【令和3年度報酬改定】地域移行支援
令和3年度障害福祉サービス等報酬改定では、地域移行支援の報酬がさらに評価されたり、加算がふえたりなど、支援体制の強化が求められています。 令和3年2月4日に発表された、報酬改定の内容をまとめたので、ご参考ください。
地域移行支援の改定内容
地域移行支援の改定内容は以下のとおりです。
・地域移行支援実績をさらに評価
・退院・退所月加算をさらに評価
・居住支援法人などとの連携を評価
・ピアサポート体制加算の新設
● 地域移行支援実績をさらに評価
今回の改定では、地域移行支援の取り組みを強化するため、前年度に3人以上の地域移行実績をもつ事業所がさらに評価されるかたちになりました。 地域移行支援サービス費は(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)に区分され、それぞれ報酬単位が上がります。
そして以下の要件を満たすと、地域移行支援サービス費(Ⅰ)が加算されます。
①前年度に地域移行の実績が3人以上であること。
②社会福祉士・精神保健福祉士が従業員に1人以上いるか、または、精神障害者地域移行・地域定着支援関係者研修を修了している相談支援専門員が1人以上いること。
③複数の障害者支援施設または精神病院など(地域移行支援の対象施設」と緊密な連携がとれていること。
● 退院・退所月加算をさらに評価
今回の改定では、精神障がい者への支援に力をいれる動きがあります。 精神障がい者へ早期の地域移行支援をすすめるため、通常の「退院・退所月加算」に評価が加えられます。
退院・退所月加算・・・2700単位/月
+500単位/月
利用者が精神科病院に入院後3か月~1年未満で退院した場合、通常の退院・退所月加算に加えて、月に500単位があたえられます。
● 居住支援法人などと連携したときに評価
居住支援法人や居住支援協議会との連携をすすめるため、「居住支援連携体制加算」と「地域居住支援体制強化推進加算」が新設されました。
居住支援連携体制加算・・・35単位/日
地域居住支援体制強化推進加算・・・500単位./回(月1回が限度)
居住支援法人や居住支援協議会との連携体制をとり、連携体制を公表していること。そして月に1回以上、居住支援などについて情報共有をしている場合、居住支援連携体制加算があたえられます。
地域居住支援体制強化推進加算は、利用者の住居の確保や居住支援といった課題を文書にして報告するなど、居住支援体制を強化する取り組みをおこなうことが算定要件です。
● ピアサポート体制加算の新設
以下の①~④は、ピアサポート体制加算の算定要件です。
ピアサポート体制加算・・・100単位/月
①「障がい者ピアサポート研修(基礎研修・専門研修)」を修了した管理者またはピアサポーターと協働して支援をおこなう人が、常勤換算方法で0.5人以上いること。(併設する事業所の職員を兼務している場合、勤務先を含む業務時間の合計が0.5人以上であれば算定できます。)
②研修を修了しているピアサポーターが、障がい者または障がい者であった、と都道府県や市町村が認めていること。
③ ①②の要件を満たしていることを公表していること。
④「障がい者ピアサポート研修(基礎研修・専門研修」を修了した管理者やピアサポーターから、従業員にたいして、ピアサポートに関する研修を年1回以上、おこなっていること。
しかし、まだピアサポートの認知度は低いため、令和6年度3月31日までは経過措置として算定要件が緩和されています。 障がい者ピアサポート研修を受けた管理者などがいなくても、都道府県や指定都市、中核市が認めた研修を受けたピアサポーターを配置していれば、ピアサポート体制加算の要件を満たしている、と認められます。
まとめ
地域移行支援の令和3年度障害福祉サービス等報酬改定は、報酬の向上や、さらに評価があたえられるなど、地域の支援体制を整えることに力をいれています。
このほか全サービスに関わる報酬改定の内容は別記事にまとめているので、ご参考ください。
▼参考