2024.04.19

どんな種類の障がいがあるの?障がいの多様性:身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい 知っておきたい基礎知識!

障がいは主に「身体障がい」「知的障がい」「精神障がい」の3つに大別される

障がいとは、障がい者基本法によれば、「身体障がい、知的障がい、精神障がいがあるため、継続的に日常生活や社会生活において相当な制限を受ける者」を指します。この定義に基づくと、障がいは主に「身体障がい」「知的障がい」「精神障がい」の3つに大別されます。

身体障がいは、身体の一部に損傷や機能の制限があり、日常生活に支障をきたすものです。知的障がいは、認知能力や学習能力に問題があり、社会参加や自立が難しい状態を指します。精神障がいは、心の健康に関連する障がいであり、感情や行動の制御が難しくなることがあります。これらの障がいは、個々の人の状況や程度によって異なり、支援や配慮が必要とされる場合があります。

 

身体障がい

身体障がいとは、先天的な要因や病気、事故などにより身体機能に制限が生じる障がいのことです。身体障がい者福祉法では、5つの主要な種類に分類されています。

 

視覚障がい

視覚障がい者は、視力に関する問題によって日常生活に様々な困難を抱えます。例えば、移動時には安全なルートの確保や交通手段の利用に課題が生じます。読書や書類の理解、情報の収集、デジタル機器の操作なども困難を伴います。

また、視覚障がいによって生じる社会的孤立や心理的なストレスも考慮する必要があります。支援としては、点字や音声案内、拡大印刷物、音声合成技術などの利用が挙げられます。

 

聴覚障がい

聴覚障がい者は、コミュニケーションや情報収集において困難を経験します。日常生活では、会話や講義、公共のアナウンスなどが聞き取りにくい場合があります。特に、背景雑音のある環境や複数の話者がいる場面での情報の把握が難しくなります。聴覚障がい者への支援策としては、手話や筆談、口話言語訓練、聴覚補助装置の利用などがあります。

 

音声・言語機能またはそしゃく機能障がい

音声・言語機能の障がいやそしゃく機能障がいを持つ人々は、コミュニケーションや食事において日常生活におけるさまざまな困難に直面します。言葉の理解や発声が難しいため、コミュニケーションの円滑な進行が難しくなります。

また、そしゃく機能障がいを持つ人々は、食事や嚥下に関する問題により、栄養摂取や健康管理に支障を来すことがあります。これらの障がいへの対応としては、手話や文字によるコミュニケーション支援、食事内容や嚥下訓練の改善などが挙げられます。

 

肢体不自由

肢体不自由は、四肢や体幹の運動機能に障がいがある状態を指します。この障がいにより、日常生活において様々な困難が生じます。例えば、移動や身の回りの世話、衣服の着脱、食事の準備や摂取、さらには仕事や学校などの社会的な活動にも影響を及ぼします。肢体不自由の原因は多岐にわたります。

先天的な障がい、遺伝的な要因、疾患、事故や外傷など、さまざまな要因が考えられます。また、脳や脊髄の損傷、筋肉や関節の異常、先天性の四肢の発育不全なども肢体不自由の原因となります。リハビリテーションや適切な医療、補助具の利用など、個々の状況に応じた支援が重要です。

 

内部障がい

内部障がいは、心臓や腎臓、免疫機能などの内部器官の機能に障がいがある状態を指します。これらの障がいにより、全体的な体力低下や疲労感が生じます。心臓の機能障がいによる場合、身体のどこからでも不規則な動悸や息切れが起こることがあります。

腎臓の機能障がいでは、体内の余分な水分や老廃物が排泄されず、浮腫や高血圧などの症状が現れることがあります。免疫機能障がいによる場合、体が感染症に対して充分な抵抗力を持たず、さまざまな健康問題が生じる可能性があります。

これらの障がいの原因は、様々なものが考えられます。心臓や腎臓の機能障がいは、疾患や生活習慣によるものが主な原因です。免疫機能障がいは、遺伝的な要因や環境要因、または病気や治療によるものがあります。内部障がいは、適切な治療や管理が不可欠であり、それによって生活の質を改善することが可能です。

 

知的障がい

知的障がいの特徴を掘り下げると、以下のような点が挙げられます。

 

  • 知的発達の遅れや制限

知的障がいは、一般的な知的発達の遅れや制限が主な特徴です。これは、認知能力、言語能力、学習能力、社会的な適応能力などに影響を与えます。

この遅れや制限は、人々が情報を処理し、問題を解決し、日常生活のスキルを獲得する能力に影響を及ぼします。

 

  • 知的機能と適応機能の評価

個々の知的障がいの程度は、知的機能と適応機能のレベルに基づいて評価されます。知的機能は、知的テストによって測定されます。これには、言語、数学、記憶、問題解決能力などが含まれます。

適応機能は、日常生活や社会生活における能力を示します。これには、自己ケア、コミュニケーション、社会的相互作用、職業訓練などが含まれます。

年齢に応じて、個人の能力や成長を評価し、必要な支援やサービスを提供するために、定期的な評価が行われます。

このような詳細な評価を通じて、個々のニーズや能力に合わせた適切な支援が提供され、知的障がいを持つ人々が最大限の可能性を引き出すことができるようになります。

 

日常生活における困難

影響について更に掘り下げると、知的障がいが日常生活や教育、雇用に及ぼす具体的な影響を理解することができます。

 

  • 日常タスクの理解と実行

知的障がいを持つ人々は、日常のタスクやルーチンを理解し、実行することに困難を抱えることがあります。これには、自己ケア、家事、買い物、交通手段の利用などが含まれます。

 

  • コミュニケーションの困難

コミュニケーションは、言語能力や社会的な適応能力が必要なため、知的障がいを持つ人々にとって困難な場合があります。言葉の理解や表現、会話の流れや社会的なルールの理解に問題を抱えることがあります。

 

教育や雇用の制約

  • 学習の制約

知的障がいを持つ人々は、学習や教育においても障がいを抱えることがあります。特別な教育プログラムや支援が必要となることがあります。

 

  • 雇用の制約

一部の人々は、知的障がいを克服し、職場で十分な支援を受けることで、一定の成果を達成することができます。しかし、適切な教育や雇用の機会へのアクセスが難しい場合があります。また、雇用先での適切な支援や配慮がないと、適切な役割を果たすことが難しいこともあります。

これらの影響を考慮することで、知的障がいを持つ人々に対する支援やサービスが改善され、彼らがより満足度の高い生活を送ることができるようになります。

 

社会的な関係の構築と維持

社会的な関係と自立について更に掘り下げると、以下の点が挙げられます。

 

  • コミュニケーションの障がい

知的障がいを持つ人々は、言語理解や表現の障がいから、コミュニケーションにおいて困難を抱えることがあります。これにより、友情や家族関係の構築や維持に影響を与えることがあります。適切なコミュニケーション手段や支援が必要です。

 

  • 適応能力の制限

社会的な状況や関係に対する適応能力の制限も、知的障がいを持つ人々に影響を与えます。新しい環境や社会的なイベントに対する適応が難しく、社会的な孤立や不安感を引き起こすことがあります。

 

自立生活の目標の達成

  • 生活スキルの向上

自立生活を送るためには、生活スキルの向上が不可欠です。これには、日常生活の基本的なスキル(料理、清掃、買い物など)や社会生活に必要なスキル(コミュニケーション、交渉、問題解決など)の獲得が含まれます。

 

  • 適切な住居の提供

自立生活を支援するためには、適切な住居の提供が必要です。これには、安全で快適な住環境や必要なサポートサービスへのアクセスが含まれます。

 

  • 職業訓練

自立生活を実現するためには、適切な職業訓練や就労支援が必要です。これにより、自己価値感や生活の質が向上し、社会参加が促進されます。

これらの支援が提供されることで、知的障がいを持つ人々が社会的な関係を築き、自立的かつ充実した生活を送ることができるようになります。

精神障がい(発達障がいを含む)

精神障がいは、感情や思考、行動に変化が現れ、日常生活に支障をきたす障がいを指します。その中でも、統合失調症や気分障がいはよく知られた代表的な例です。

 

統合失調症

統合失調症は、現実感覚の歪みや幻覚、妄想などの症状が特徴的です。これにより、患者は日常生活において困難を経験し、社会的な関係や職業生活に支障をきたすことがあります。例えば、幻聴や被害妄想によって周囲とのコミュニケーションが困難になることがあります。

発症の原因は、遺伝的な要因や生活環境、神経化学の変化などが関与すると考えられています。また、ストレスやトラウマも発症に影響を与えることがあります。心理的な治療や薬物療法が一般的な治療法ですが、個々の症状や経過に応じてアプローチが異なります。

 

気分障がい

気分障がいには、うつ病や双極性障がいなどが含まれます。うつ病では、患者は長期間にわたって抑うつ状態が続きます。双極性障がいでは、患者は抑うつと興奮の状態が交互に現れます。これらの気分変動により、患者は日常生活において様々な問題を抱えることがあります。

気分障がいの原因は、脳の神経化学の変化や遺伝的な要因、ストレスなどが関与します。特定の生活イベントや季節の変化も発症に影響を与えることがあります。治療法としては、薬物療法や心理療法、生活習慣の改善が行われますが、個々の症状や重症度によって治療方針が異なります。

これらの精神障がいは、個々の症状や影響が異なるため、適切な診断と治療が重要です。また、ストレスへの脆弱性を持つ人々が発症しやすいとされるため、心理的なサポートや適切なケアが必要です。

 

発達障がい

発達障がいは、脳の発達に関する先天的な異常によって引き起こされるものであり、その特性は個々の障がいによって異なります。ここでは、よく知られている発達障がいのいくつかを詳しく見てみましょう。

 

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症は、社会的な相互作用やコミュニケーション、興味や行動における制限されたパターンなどが特徴です。例えば、他人との関わりを避ける傾向や、反復的な行動が見られることがあります。

ASDは、生涯にわたって持続する障がいであり、個々の症状や重症度は大きく異なります。多くの場合、早期の介入や適切な支援が必要です。

 

注意欠陥・多動症(ADHD)

ADHDは、注意力の欠如、衝動性、多動性などが特徴的な障がいです。これにより、学校や職場での集中力や組織力が低下し、日常生活に支障をきたすことがあります。

環境要因や遺伝的な要因が発症に関与する可能性があります。多くの場合、行動療法や薬物療法などが症状の管理に用いられます。

 

学習障がい(LD)

学習障がいは、読み書きや計算などの基本的な学習スキルの獲得に困難を抱える障がいです。これにより、学業成績や学習へのモチベーションが低下し、自己価値感に影響を与えることがあります。

環境要因や遺伝的な要因が発症に関与する可能性があります。個々のニーズに応じた教育的な支援や学習療法が重要です。

これらの発達障がいは、個々の特性や症状に応じて様々な支援や介入が必要です。早期の診断と適切な支援を提供することで、個々の能力を最大限に引き出し、日常生活における成功や満足度を高めることができます。

 

特性や影響は異なるが共通して理解される必要がある

これらの障がいには、個々の特性や影響が異なりますが、共通して理解される必要があります。支援やケアの提供においては、その人のニーズや特性を十分に理解し、個別化されたアプローチが重要です。また、二次障がいを引き起こす可能性も考慮する必要があります。

まとめ

障がいは、身体的な制約から知的な遅れ、精神的な変化、発達上の課題まで、様々な形で現れます。それぞれの障がいは、個々の人の生活や関係に異なる影響を与えますが、理解と支援を通じて、誰もが充実した生活を送る機会を得ることができます。

 

参考

どんな種類の障がいがあるの? 知っておきたい基礎知識をご紹介|ワークリア

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