行動の手本を示すことが大切です。うまく行動できた時には、すぐにほめるなど、その子にとってうれしいと感じる場面を増やすことで、行動の定着が促されます。現時点でできていることを積極的にほめたり、難しい行動を段階的に促すなどの工夫をして、周りとのスムーズなコミュニケーションをサポートします。
実践例
視覚的な支援:毎日のスケジュールをイラストで示したカレンダーを作る。たとえば、朝のルーティン(顔を洗う、歯を磨く、朝食を食べる)をイラストと一緒にリストにして掲示します。
具体的な指示:片づける時には「おもちゃを棚に置いて」と具体的な動作を示します。行動を促すときには「手を洗おう」と具体的な動作を肯定的に伝えます。
注意を引く方法:話しかける前に肩を軽く叩いて注意を引き、「これから話すよ」と目を合わせて伝えます。視覚的な支援として、重要な指示はイラスト付きのメモに書いて渡すことも有効です。
成功体験の強化:お子さまができた行動について、すぐに「よくできたね」と具体的にほめる。たとえば、「今日、おもちゃをちゃんと片づけられてすごいね」とほめることで、行動が定着しやすくなります。
このような接し方を心がけることで、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)のお子さまが安心して生活できる環境を整え、よりスムーズにコミュニケーションを取れるようサポートすることができます。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の治療
現在のところ、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の症状を根本的に治療することはできません。しかし、トレーニングによって本人のコミュニケーション能力を高めたり、周囲からのサポートによって困難さを減らすことはできます。子どもの頃に受けるそういったアプローチのことを「療育(発達支援)」と呼んでいます。
「療育(発達支援)」とは言葉や身体機能など発達に遅れの見られる子どもについて、生活への不自由をなくすよう専門的な教育支援プログラムにのっとり、トレーニングをしていくことを言います。また、大人になってからはSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)と呼ばれる対人関係をうまくおこなうための社会生活技能を身につけたり、障がいの特性を自分で理解し自己管理をするためのトレーニングを受けることがあります。
また、対人関係などの悩みにより眠れなくなったり、抑うつ的になったりした際には、それらの二次的な症状を緩和させるために薬物療法が用いられることがあります。ただ、薬には副作用やその人ごとに合う合わないがあります。そのため低年齢の子どもの場合はより慎重に進めるべきという専門家もいます。主治医の先生と信頼関係を築き、よく相談した上で服薬していけるとよいでしょう。
まとめ
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)にはさまざまな症状がありますが、その症状には個人差があります。早期にそれらの特性に気づき、一人一人に合った環境をつくること、苦手なことの対応方法を工夫して、特性を強みとしながら、その人らしい生き方を考えていきましょう。理解とサポートを通じて、ASDの方々がより良い生活を送れるよう、共に歩んでいくことが大切です。
参考
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)とは?|LITALICOジュニア
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睡眠改善のプロフェッショナル 小西悟氏にインタビュー!睡眠改善メソッドを通じた健康と幸せのサポート
この度は、睡眠改善サロン ボンヌール 小西悟様にインタビューをさせていただきました!小西様は、これまでのキャリアで多岐にわたる職種を経験し、特に睡眠不足やストレスが原因で何度も病気と戦ってこられました。
そんな中、睡眠改善メソッドとの出会いをきっかけに体調を回復し、現在は睡眠改善を通じて皆さまの健康と幸せをサポートする活動に力を注いでいらっしゃいます。本稿では、小西様がこの活動を始められたきっかけや思い、今後の展望、そして皆さまにお伝えしたいことについて詳しくお話しいたします。
ぜひ、最後までお読みいただき、小西様の情熱と取り組みをご理解いただければ幸いです。
睡眠不足やストレスにより「うつ病」を5回も発症
私は1983年にある企業に入社し、研究、営業、総務など、37年間にわたり様々な職種を経験しました。この間、睡眠不足やストレスにより「うつ病」を5回も発症し、そのたびに休職を余儀なくされました。
4回目の発症時には「双極性障がい(躁うつ病)」と診断され、最後の5回目は嘱託契約中に発症し、契約期間内に復職できず、結局は不本意ながら退職することになりました。
その後も長らく体調が回復せず、苦しい日々を送っていました。そんな時、睡眠改善メソッドという最高最強の睡眠改善・体調改善方法を知り、実践することにしました。その結果、体調が改善し元気に活動できているため、本当に睡眠改善メソッドに出会えて良かったと思っています。
第二の人生のミッション
また、私の息子は重度の自閉症であり、幼少期から特別支援学校にお世話になりました。いろいろありましたが、家族みんなで支え合いながら彼を育ててきました。この経験から、うつ病を患いながら復職を目指す方やそのご家族、さらには精神的に辛い状況にある方や障がいをお持ちの方々とそのご家族に寄り添い、支援していくことを私の第二の人生のミッションとして掲げています。
ですので、睡眠に関するお悩みや相談はもちろんのこと、その他にも何かお困りのことがあれば、遠慮なくご連絡ください。いつでもお話をお聞きします。また、下記にQRコードを示しますが、公式LINEに登録していただければ、特典情報の提供や情報交換をさせていただきますので、皆様のご登録をお待ちしております。
支援を必要としている方に知って欲しい
現在活動をしていますが、ターゲットとしている方にリーチできていません。睡眠関連のブログから集客をしていましたが、今年に入ってからは人づてを中心に変更して取り組んでいます。SNSだけの場合に比べて集客は多少前進していますが、まだまだ十分ではありません。
多くの方からの相談を募集中
コミュニティで行うフェスやマルシェでの集客も試みていますが、まだまだ不十分です。特に、ミッションに掲げているうつ病や障がいをお持ちの方にリーチできていません。もちろん、こういった障がいをお持ちの方だけが対象ではないですが、集客面でなかなかうまくいっていません。
また、公共の機関(市、区、支所、社会福祉協議会、PTA協議会)、地域コミュニティ等へ活動のチラシを配布し、面談での説明要望等を昨年後半に実施しました。一部の社会福祉協議会関係では、2か所の老人福祉センターでセミナーを実施しましたが、これもまだ十分とは言えません。
コラボレーションなどを行いたい
睡眠に関する正しい知識を広めるために、セミナー活動や個別カウンセリングを中心に進めていきたいと考えています。
また、他分野の方とのコラボレーションで何かできないかとも思っています。もし何か良いアイデアがありましたら、ぜひご教示いただければと思います。また、コラボレーションをしたいというお問い合わせも募集しておりますので、お気軽にご連絡ください。
重要な睡眠を少しでもサポートしたい
障がいをお持ちの方が、よりいきいきとしたときめきのある幸せな生活を送れるようにしたいと考えています。そのために、健康面や精神面で非常に重要な睡眠について、少しでも改善をサポートしていきたいと思います。
無料相談公式LINEから受け付け中
無料相談を公式LINEから受け付けています。また、睡眠に関するセミナーの開催についても随時受け付けています。開催日や内容等はご相談のうえ決定いたします。次のQRコードからご応募ください。
公式LINEの内容
無料個別相談受付、睡眠に関するセミナー開催要望受付、その他特典情報の提供や情報交換
睡眠に関する重要な情報や、私が30年にわたり集めた名言集、癒しの写真などを発信
FacebookやアメブロのSNSには、睡眠に関する投稿が100件、精神的救いになるかもしれない名言集が60件、その他の投稿があります。これらは随時更新中ですので、ぜひご覧ください。(左:LINE、中央:Facebook)
まとめ
小西悟様の情熱と経験が詰まったインタビューをお読みいただき、誠にありがとうございました。睡眠改善を通じて、皆さまの健康と幸福をサポートするための小西様の取り組みは、多くの方々にとって希望と勇気を与えるものでしょう。
お困りのことや相談がありましたら、ぜひ公式LINEやSNSを通じてご連絡ください。これからも小西様の活動にご注目いただき、一緒により良い生活を目指していきましょう!
障がい者が障がい者の課題解決を行う新しいコミュニティ凸凹村「村長乙武洋匡の対談部屋」心のバリアフリー パート①公開!
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厚生年金加入者のための障がい厚生年金ガイド:厚生障がい年金を請求するための手続き
厚生年金に加入していた方が病気やケガで「1級・2級・3級」に該当した場合、厚生障がい年金の手続きについてご説明します。
厚生障がい年金を受け取るには、診断書や書類の準備に時間がかかります。請求書類を提出してから結果が出るまでには通常3〜4カ月かかります。さらに、支給が決まってから実際に障がい年金が振り込まれるまでにも約2カ月程度かかります。
請求が遅れると、受給できる金額が減少する可能性があるため、早めの手続きが重要です。
受給要件を満たしているか確認する
まず、厚生障がい年金の受給要件を確認しましょう。
次に、保険料納付要件を満たしているかどうかが分からない場合には、年金事務所や年金相談センター、市区町村役場の国民年金課で調べることができます。
満たしていることが確認できたら、その場で障がい年金の請求に必要な書類を受け取りましょう。または、日本年金機構のホームページから書類の雛形をダウンロードすることもできます。
初診日を証明する書類を揃える
まず、初診日を証明する書類を揃えましょう。
初診日とは、障がいの原因となった病気やケガについて、初めて医師などの診療を受けた日を指します。その際、医療機関にて「受診状況等証明書」という書類を取得しましょう。
ただし、初診の医療機関と後で診断書を作成する医療機関が同じ場合には、この書類は不要です。
障がいの状態が分かる診断書を医師に書いてもらう
障がいの状態が分かる診断書を、医師に書いてもらいます。
この診断書は、障がいの程度を確認するための重要な客観的資料となり、障がい年金の審査でも最重要視されるものです。
診断書には以下の8種類があり、病気やケガの障がいが出ている部位によって診断書を使い分けてください。
眼の障がい用(様式第120号の1)
聴覚、鼻腔機能、平衡機能、そしゃく・嚥下機能、言語機能の障がい用(様式第120号の2)
肢体の障がい用(様式第120号の3)
精神の障がい用(様式第120号の4)
呼吸器疾患の障がい用(様式第120号の5)
循環器疾患の障がい用(様式第120号の6-(1))
腎疾患・肝疾患・糖尿病の障がい用(様式第120号の6-(2))
血液・造血器・その他の障がい用(様式第120号の7)
病歴・就労状況等申立書を作成する
次に、「病歴・就労状況等申立書」を作成しましょう。
この書類は、障がいの原因となった病気やケガについて、発病したときから現在までの経緯をまとめて説明するものです。受診期間や治療の経過、医師からの指示内容、日常生活の状況、そして就労状況などを詳細に記載します。
その他の必要書類を用意する(住民票など)
その他、住民票や受取先口座の通帳など、障がい年金の請求手続きに必要な書類を用意します。
全員
基礎年金番号が確認できる書類(基礎年金番号通知書・年金手帳など)
生年月日を明らかにできる書類(戸籍謄本、住民票など)
受取先金融機関の通帳など
配偶者または18歳到達年度末までのお子様(20歳未満で障がいの状態にあるお子様を含む)がいる方
戸籍謄本
世帯全員の住民票の写し
配偶者の収入が確認できる書類
子の収入が確認できる書類
障がいの原因が第三者行為の方
第三者行為事故状況届
交通事故証明または事故が確認できる書類
確認書
被害者に被扶養者がいる場合、扶養していたことがわかる書類
損害賠償金の算定書
損害保険会社等への照会に係る「同意書」
※その他、本人の状況によって必要となる書類があるケースがあります。
年金請求書と必要書類を提出する
ここまでに準備した必要書類を添えて、「年金請求書(国民年金・厚生年金保険障がい給付)様式第104号」を、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターに提出します。
約3〜4カ月で審査の結果が届く
請求書類を提出後、日本年金機構がそれを審査し、「障がい年金を支給するか」を判断します。この審査には約3〜4カ月かかり、結果は自宅に通知されます。
支給が決定されると、「年金証書」と「決定通知書」が送られてきます。その後、約1〜2カ月後に最初の障がい年金が口座に振り込まれます。
一方、支給されない場合は「不支給決定通知書」が送られてきます。この場合、審査結果に納得できない場合は、不服申し立て(審査請求)が可能です。
障がい者が受け取れる厚生年金についてのQ&A
ここからは、障がい者が受け取れる厚生年金について、多くの方が疑問に思うポイントについて、よくある質問と答えの形式でまとめました。ぜひ参考にしてください。
Q.障がい年金と老齢年金を両方受け取ることはできるの?
A.65歳以降になって、障がい基礎(厚生)年金を受けている方が、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けられるようになったときは、次のいずれかの組み合わせを選択することができます。
出典:日本年金機構|年金の支給に関すること>年金の併給または選択
(1)障がい基礎年金+障がい厚生年金を受け取る
(2)老齢基礎年金+老齢厚生年金を受け取る
(3)障がい基礎年金+老齢厚生年金を受け取る
ただし、障がい基礎年金と老齢基礎年金の組み合わせで受け取ることはできません。
自分のケースではどの年金を受け取るとお得になるかを計算した上で、どの年金を受け取るかを選択しましょう。
Q.働きながら障がい年金も受け取ることはできるの?
A.障がい年金の受給は、障がいの状態により個別に認定審査を行うため、一概に受給が継続できるとは限りません。しかし、働きながら障がい年金を受け取っている方もいます。実際、2019年時点では、障がい年金受給者の約半数が仕事をしている状況です。
障がい年金の受給条件には「就労の有無」は含まれていないため、「働いているから支給が停止される」ということはありません。
ただし、障がい年金は「病気やケガで生活や仕事などが制限される場合に受け取ることができる年金」です。
障がいが以前よりも軽くなった場合、障がい年金の認定審査(1〜5年周期)のタイミングで、支給が停止されたり減額されたりするケースがあります。
振り返り
本記事では「厚生年金加入中の障がい者がもらえる年金」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。
厚生年金加入中に障がい認定(1〜3級)を受けた場合、障がい厚生年金が受け取れる
ただし、一定期間以上の加入期間があり、国民年金の保険料を一定期間以上しっかり払っていることが条件がある
厚生年金に加入中に障がい者になった方がもらえる年金の一覧
障がい等級1級・2級の方:障がい基礎年金+障がい厚生年金がもらえる
障がい等級3級の方:障がい厚生年金がもらえる
障がい等級3級よりも軽い障がいの方:障がい手当金(一時金)がもらえる
障がい厚生年金・障がい手当金の金額
厚生年金に加入していた方が障がい認定された場合の、障がい厚生年金および障がい手当金の金額は、障がいの程度によって異なる
厚生障がい年金を請求するための手続きステップ
受給要件を満たしているか確認する
初診日を証明する書類を揃える
障がいの状態が分かる診断書を医師に書いてもらう
病歴・就労状況等申立書を作成する
その他の必要書類を用意する(住民票など)
年金請求書と必要書類を提出する
約3〜4カ月で審査の結果が届く
障がいの状態にもよりますが、障がい年金をもらいながら就労している障がい者も多くいます。
まとめ
厚生障がい年金の手続きは複雑で、時間がかかることもありますが、正確な情報と早めの行動が重要です。また、障がい者が働きながら障がい年金を受け取ることも可能ですが、状況によっては支給が停止される可能性もあるため、定期的な審査や情報の更新が必要です。障がい者とその家族が適切な年金を受け取るために、情報の共有やサポートが重要です。
参考
障がい者が受け取れる厚生年金は?加入者が知るべき年金種別と受給条件
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精神障がい者の才能を活かす挑戦 ~法すう株式会社の取り組みと未来への展望~
このたび、法すう株式会社 代表取締役である菅原 淳一 様に取材の機会をいただきました。
菅原様の情熱とビジョンは、多くの人々に勇気と希望を与えるものであり、その取り組みの背景には深い思索と確固たる信念がありました。
菅原様がどのような想いで起業し、どのような課題に直面しながらも精神障がい者の支援を行っているのか……以下では菅原様の活動のきっかけや現在の課題、そして未来への展望について詳しくご紹介いたします。
「自由研究コンテスト」を企画運営
私たち法すう株式会社は、精神に不安をかかえる方々を対象として「自由研究コンテスト」を企画運営しています。
経営陣はともに30歳前後に統合失調症に罹患した夫婦です。
2019年に出会い、同年に結婚した私たち夫婦は、20年近くにわたりそれぞれ療養生活を送ってきました。
夫婦二人でコロナ禍において幾多のプロジェクトを試行したのち、一昨年10月に当プロジェクトを発起。昨年2023年3月に法人化しました。
活動を開始したキッカケは妻との出会い
私は妻と出会った当初から起業を考えていました。
今まで、個性や能力のある仲間たちを見ながら、彼らがただ疲弊していくことへじくじたる想いや、障がい者雇用にもは疑問を感じていましたし、自分たちならその問題を解決できると思っていたからです。
さらに、コロナ禍において世の中全体が疲弊しギスギスしていく中で、精神的にも経済的にもゆとりのある生活を送りたい、そして自分たちならその問題を解決できる、という気持ちが一層強くなりました。
オンラインでできるイベントの構想
オンラインでできるイベントの構想は早い段階から頭の中にありました。世間がオンラインでのイベントを求めているように感じましたし、起業におけるさまざまなリスクも低減できると思ったからです。
精神障がい者の社会的地位の向上のために
障がい者雇用において、特に精神障がい者を雇用するケースでは、様々なハードルが高いと言われています。
見た目で健常者と判別できないケースも多く、理解が進まないために差別的な扱いを受けることも少なくありません。
そんな精神障がい者は増加の一途をたどっています。
障がい当事者である我々は救済されるべきであり、社会的地位の向上が図られなければならないと強く思っていました。
芸術や文芸、科学などの諸分野で活躍し、功績を残した歴史上の精神障がい者に強く思いを馳せながら、精神障がい者の社会的地位をどうしたら向上させられるのか……
と、様々な催し事を計画しましたが、どれも決め手に欠けていました。
さらにネックとなるのが匿名性の保持でした。なぜなら、障がいをオープンにしたくない方がほとんどであろうと予想されたからです。
しかし、何かしらの手段で公開しなければスポンサーがつかないとも考えていました。
情報番組の「子どもたちの自由研究」からヒントを得る
一昨年の夏休みも終わりに差し掛かる頃、テレビの情報番組で子どもたちの自由研究についての話題が取り上げられているのを見て、これに決めました。
それでも、これを事業化するには1か月間考えました。精神障がいという病歴をオープンにすることもリスクでしたし、そもそも皆が自由研究をやりたがるのだろうか、応募が集まるのだろうかという迷いがあったからです。その迷いは今でも抱えています。
始めてみて気づいた課題
私たちの業務は大きく分けて、応募作品の獲得と協賛金の獲得の2つに分類されます。
このほかにも審査や表彰などの付随的な業務も予定されていますが、それを除くと特に前者を左サイド、後者を右サイドと区分しています。
これは業務の性質の違いからくる便宜的なものです。
しかし、現状ではどちらもうまくいっているとは言えません。
クラウドファンディングで運営資金に困らない、と楽観
開業当初は「ホームページを設置しSNSで発信していれば、ある程度の応募数は見込める」と思っていましたし、クラウドファンディングを実施すれば運営資金には困らないだろうと楽観していました。
しかし、実際にはまったくそんなことはありませんでした。
広告を出すのにも資金が必要
応募数を増やすためには広告を出す必要があることがすぐにわかりました。
広告を出すにはそれには資金が必要であり、企業協賛を得なければなりません。一方で、応募が集まらなければ協賛獲得は難しいという「卵が先か鶏が先か」というようなジレンマに陥りました。
そこで、できるアクションをまずは起こすべきだと考え、今年の初めから全国の事業所宛てにダイレクトメールを送り、チラシの設置をお願い始めました。
設置いただく案内状の印刷や三つ折り、封入作業などは私たちが手作業でおこなっています。
この作業こそまさに事業所等で日々行われている単純作業の典型で、長い期間継続することはとても大変な作業でした。
同志の協力やピンとくるような表現の工夫が必要
何か新しく事を進めようと思えば、次々と必要となるスキルや知識が増えてしまいます。
例えば資料作成やプレゼンテーションのスキルです。
自分たちだけで成せることには限界があるので、同じ志を持つ事業者や個人の手助け・連携も歓迎しています。
ご興味がございましたら是非ご連絡ください!
また、自由研究のコンテストを周知する中で
「どのような取り組みなのか、なかなかピンとこない」
という方が多いことも課題です。
今後、ピンとくるような表現の工夫が必要だと思っています。
さらに、私たち自身が精神障がいの当事者であるため、体調を崩すこともあり、その度に仕事を中断しなければならなかったことも課題の一つです。
今後の展望について
当事業が発展することによって、精神障がい者への研究が進み、能力の開発や認知が進むと考えています。
さらに、障がいが個性であるとの認識が広まり、経済的かつ社会的な価値をもたらす社会を思い描いています。当事業がそのきっかけになり、重要な役割を担っていきたいと考えています。
精神障がい者の地位向上を目指す
国々によって、精神障がいの基準や制度が異なることは承知しています。
そのため、ハードルは高いですが、この事業は国内のみでなく世界的に拡大されるべきだと思っています。
また、当事業は精神障がい者の地位向上という、ひとつの社会運動という側面も持っています。これは万国普遍の願いです。
「みんな違って、みんな良い」
今後は、健常者であっても人工知能の進歩により職を追われる人も出てくるでしょう。そんな時代に人間らしさとは何であるかと多くの人が思いを巡らしたとき、当事業の真価が問われるような気がしています。
「みんな違って、みんな良い」この言葉は重要なコンセプトです。
工業化時代には型どおりの人間を育成することが合理的でした。しかし、時代は前に進んでいます。社会は個性を必要としていると強く訴えていきたいです。
法すう株式会社
代表取締役 菅原淳一
https://www.ho-su.net/
まとめ
法すう株式会社の取り組みは、精神障がい者の個性と能力を社会に活かすための重要なステップだと感じました。
これからも多くの課題に直面することがあるかと思いますが、菅原さんご夫婦はその一つ一つを乗り越え、社会に価値を提供し続ける覚悟を持っています。
すべての人が個性を尊重され、豊かな生活を送れる未来を目指して、菅原さんご夫婦はこれからも努力を続けられることと思います。
もし少しでも興味がありましたら、自由研究へのご応募や、協力のご連絡をしてみてください!
障がい者が障がい者の課題解決を行う新しいコミュニティ 「凸凹村」「村長乙武洋匡の対談部屋 旅の障がい シリーズ②」公開!
「凸凹村」が本格始動!「村長乙武洋匡の対談部屋 シリーズ②」が公開されました!
凸凹村企画のひとつ「村長乙武洋匡の対談部屋」が公開されました📹
ぜひご覧ください✨
動画はこちら!
▽【乙武村長の対談部屋】三代達也さん 旅する前に聞いておきたい「よくある旅の障がい」って何? 旅の障がい シリーズ② 【凸凹村】
https://youtu.be/oWNfCzFm6bA?si=YzD0i5mUSkXPN3uU
▽乙武村長対談部屋 三代さん シリーズ② #障がい者 #乙武洋匡 #凸凹村 #三代達也
https://youtube.com/shorts/TvSpOHK0pvk?si=irKZKc30Bj_hwNa5
▽凸凹村チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCMKAJ0ubTahL7E22gcwPVHg
凸凹村とは?
障がい者の方達が自由な交流と、みんなで課題解決を行う新しいコミュニティ、 それが「凸凹村」です。
凸凹村プラットフォームでは、自分の村を立ち上げて同じ仲間を集めたり、話したいテーマについて深くお話したりすることが可能です。また、課題を解決するプロジェクトを立ち上げたり、クラウドファンディグで資金を募ることもできます。村民登録、宜しくお願いします!
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厚生年金加入者のための障がい厚生年金ガイド:受給条件と金額をわかりやすく解説!
不慮の事故や突然の病気などで障がいが残ってしまった方の中には、様々な疑問を抱えている方が多いでしょう。
障がい者が受け取れる厚生年金とは、不慮の病気やケガで一定の障がいが残った際に、初診日時点で厚生年金に加入している場合に支給されるものです。
通常の厚生年金(老齢厚生年金)は原則として65歳から支給開始ですが、障がい厚生年金は20歳に達していれば、障がい認定日の翌月分から受け取ることができます。このことは、一般的にも意外と知られていないことです。
障がい等級1級・2級・3級の方が「障がい厚生年金」を受給できる
どの年金を受け取れるのか以下にわかりやすく示すと、障がい等級1級・2級・3級の方が「障がい厚生年金」を受給できます。また、3級より軽い場合には「障がい手当金(一時金)」を受け取れる可能性があります(ただし一回のみ)。
障がい厚生年金を受給するための条件
障がい厚生年金を受給するための条件としては、初診日時点で厚生年金の被保険者であること、障がい認定日において一定の障がい状態に該当すること、そして保険料納付要件を満たしていることが必要です。
具体的には、初診日の前日において初診日の属する月の前々月までに被保険者期間のうち3分の2以上の期間、保険料を納付していること、または一定の免除期間があることが条件です。
出典:障がい者が受け取れる厚生年金は?加入者が知るべき年金種別と受給条件
判定は非常に複雑
しかしながら、「障がい厚生年金」を受給するための要件を満たしているかの判定は非常に複雑です。さらに、受給手続きも煩雑で時間がかかるため、事前に正しく理解しておかなければ、受給タイミングが遅れて損をしてしまう可能性があります。
そこでこの記事では、厚生年金に加入していた方が受け取れる年金の種類や金額について、等級ごとにわかりやすく解説します。また、受給要件についても詳しく説明し、判断して申請できるようサポートします。
例えば、以下のフローチャートを利用すれば、自分が厚生障がい年金を受け取れるのかを簡単に判断できるでしょう。
「自分はどの年金がいくらもらえるのだろうか?」「受け取る条件を満たしているのか?」という疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みいただき、ご参考にしてください。
障がい者が受け取れる厚生年金「厚生障がい年金」とは
障がい者の方は、厚生年金に加入している間(=厚生年金の被保険者である間)に病気やケガなどで1級・2級・3級に該当する障がい認定された場合に、厚生年金を受け取ることができます。これを「厚生障がい年金」といいます。
障がい厚生年金の対象となる病気・ケガの例
外部障がい
眼、聴覚、音声または言語機能、肢体(手足など)の障がいなど
精神障がい
統合失調症、双極性障がい、認知障がい、てんかん、知的障がい、発達障がいなど
内部障がい
呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど
障がい等級1級・2級・3級の目安
1級
他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない状態
身の回りのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)・入院や在宅介護を必要とし活動の範囲がベッドの周辺に限られる方
2級
必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても日常生活は極めて困難で、労働による収入を得ることができない状態
家庭内で軽食を作るなど軽い活動はできてもそれ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)・入院や在宅で活動の範囲が病院内・家屋内に限定される方
3級
労働が著しい制限を受けるまたは労働に著しい制限を加えることを必要とする状態
日常生活にはほとんど支障はないが労働には制限がある方
※障がい者手帳の等級と障がい年金の等級は異なります。
通常の厚生年金(老齢厚生年金)は原則として65歳から支給開始ですが、障がい厚生年金は20歳に達していれば、障がい認定日の翌月分から受け取ることができます。
ただし、初診日に厚生年金に加入していること、一定期間以上の加入期間があること、国民年金の保険料を一定期間以上しっかり払っていることなどが条件となります。
具体的には、以下の全てを満たしている場合に、厚生障がい年金を受け取ることができます。
障がい厚生年金の受給要件
障がいの原因となった病気やケガの初診日
初診日に、厚生年金に加入していた
障がいの状態
障がい認定日に、障がい等級表に定める1級・2級・3級のいずれかに該当している
(障がい認定日に障がいの状態が軽くても、その後重くなったときは、障がい厚生年金を受け取ることができる可能性があります)
国民年金などの納付済期間
初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
一方で、初診日に厚生年金に加入していなかった方や、障がい等級が4級以上の方、保険料の納付済期間が足りていない場合には、残念ながら厚生障がい年金がもらえません。
厚生年金加入中に障がい認定された方がもらえる年金の一覧
ここからは、厚生年金加入中に病気やケガなどで障がいが残った方がもらえる年金について、さらに詳しく解説していきます。1級・2級の方と、3級の方は、もらえる年金の構成が違うため、注意が必要です。
出典:障がい者が受け取れる厚生年金は?加入者が知るべき年金種別と受給条件
※報酬比例額の計算において、被保険者期間300カ月みなし措置あり
※3級より軽い場合に障がい手当金(一時金)を受けられる場合あり
※参考:厚生労働省「[年金制度の仕組みと考え方]第12 障がい年金」
障がい等級1級・2級の方:障がい基礎年金+障がい厚生年金がもらえる
障がい等級が1級・2級の方は、障がい基礎年金と障がい厚生年金の両方がもらえます。障がい基礎年金とは、障がいの原因となった病気やケガの初診日が「国民年金に加入している間」(または20歳前、もしくは60歳以上65歳未満)の場合に支給されます。
障がい基礎年金の受給要件
障がいの原因となった病気やケガの初診日
以下のどれかに該当している
(1)初診日に、国民年金に加入していた
(2)初診日に、20歳前だった
(3)初診日に、60歳以上65歳未満だった
障がいの状態
障がい認定日に、障がい等級表に定める1級・2級のいずれかに該当している
国民年金などの納付済期間
初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしている
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
障がい等級が1級・2級の方は、障がい厚生年金だけでなく基礎年金も同時にもらえるという手厚い制度となっているので、同時に手続きを進めましょう。
障がい等級3級の方:障がい厚生年金がもらえる
障がい等級3級の方は、障がい基礎年金はもらえませんが、障がい厚生年金のみが支給されます。
なお、3級の障がい厚生年金には「配偶者加給年金」は加算されないので注意しましょう。
障がい等級3級よりも軽い障がいの方:障がい手当金(一時金)がもらえる
厚生年金に加入していた場合、初診日から5年以内に病気やケガが治り、障がい厚生年金を受けるよりも軽い障がいが残ったときには、障がい手当金(一時金)が支給されます。
障がい手当金の受給要件
障がいの原因となった病気やケガの初診日
障がいの原因となった病気やケガの初診日
初診日に被保険者であったこと
病気やケガの状態
・初診日から起算して5年を経過する日までに、傷病が治っている(症状が固定している)こと
・治った日に、政令で定める程度の障がいの状態(※)にあること
国民年金などの納付済期間
初診日前日において、初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があるときは、その被保険者期間のうち保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上あること
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
政令で定める程度の障がいの状態とは、以下の状態です。
両眼の視力が0.6以下に減じたもの
一眼の視力が0.1以下に減じたもの
両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
両眼による視野が二分の一以上欠損したもの又は両眼の視野が10度以内のもの
両眼の調節機能及び輻輳(ふくそう)機能に著しい障がいを残すもの
一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
そしやく又は言語の機能に障がいを残すもの
鼻を欠損し、その機能に著しい障がいを残すもの
脊柱の機能に障がいを残すもの
一上肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障がいを残すもの
一下肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障がいを残すもの
一下肢を3センチメートル以上短縮したもの
長管状骨に著しい転位変形を残すもの
一上肢の二指以上を失つたもの
一上肢のひとさし指を失つたもの
一上肢の三指以上の用を廃したもの
ひとさし指を併せ一上肢の二指の用を廃したもの
一上肢のおや指の用を廃したもの
一下肢の第一趾又は他の四趾以上を失つたもの
一下肢の五趾の用を廃したもの
前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障がいを残すもの
精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障がいを残すもの
「障がい等級1級~3級の状態ではないから年金対象外」と思わず、障がい手当金(一時金)の対象かどうか今一度確認してみましょう。
まとめ
障がい厚生年金を受給するためには、さまざまな条件や手続きが必要で、その内容は非常に複雑です。しかし、正しい情報を事前に把握しておくことで、受給タイミングを逃さず、安心して申請を進めることができます。この記事を参考に、ご自身の状況に応じた年金の受給条件や手続きをしっかりと確認し、必要なサポートを受けてください。困ったときには専門家に相談することも検討しながら、確実に権利を守っていきましょう。
参考
障がい者が受け取れる厚生年金は?加入者が知るべき年金種別と受給条件
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障がいの種類ってどのくらいあるの?身体・知的・精神の3種類:精神障がい
内閣府の「障がい者の状況」によると、1,000人あたり49人が精神障がいを抱えているとされており、その数は決して少なくありません。この統計は、精神障がいが我々の身近な存在であることを示しています。そのため、社会全体がこの問題に対処し、適切な支援や理解を提供することが重要です。
精神障がい
精神障がい者は、以下のように分類できます。
統合失調症
気分障がい
非定型精神病
てんかん
中毒精神病
器質性精神障がい(高次脳機能障がいを含む)
発達障がい
統合失調症の理解を深める
統合失調症は、幻覚や妄想などの症状が現れる疾患で、生活を著しく困難にすることがあります。その症状は以下の通りです。
統合失調症の症状
■陽性症状
幻聴や自己批判の声が聞こえること
現実と異なる信念を強く持つこと
被害妄想にとりつかれること
自己中心的な考え方
■陰性症状
意欲の低下や興味の喪失
疲労感や集中力の低下
日常生活への関心の低下
これらの症状が現れると、統合失調症の人は考えをまとめるのが難しくなり、社会との関わり合いも困難になることがあります。
統合失調症の原因は完全には解明されていませんが、発症率は比較的高く、約100人に1人がこの疾患にかかると推定されています。
統合失調症の精神障がい者への配慮ポイント
社会との接点を保つことが治療に役立つため、病気を理解し、その人が仕事に就くことを支援する。
ストレスや環境の変化に敏感なため、ストレスの少ない環境で同じ仕事を続けられるよう配慮する。
情報の過剰な提示は混乱を招く可能性があるため、整理された情報をゆっくりと具体的に伝える。
症状が悪化したときは無理をさせず、休憩を取ったり、速やかに主治医を受診するよう促す。
統合失調症の人に接する際は、「やる気がない」「目も合わせない」といった印象にとらわれるのではなく、病気を理解し、適切なサポートを提供することが大切です。
気分障がい
気分障がいとは、主に気分の波が現れる病気のことで、症状は以下の通りです。
■うつ状態
気分が強く落ち込む
何事にもやる気が出ない
疲れやすい
考えが働かない
自分が価値のない人間のように思える
死ぬことばかり考えてしまい、実行に移そうとする
■躁状態
気持ちが過剰に高揚する
普段ならあり得ないような浪費をする
ほとんど眠らずに働き続ける
ちょっとしたことにも敏感に反応し、他人に怒りっぽくなる
自分は何でもできると思い込んで、人の話を聞かなくなる
気分障がいの人々は、日々の気分の波に苦しみながら生活しています。配慮とサポートが必要なときに提供されると、彼らはより健康的な生活を送ることができます。
気分障がいの精神障がい者への配慮ポイント
うつ状態のときは無理をさせず、休憩したり、早退できるようにする。
躁状態のときは、安全管理に気を付ける。
自傷行為や自殺念慮の可能性がある場合は、本人の安全を最優先に考え、専門家に迅速に相談する。
薬物療法の継続は症状の改善に不可欠です。そのため、症状が見られる際には無理をせず、安全面に配慮することが大切です。
非定型精神病
非定型精神病とは、ストレスによって急に発症して、統合失調症や気分障がいのような症状が出るものの、比較的短期間で症状が治まる病気のことで、以下のような症状が見られます。
非定型精神病の症状
■初期
不眠・不安などの状態が続く
躁状態から急にうつ状態になることが多い
■症状が進むと
幻聴か聞こえる
突然意識が混とんする
夢の中にいるような状態になる
非定型精神病の精神障がい者への配慮ポイント
ストレスが原因のため、その人にストレスがかかりにくい環境で、同じ仕事内容を続けられるようにする。
症状が短い間隔で変動しやすいため、様子を見守る。
比較的短期間で寛解状態に至るので、症状が出ているときは無理させず、休憩や早退できるようにする。
病気を理解し、早く症状が落ち着くように、できるだけストレスがかかりにくい職場作りをサポートすることが大切です。
てんかん
てんかんは、脳の一部が一時的に過剰に興奮することで発作が起きる病気です。発作には以下のような症状が見られます。
てんかんの発作で見られる症状
けいれんを伴う
突然意識を失う
意識はあるが、認知の変化を伴う
しかし、発作が起こっていないほとんどの時間は、普通の生活が可能です。
てんかんの精神障がい者への配慮ポイント
発作がコントロールされている場合は、過剰に制限しないことが大切です。彼らが普通の生活を送れるようにサポートしましょう。
発作が起こる可能性がある場合は、高所作業や刃物を使った作業を避けるよう配慮しましょう。安全面を考慮して行動しましょう。
発作が起こってしまった場合は、まず本人の安全を確保し、その後で専門機関に相談することが重要です。彼らが安心して適切な対応を受けられるようサポートしましょう。
てんかんのある人のうち70~80%は内服治療で発作をコントロールしているため、彼らのコントロール状況を確認することが重要です。
中毒精神病
中毒精神病は、アルコールや睡眠薬、シンナーなどの薬物を過剰に摂取することで引き起こされる精神障がいです。以下はその症状です。
中毒精神病の症状
意識障がい
躁うつ状態
幻覚や妄想状態
この状態になると、摂取を繰り返さないと満足できない依存症に陥ることがあります。これは家庭生活や社会生活に悪影響を及ぼすことがあります。
中毒精神病や依存症の精神障がい者への配慮ポイント
本人が病気だという認識を持っていない場合があるため、専門機関への受診を促すことが重要です。
他者から非難されると、現実から逃れるためにアルコールや薬物に一層依存する可能性があるため、アドバイスは控えましょう。
一度症状がおさまっても、再発する可能性があるため、根気よく見守ることが必要です。
相手を非難せず、専門機関の治療や助言に頼り、根気よくサポートすることが大切です。
器質性精神障がい
器質性精神障がいは、脳が損傷することによって引き起こされる精神障がいで、様々な症状が現れます。
器質性精神障がいの症状
■記憶障がい
短期記憶が弱く、すぐに忘れることがある
新しい情報や出来事を覚えられない
同じことを何度も尋ねることがある
■注意障がい
集中力が続かず、簡単に気が散る
ぼんやりしており、ミスが多い傾向がある
■遂行機能障がい
計画を立てて実行する能力が低く、物事の順序を立てられないことがある
効率的な作業が難しく、タスクの遂行が困難になることがある
■社会的行動障がい
些細なことで怒りっぽくなり、興奮することがある
こだわりが強く、自分の意見や欲求を主張する
我慢ができず、欲しいものを即座に求めることがある
思い通りにならないと感情的になり、時には暴力を振るうことがある
病識欠如も起こり、自身の問題に気づかず、行動に問題を生じさせることがあります。さらに、失語症や運動障がい、感覚障がいなどの症状が同時に現れることもあります。外見からはわかりにくく、「見えない障がい」とも言われます。
器質性精神障がい者への配慮ポイント
■記憶障がい
手がかりがあると思い出しやすいので、手帳やメモ、アラームを利用してもらう
器質性精神障がい発症前の知識や経験を活かす
■注意障がい
短時間なら集中できる場合があるので、こまめに休憩時間を設ける
ミスを防げるように、順番を決めて仕事に取り組んでもらう
■遂行機能障がい
手順を書いた紙を目に付くところに掲示する
スケジュール表を見ながら行動してもらったり、チェックリストを利用する
■社会的行動障がい
感情をコントロールできないときは、話題や場所を変える
事前に話し合ってルールを決めておく
その人に合わせて配慮すれば、トラブルが起こりにくくなるでしょう。
まとめ
精神障がいは多様であり、その中には統合失調症、気分障がい、中毒精神病、器質性精神障がい、そして非定型精神病など、さまざまな病態が含まれます。これらの症状は、個々の人々によって異なりますが、理解と配慮がその人々がより豊かな生活を送るための重要な要素であることは間違いありません。
参考
障がいの種類は?わかりやすく分類するなら身体・知的・精神の3種類
障がいの種類ってどのくらいあるの?身体・知的・精神の3種類:身体障がいPart2
身体障がい者は、外見からでも判断できる場合もありますが、他の障がいについてはその特徴や分類がなかなか理解しづらいものです。
聴覚と平衡機能の障がいについての配慮と理解は、多様性と包摂の原則に基づく社会の重要な側面です。障がい者への配慮は、彼らが社会参加を果たし、自己実現を図るための支援を提供することを目指します。
聴覚と平衡機能の障がいについて
聴覚障がいの種類
聴覚障がいは、原因となる病変が聴覚組織のどこで起こっているかによって、以下の3つに分類されます。
伝音性難聴
外耳から中耳にかけての障がいによる難聴です。補聴器の活用などで会話できることが多いです。
混合性難聴
伝音性と感音性の両方の原因による難聴です。
感音性難聴
内耳から聴神経、脳に至るまでの障がいによる難聴です。音が歪んで聞こえるため、大声で話されると余計に言葉が認識できなくなります。
特に感音性難聴は、話し声を大きくすることで解決できるものではないため、配慮が必要です。
聴覚障がいの程度
聴覚障がいの程度には、以下のような分類があります。
軽度:紙に鉛筆で文字を書く音や、静かな会話などが聞こえにくい
中度:普段の会話が聞こえにくい
高度:大きな声でも聞こえにくい
ろう:耳元の大きな声でも聞こえにくく、日常会話が聞こえない
これらの程度に応じて、補聴器や聴導犬などの補助具を活用して聴覚情報を補うことがあります。
聴覚障がいのアイデンティティ
聴覚障がい者には以下の3つのアイデンティティがあり、それぞれ異なるコミュニケーション手段が求められます。
■ ろう者
先天性の障がいなどにより、音声言語を習得する前に聴覚障がいを負った
手話を主に利用する
■ 中途失聴者
音声言語を習得した後に後天性の障がいで聴覚障がいを負った
手話、読唇、筆談、パソコンやスマホのチャット機能などを組み合わせて利用する
■ 難聴者
障がいの発覚時期や程度に関わらず、手話や筆談ではなく、残存する聴覚を使ったコミュニケーションを望むことがある
それぞれの個人がどのようなコミュニケーション手段を望んでいるかを尊重し、適切な配慮を行うことが重要です。
平衡機能障がいについて
平衡機能障がいの症状は様々ですが、一般的な症状は以下の通りです。
■平衡機能障がいの症状
頭や足元がふらつく、めまいや不快感を感じる
話しにくい、飲み込みにくい
通常、人間の体は目からの情報、両耳の内耳感覚、足底の感覚などを脳に送り、その情報を統合して体の動きを調整しています。しかし、耳や脳の疾患によってこの指令が正常に伝達されなくなると、平衡機能障がいが生じます。
個々の症状や程度は人それぞれ異なるため、その人の状態について丁寧に聞くことが重要です。
聴覚または平衡機能障がい者への配慮ポイント
聴覚または平衡機能障がい者への配慮ポイントは以下の通りです。
■ 感音性難聴の場合
むやみに大声で話しかけない
電話対応を避ける
■ 補聴器を利用している場合
できるだけゆっくりと明瞭に話す
複数の人が会話する際は、発言者が手を上げてから話し始める
顔が隠れないようにする(資料やマスクなど)
電話対応を避ける
■ 片側の聴力だけ極度に低い場合
聞こえが良い方に移動して話しかける
■ 平衡機能障がいがある場合
高所作業や人混みを避け、転倒や転落の危険を避ける
障がいの程度や感じ方は個々に異なるため、配慮する際には相手の状況やニーズに合わせることが重要です。
音声機能・言語機能の障がいの具体例
音声機能・言語機能の障がいに関する具体的な例をご紹介します。
■ 喪失
【音声機能】
咽頭の欠損により声を発する能力がない
事故やがんなどにより咽頭に外傷が生じ、声を発することができなくなった
【言語機能】
生まれつき聴覚障がいがあるため、音声言語を理解できない
脳梗塞や脳内出血などの脳血管障がいや交通事故による脳外傷により失語症となり、言語機能が喪失した
■ 障がい
音声機能や言語機能が完全に喪失していないが、話す、聞く、読む、書くことに影響がある
音声機能・言語機能の障がい
音声機能・言語機能の障がいは、咽頭の欠損や脳損傷などにより、声や言語を十分に活用できない状態を指します。
音声機能・言語機能の障がいを負うと、音声や言語のみを用いた意志の疎通が困難になります。言語機能の障がいでは、話す、聞く、読む、書くことに影響が出るため、会話中にわかったふりをするのではなく、その都度聞き返して確認するようにしましょう。
そしゃく機能の障がい
そしゃく機能の障がいは、食べ物を口から摂取するために欠かせない機能に影響を及ぼします。
喪失の例としては、重症筋無力症などの神経・筋疾患によりそしゃくできなくなったり、延髄機能障がいや末梢神経障がいによってもそしゃくが困難になる場合があります。また、外傷や腫瘍切除などによって顎や口腔、咽頭の欠損が生じると、そしゃく機能も影響を受けることがあります。
障がいがある場合、経管栄養や特定の食事形態に依存することが一般的です。例えば、口からの摂取が難しい場合は経管栄養が必要となることがあります。
また、咬合異常による口唇や口蓋裂などの先天異常の後遺症も、そしゃく機能に影響を与える可能性があります。そしゃく機能の障がいを持つ人々には、食事や栄養摂取の方法に配慮する必要があります。
音声機能、言語機能、またはそしゃく機能の障がい者への配慮ポイント
障がいを持つ人々に対する配慮は、その個々のニーズに応じて柔軟に対応することが重要です。以下はその一例です。
■音声機能、言語機能の障がい
筆談やパソコン、スマートフォンのチャット機能を活用する。
大きな声でゆっくりと話しかけ、理解を助ける。
コミュニケーション中には、その都度聞き返しや確認を心がける。
電話応対を避け、代替手段を提供する。
■そしゃく機能の障がい
定期的な通院を容易にし、治療の継続をサポートする。
経管栄養の摂取時間とスペースを確保し、安心して食事を摂れる環境を整える。
職場のイベントや飲み会などの機会も含め、社交的な活動に参加できるような配慮をする。
これらの配慮ポイントは、障がい者がより快適に生活できるようにサポートするためのガイドラインです。それぞれの状況に応じて柔軟に対応し、個々のニーズを最大限に考慮することが大切です。
肢体不自由
肢体不自由は、手や足、体幹などの一部または全部に障がいがある状態を指します。以下にその種類と、それに伴う日常生活の困難な動作を挙げてみましょう。
肢体不自由の種類
■上肢不自由、下肢不自由
全廃:機能を喪失した状態(欠損や切断など)
著障:機能に著しい障がいがある状態
軽障:機能に軽度の障がいがある状態
■体幹不自由
体幹の運動や姿勢維持に関する機能障がいがある状態(脊髄損傷など)
■脳原性運動機能障がい
乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がい(脳性麻痺など)
肢体不自由の障がい者は、車椅子の利用が一般的であり、日常生活の多くの動作が困難です。
■日常生活の困難な動作
立ち上がること
歩行すること
座ること
食事をすること
着替えること
物を持ち運ぶこと
字を書くこと
これらの動作は肢体不自由の障がい者にとって、日常生活を送る上での重要な挑戦となります。
肢体不自由の障がい者への配慮ポイント
肢体不自由の障がい者に対する配慮ポイントは、彼らが日常生活や仕事をより快適に行えるように配慮することが重要です。以下はその例です。
車椅子が通れる十分な通路スペースを確保する。
入口や室内の段差を解消し、バリアフリーにする。
車椅子に座ったまま仕事ができるように、机の高さを調節する。
棚の上や床面に物を置くのが難しいため、必要な物は手が届く範囲に置く。
一定の体温を維持するのが難しい場合、冷暖房が適温かどうかを確認する。
肢体不自由の障がい者の立場になって職場環境を見直し、彼らが自己実現しやすい環境を整えることが求められます。バリアフリーな環境を整えることで、障がい者も仕事や社会活動に積極的に参加できるよう支援しましょう。
まとめ
障がい者に対する配慮は、そのニーズや個々の状況に応じて柔軟に対応することが欠かせません。肢体不自由の障がい者への配慮や聴覚・平衡機能の障がい者への理解を深めることで、彼らが自分らしい生活を送り、社会参加を果たすことを支援しましょう。
参考
障がいの種類は?わかりやすく分類するなら身体・知的・精神の3種類
障がいの種類ってどのくらいあるの?身体・知的・精神の3種類:身体障がいPart1
障がいの分類には多様なアプローチがありますが、一般的には身体障がい、知的障がい、そして精神障がいの3つに区分されます。身体障がい者は、外見からでも判断できる場合もありますが、他の障がいについてはその特徴や分類がなかなか理解しづらいものです。
身体障がいの種類
身体障がい者は視覚障がいや聴覚障がい、言語機能障がい、肢体不自由などに分けられます。その一方で、内部障がいには心臓や肝臓、ぼうこうなどの機能障がいも含まれます。
このような分類を把握することは、それぞれの障がい者のニーズや支援方法を理解しやすくする上で重要です。
障がい者を支援する上で原因や社会的な背景も理解することが重要
障がい者の定義に基づく「障がい者基本法」は、障がい者の理解を心身機能の個別の問題だけでなく、社会の仕組みや環境によるものと捉え、それを解決することが重要であるという考え方を反映しています。
この法律は、障がい者の支援と社会参加の促進を目的としており、個々の障がいの種類だけでなく、その原因や社会的な影響も考慮しています。
したがって、障がい者を支援する上で、障がいの種類だけでなくその原因や社会的な背景も理解することが重要です。それにより、より適切な支援や配慮が可能になります。
この記事では、障がいの種類ごとに部位や症状を紹介するだけでなく、障がいのない人が適切に理解し、配慮するためのポイントも提供します。また、障がい者手帳の種類や等級についての情報も含まれており、これらを理解することで、障がい者のニーズや支援方法をより具体的に把握することができます。
障がいの種類
障がいの種類は、障がい者基本法に基づいて身体、知的、精神の3種類に分類されます。
身体障がい者は、身体的な障がいによって生活や社会活動に制限が生じる人々です。視覚障がいや聴覚障がい、または肢体不自由や内部障がいなどが該当します。
知的障がい者は、知的機能の発達が遅れたり低下している人々であり、その程度によって軽度から最重度まで分類されます。
精神障がい者は、精神的な問題によって社会生活に支障をきたす人々です。統合失調症や気分障がい、器質性精神障がいなどが含まれます。
これらの障がいの種類を理解することで、個々の障がい者のニーズや適切な支援方法を把握することが重要です。
身体障がい
身体障がい者は、さまざまな身体機能に障がいがあることによって分類されます。見た目では分からない内部機能にも障がいがある場合があります。以下に、身体障がい者の分類とその原因を示します。
身体障がい者の分類
視覚障がい
聴覚・平衡機能障がい
音声機能・言語機能・そしゃく機能障がい
肢体不自由
上肢不自由
下肢不自由
体幹機能障がい
脳原性運動機能障がい
内部障がい
心臓機能障がい
じん臓機能障がい
呼吸器機能障がい
ぼうこう・直腸機能障がい
小腸機能障がい
HIV免疫機能障がい
肝臓機能障がい
これらの分類は、先天的な機能不全や後天的な疾患、交通事故などによって引き起こされます。初めて目にすると、身体障がいがこれほど多様であることに驚くかもしれません。
身体障がいの分類別原因
身体障がいの種類ごとに、それぞれ異なる原因が存在します。
■ 視覚障がい
先天的なもの:網膜色素変性症、先天性白内障、未熟児網膜症、網膜細胞芽腫など
後天的なもの:糖尿病による血管損傷による網膜症、緑内障、加齢黄斑変性、脳障がいによる大脳へのダメージなど
■ 聴覚・平衡機能障がい
先天的なもの:母体の妊娠期間中の風疹感染など
後天的なもの:慢性化膿性中耳炎、老人性難聴、音響外傷、メニエール病など
■ 音声・言語・そしゃく機能障がい
無咽頭、咽頭や構音器官に障がいがある
聴覚障がいがあるために音声言語が獲得できない失語症
筋肉、神経の障がいや、傷病による口や咽頭の機能消失など
■ 肢体不自由
先天的な奇形や機能不全
後天的な脳疾患や事故による四肢の切断など
■ 内部障がい
心臓疾患による機能低下
腎疾患
呼吸器機能障がい
尿路変更ストマや腸管ストマ造設などによる、ぼうこうや直腸機能障がい
小腸機能障がい
HIVによる免疫機能障がい
肝炎、肝硬変、肝臓がんによる肝臓機能障がい
これらの原因によって、身体障がい者が様々な症状を抱えています。そのため、接する場面も多く、理解を深める必要があります。内閣府の報告によれば、身体障がい者の概数は436万人で、その数は知的障がい者や精神障がい者と比較しても多いです。
身体障がい者福祉法では身体障がい者はさらに以下の5種類に分類されます
視覚障がい
聴覚・平衡機能障がい
音声機能・言語機能・そしゃく機能障がい
肢体不自由
(上肢不自由・下肢不自由、体幹機能障がい、脳原性運動機能障がい)
内部障がい
(心臓機能障がい、じん臓機能障がい、呼吸器機能障がい、ぼうこう・直腸機能障がい、小腸機能障がい、HIV免疫機能障がい、肝臓機能障がい)
これらの分類は、身体障がい者のニーズや特徴に基づいています。障がいの内容や特徴と合わせて、配慮すべきことについてもご説明しますので、参考にしていただければ幸いです。
視覚障がいの種類
視覚障がい者は、以下の4つの種類に分類されます。
■ 視力障がい
視覚的な情報を全く得られないか、ほとんど得られない状態
文字の拡大や視覚補助具の使用によって保有する視力を活用することができる
■ 視野障がい
見える範囲が狭くなったり、一部が欠けたりする状態
球心性視野狭窄(中心しか見えない)
中心暗転(周囲はぼんやり見えるが、中心が見えない)
■ 色覚障がい
特定の色が見えにくい、区別しにくいなどの状態
■ 光覚障がい
夜や暗い場所では何も見えない
光を眩しいと感じたり、痛みを感じる
さらに2つの状態に分類
これらの障がいによって、視覚障がい者はまったく見えない人から日常生活に制限を受ける見え方をしている人まで様々な状態に分かれます。
視覚障がい者は、盲と弱視というさらに2つの状態に分類されます。
■ 盲
明暗の区別はつくが、目の前の指の数程度しかわからないなど、視力が極端に低い状態
■ 弱視
視力が低い
見える範囲が狭い
明るい場所では見えるが、暗い場所では見えにくいなどの状態
視覚障がい者への配慮ポイント
視覚障がい者に対する配慮ポイントは以下の通りです。
■ 視力がほとんどない場合
点字のディスプレイがついたパソコンや、音声読み上げソフトなどの利用を考える
障がい者作業施設設置等助成金を活用し、視覚補助具の購入を検討する
歩行中につまずきやすいため、通路には障がい物を置かないようにする
危険な場所には予め警告を表示する
■ 保有する視力を活用できる場合
視覚障がい者用パソコン画面の拡大ソフトや、拡大読書器などの視覚補助具の利用を考える
同様に、障がい者作業施設設置等助成金を活用し、視覚補助具の購入を検討する
歩行中につまずきやすいため、通路には障がい物を置かないようにする
危険な場所には予め警告を表示する
■ 近いところが見えない、部分的に見えない場合
歩行中につまずきやすいため、通路には障がい物を置かないようにする
危険な場所には予め警告を表示する
■ 特定の色が見えにくい場合
見やすい色に変更する
文字で情報を補足する
■ 暗いところで見えにくい場合
座席の配置や照明の位置を変更して、明るい環境を提供する
■ 光を眩しい、痛いと感じる場合
座席の配置や照明の位置を調整し、眩しい光を避けるようにする
サングラスの着用を認め、必要に応じて提供する。
視覚障がい者とのコミュニケーション
コミュニケーションの際には、以下のポイントに留意して、視覚障がい者との円滑なコミュニケーションを図りましょう。
名乗りを先に伝える:話しかける際には、まず自分の名前を名乗りましょう。これによって相手が誰と話しているのかを把握しやすくなります。
物の説明は具体的に:物の説明をする際には、大きさや色などの具体的な情報を伝えるようにしましょう。視覚障がい者にとって、物の形や色は重要な情報源です。
状況の説明は具体的に:状況や方向を説明する際には、「あっち」「こっち」といった漠然とした表現ではなく、具体的な方向や位置を示すようにしましょう。たとえば、「左側の机の上に書類があります」といった具体的な指示が役立ちます。
これらの配慮ポイントは一例ですが、視覚障がい者とのコミュニケーションを円滑にするために、できるだけ配慮を行うことが大切です。
まとめ
障がい者の種類ごとに異なるニーズや配慮が必要ですが、それぞれの個性を尊重し、包摂的な社会を築くためには、理解と配慮が欠かせません。障がいの種類や原因に関わらず、個々の人の尊厳を尊重し、適切な支援や配慮を提供することが、社会の課題に真摯に向き合う第一歩です。
参考
障がいの種類は?わかりやすく分類するなら身体・知的・精神の3種類