2021.11.25

【令和3年度報酬改定】重度訪問介護

重度訪問介護

【令和3年度報酬改定】重度訪問介護

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の重度訪問介護に大きな改定はありませんが、新たな加算がいくつか新設されており、緊急時の対応が評価されます。

令和3年2月4日に発表された、報酬改定の内容をまとめたので、ご参考ください。

 

重度訪問介護の改定内容

令和3年度報酬改定の重度訪問介護の改定点は以下になります。

  • 移動介護緊急時支援加算の新設
  • 地域生活支援拠点等に係る加算の新設
  • 身体拘束などの適正化
  • 福祉・介護職員等に関する加算の見直し

 

移動介護緊急時支援加算の新設

「移動介護緊急時支援加算」は、移動時に緊急的におこなう介護を評価する加算です。

ヘルパーが運転する車で利用者と移動しているとき、利用者からの要請に対応して、車を低駐車させ、喀痰吸引や体位調整など必要な支援をおこなうと、1日につき以下の単位数があたえられます。

 移動介護緊急時支援加算・・・240単位/日

 

地域生活支援拠点等に係る加算の新設

緊急時の受け入れ体制を強化するため、「地域生活支援拠点等に係る加算」が新設されました。

「地域生活支援拠点等に係る加算」は、地域生活支援拠点等と指定されたサービス事業所が、緊急時の対応をおこなった場合に評価し、加算されます。緊急時対応加算、緊急時支援加算(Ⅰ)または緊急時支援費(Ⅰ)を算定すると、以下の単位が加えられます。

 地域生活支援拠点等に係る加算・・・+50単位/回

 

 

身体拘束の適正化

事業の運営基準に、身体拘束に関する要件が新設されます。

①身体拘束をおこなうときは、必要な事項を記録すること。
②身体拘束の適正化のための対策検討委員会を開き、委員会の検討結果を従業員へ徹底周知すること。
③身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
④従業者へ、身体拘束等の適正化のための研修を定期的におこなうこと。

①は令和3年度から義務化、②~④は1年間の準備期間を設け、令和4年度から義務化されます。

また令和5年4月からは、運営基準の①~④を満たしていないと、「身体拘束廃止未実施減算」が適用されます。以下のとおりに基本報酬が1日ごとに減算されてしまいます。

 身体拘束廃止未実施減算・・・5単位/日

 

福祉・介護職員処遇改善加算・処遇改善特別加算の見直し

福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)と、福祉・介護職員処遇改善特別加算は廃止。

しかし令和3年3月末時点で加算(Ⅳ)(Ⅴ)が算定されている障害福祉サービス等事業所は、1年間の経過措置をあたえられます。

また加算率の算定方法は、障害福祉サービス等経営実態調査にある従業者数や報酬請求事業所数を用いて、加算率が算定されることに。

重度訪問介護の加算率は以下のようになります。

重度訪問介護の加算率
(Ⅰ)所定単位数× 20.0%
(Ⅱ)所定単位数× 14.6%
(Ⅲ)所定単位数×   8.1%

職場環境要件も見直されました。職場環境の改善につながる取り組みは、当該年度に実施することを求められます。

ただし、継続して処遇改善加算を取得している事業所は、当該年度に実施できない正当な理由がある場合、特別に、前年度の取り組み実績で要件を満たすことができます。

 

福祉・介護職員等特定処遇改善加算の見直し

福祉・介護職員等特定処遇改善加算の平均の賃金改善額の配分ルールが見直されます。

より柔軟な配分をできるようにするため、経験・技能のある障害福祉人材は、ほかの障害福祉人材の平均引き上げ額の「2倍以上とすること」としているルールを、「より高くすること」に。

また福祉・介護職員等処遇改善加算と同じく、類似している複数のサービスはグループ分けして加算率を設定。重度訪問介護の加算率は以下のとおりです。

 (Ⅰ)所定単位数× 7.0%

 (Ⅱ)所定単位数× 5.5%

 

まとめ

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の重度訪問介護は、「移動介護緊急時支援加算」が新設され、緊急時の対応もしっかり評価されるようになります。

このほか全サービスに関わる報酬改定の内容は別記事にまとめたので、ご覧ください。

【令和3年度障害福祉サービス報酬改定】全サービス

 

 

参考

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

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